食べて痩せる?(週刊やさしいダイエット第39号より)


■はじめに

皆さんはテレビや雑誌のダイエット特集の中で「食べて痩せる」という言葉を見かけたことはないでしょうか?

ダイエットと言うと食事制限が付きもの。食べたいものも食べられないイメージがありますから、その常識を覆すダイエット方法はとても魅力的ですよね。でもそのようなダイエットに飛びつく前に、ちょっと待って!本当に「食べて痩せる」ことは可能なのでしょうか?

■A子さんとB子さん

もし「食べて痩せる」が可能なら‥ここで一つの例を挙げてみましょう。

A子さんとB子さんは同じスポーツクラブに通うお友達。ダイエットのため、いつも一緒にトレーニングに励んでいます。しかし同じメニューをこなしているはずの二人ですが、その成果には大分差があります。原因はどうやら食生活にあるようなのですが、それでは「なかなか痩せられない」のはどちらでしょう?二人のある日の食事をご紹介します。

【A子さんの食事】

朝:シリアル40g、牛乳200cc
昼:ハンバーガー1個、ウーロン茶
夕:野菜炒め定食(ごはんを半分残す)

【B子さんの食事】

朝:シリアル40g、牛乳200cc、サラダ、ヨーグルト
昼:ハンバーガー1個、オレンジジュース、フライドポテト(S)
夕:野菜炒め定食、餃子1皿、生ビール中ジョッキ1杯

■「食べて痩せる」のトリック

もし「食べて痩せる」が可能なら、沢山食べているB子さんの方がより痩せられるように思われるでしょう。しかしおそらく実際には痩せられるのはA子さん、逆にB子さんは「なかなか痩せられない」と悩んでいるかもしれません。何故なら、当たり前のようですがB子さんの方が沢山食べているからです。

「食べて痩せる」と言うと、皆さん「好きなものを」「好きなときに」「好きなだけ」食べても痩せられる方法があるのではないか?!と考えがちでしょう。しかしこれらの方法の中身をよく読んでみてください。「食べる」と言っても、量の制限(1日1〜2食はダイエット用の特殊な飲み物で我慢する、若しくは特殊な食品を使わなくても1食あたり小さなおにぎりが2個だけ、等)や、内容の制限(キノコやこんにゃくなどが中心の食事、若しくは炭水化物や脂質抜き)がついてまわり、決して「好きなものを」「好きなときに」「好きなだけ」と言うわけではないようです。

つまり、「食べて痩せる」と言うのはあくまで「絶食しなくても痩せられる」と言う意味でのみ使われているのです。

■やはり食べたら痩せられない?

以前このメルマガで、「体重は[摂取カロリー(kcal)]と[消費カロリー(kcal)]の差によって一定の値を取る、つまり体重は最終的には食べたい量と運動してもいいと思う量で決まる」と言うことをお話ししました。そのことから考えても、やはり「好きなものを」「好きなときに」「好きなだけ」食べれば、痩せることは難しくなるかもしれません。また、標準体重を遙かに下回るような体重を目指して摂取カロリーを抑えれば、必要とされる栄養素を必要なだけとることも難しくなるでしょう。

このようなお話をすると「やはりダイエットは簡単にはできないのか」とがっかりされる方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際、ダイエットとは人間にとって一番(と言って良いほど)大きな欲求である「食欲」に対抗するもの。モデルやタレントさんのようなプロは涼しい顔をして「特にダイエットはしていません」「趣味は食べ歩きです」と応えるかもしれませんが、その裏では人知れず辛いダイエットをしていることもあるようです。それを忘れて「どこかに食べても痩せられる秘策があるのかもしれない」と楽をすることばかり考えていると、このような一見「常識を覆す」ようなコピーに惑わされ、健康と高額なお金を注ぎ込むことになってしまうでしょう。

ダイエットはとてつもない難関ではありません。かと言って全く努力をせずに出来るものでもありません。どうかそのことを忘れず、これからも一歩一歩確実にダイエットをして欲しいと思います。