エフェドリン(麻黄) (週刊やさしいダイエット第43号より)


■はじめに

以前、このメルマガで食欲抑制剤としてマジンドール(商品名「サノレックス」)についてお話ししましたが、最近はこの他にも日本で認可されていない食欲抑制剤およびサプリメントが個人輸入され、一部のダイエッターの間で使われているようです。

しかし、これらの中には「楽して痩せられる」と言う魅力的なコピーとは裏腹に、死亡例が報告されているような危険なものもあります。「やさしいダイエット」ではこれから数回に渡って、ダイエットに使われる危険な薬・サプリメントについてお話ししていきたいと思います。

本日取り上げるのは「エフェドリン(麻黄)」です。

■エフェドリン(麻黄)とは?

エフェドリンは気道や鼻の粘膜、血圧等に作用する薬です。この作用を利用して、日本では喘息や鼻づまりの治療、麻酔で血圧が下がったとき血圧を上げるのに使われています。

一方アメリカでは、エフェドリンは興奮剤として合法的に売られ、また「ダイエットに効果がある」として多くのダイエットサプリメントに含まれています。

■エフェドリン(麻黄)の副作用

しかし、この薬にはカリウムと言う体内に必要なイオンの低下(これにより不整脈を起こしたり、時には心臓が止まることもあります)をはじめ、次のような副作用があると言われています。

・循環器(動悸、血圧が上がる)
・精神神経(頭痛や頭が重い感じ、振るえ、不眠、めまい、発汗、神経過敏、脱力感)
・消化器(口がかわく、吐き気や嘔吐、食欲不振)
・泌尿器(尿が出にくい)
・過敏症(発疹)
・続けて使うことによる精神症状(不安、幻覚、妄想)

そしてアメリカではこれらの副作用と関連の深い死亡例が報告されているのです。

なお「麻黄(まおう)」と言うのは一種の生薬で、エフェドリンはその主成分。ですから「麻黄」と「エフェドリン」はほぼ同じ意味に使われていると考えて差し支えありません。

生薬等の天然成分は体に優しい・副作用もなく安全である、と間違った思いこみをしている人をよく見かけますが、このことからも天然成分が必ずしも安全とは限らないと言うことがおわかり頂けるでしょう。

■アメリカの研究より

先ほどもお話ししたように、アメリカではエフェドリンを含むサプリメントによると思われる事故が相次いで起こっています。このため日本では厚生省にあたるFDA(米国食品医薬品局)ではこれらの事実関係をはっきりさせ、今後の安全対策に活かすため、調査を行いました。

対象となったのは1997年から約2年間の内にFDAに報告された140件の事故です。このうち31%はエフェドリンを含むサプリメントと「明らかな関連がある」「おそらく関連がある」と判断され、「関連の可能性がある」とされたものも31%に達しました。つまり62%(87件)は多かれ少なかれ関連があるとされたのです。

多かれ少なかれ関連があるとされた事故のうち、47%は循環器、18%は精神神経に関する副作用によるものでした。この中で最も頻繁に起こったのは高血圧、次いで動悸や脈が速くなる、脳卒中、けいれんの順でした。また死亡に至ったものも10件、一生残る後遺症を起こしたものも13件あり、これらは多かれ少なかれ関連があるとされた事故の中で26%を占めました。

この調査を行ったグループは「エフェドリンを含むサプリメントを使うと健康に害を及ぼす可能性がある」とし、更なる調査が必要と結論づけたのでした。

■最後に

もし貴方がサプリメントをはじめ、何らかのダイエット食品(お茶を含む)を使っているのであれば、どうかその成分をチェックしてみてください。そしてその中に「ephedrine(エフェドリン)」「ephedra(エフェドラ)」若しくはそれに類似した表記を見つけたら、製造元や輸入代行業者に問い合わせてください。

貴方は命と引き替えに痩せを手に入れようとしていませんか?