こどもの肥満(2)(週刊やさしいダイエット第38号より)


■はじめに

前回こどもの肥満についてお話ししたとき、学童の標準体重は

標準体重(kg)=[身長(m)の3乗]×13

で表されることをお話ししました。ここで計算された標準体重より20%以上体重が多い時を肥満、標準体重より10%以上体重が少ない時を痩せ、と言います。

さて、前回は「こどもの肥満をどうやって防いだらいいか」ジェフリーの説をご紹介しましたが、それでは既に肥満になってしまっているこどもや、こどもの頃肥満だった人はどうすればよいのでしょうか?今日はそのことについてお話ししたいと思います。

■こどもの太り方・大人の太り方

よく「こどもの頃は脂肪細胞の数が増えることによって太り、大人になると脂肪細胞の大きさが増すことによって太る」と言われます。これはどういうことでしょうか?

まず、脂肪細胞というのはその名の通り脂肪を中にため込むことの出来る細胞です。この細胞は主に「妊娠末期」「生後1年」「思春期」の3つの時期に数が増えると言われています。

この時期に脂質や糖質を摂りすぎると(妊娠末期には、母親がそれらを摂りすぎると)脂肪細胞の数が増え過ぎるため肥満になると言われています。これを「脂肪細胞【増殖型】肥満」と呼びます。

一方、これらの時期以外で脂質や糖質を摂りすぎると、脂肪細胞の数は変わらないのですが、中にため込まれる脂肪が増えるのでやはり肥満になると言われます。これを「脂肪細胞【肥大型】肥満」と呼びます。

ですからこどもの肥満は「脂肪細胞【増殖型】肥満」が多く、大人の肥満は「脂肪細胞【肥大型】肥満」が多いのです。

■こどもの肥満は大人になっても続くか?

それではこどもの頃に肥満だった人は大人になっても肥満になるのでしょうか?これまで「こどもの頃に肥満だった人のほぼ8割は、大人になっても肥満になる」とされてきました。しかし最近の研究では、こどもの頃に肥満だった人のうち大人になってもそれが続いている人は約1/3である、と言うデータが発表されています。ですから、「私はこどもの頃に肥満だった。だから私は大人になっても痩せられないだろう」と悲観する必要はないのです。

しかし肥満になりやすい生活習慣はこどもの頃から身につけておくに越したことはありません。よって、日常生活の中で体を良く動かす習慣を付け、規則正しい食事の習慣や栄養についての基礎的な知識を身につけることが必要です。

■おわりに

以上、2回にわたってこどもの肥満についてお話ししました。

少し古いデータになりますが、1989年の統計では約20年前の1968年に比べると男子で約3倍、女子で約2倍、こどもの肥満が増えているのだそうです。しかし、その一方で思春期の女子に限ってみると逆に肥満は減っています。これは健全な「肥満の減少」ととらえるべきか、それとも病的な「痩せ願望」ととらえるべきか、議論の分かれるところです。

こどもの肥満は大人と同じように生活習慣病の原因となるため、予防するに越したことはありません。ですが、逆に「とにかく痩せさえすれば良い」と言うような短絡思考に陥らないよう、十分気をつけなけて指導していきたいものです。