水とダイエット(1)(週刊やさしいダイエット第59号より)


■はじめに

皆さんはダイエット中の食事で、どんな栄養素に気を付けていますか?ある人は「ビタミンを多めに」だったり、またある人は「炭水化物を少なめに」だったりするかもしれません。

一方、栄養素ではないけれど多くの人が気を付けているものがあります。それは「水」です。「私は水を飲んでも太る」と言う人もいれば、「ダイエット中は水を沢山飲みなさい」と指導する方法もあります。中には「痩せる水」と称する商品まであります。

果たして水はダイエットにどのような影響を及ぼすのでしょうか。これから数回にわたり、水とダイエットについてお話ししたいと思います。

■水と人間の体

まず水がダイエット‥と言うより、人間の体にどのような影響を及ぼすのか、勉強しましょう。

地球の2/3は水である、そして人間の体も2/3は水である‥と言うと、何やら清涼飲料水のCMのようですが、実際人間の体の約2/3(65%)は水から出来ています。そしてこのうち45%は細胞の中に、15%は細胞と細胞の隙間に、残りの5%は血液に存在します。血液がたったの5%しかないなんて、ちょっとビックリですよね。

人間の体の中で、水は様々なものを溶かし、必要なものを運んだり、逆に不要なものを取り去ったり、細胞の形を維持したり(水が無くなったら、細胞はしぼんだ風船のようになってしまいます)、汗となって体温を調節したりします。これらの働きはとても大切なため、人間の体は水を10%失うと健康を損ない、また20%失うと死に至ると言われます。

■水の出入り

それでは体の水を維持するため、私たちはどれくらい水を飲まなければならないでしょうか?一般に私たちの体には毎日これだけの水が入り、これだけの水が出ていくと言われます。

○入る水
飲料水(1,200ml)+食事中の水分(1,000ml)+代謝水(300ml)=合計(2,500ml)

代謝水とは、カロリーが使われるときに出てくる水のことで、100kcalあたり炭水化物で13.5ml、脂質で11.5ml、蛋白質で10.1mlと言われます。

○出る水
尿(1,400ml)+汗(600ml)+吐く息(400ml)+便(100ml)=合計(2,500ml)

吐く息から水が出ていくというのはイメージしにくいかもしれませんが、水が湿気となって出ていくと考えれば良いと思います。

以上より、入る水と出る水の量はそれぞれ等しく、つり合いがとれていることがおわかり頂けるでしょう。このつり合いは、健康であればほぼ崩れることはありません。何故なら体のメカニズムによって、入る水が多くなれば尿の量が増えますし、逆に入る水が少なくなれば喉が渇いて水を飲みたいと思うようになるからです。

しかしダイエット方法の中には、体のメカニズムが処理できる限度を超えて水を極端に多く摂ったり、逆に極端に制限するものがあります。例えば雑誌などにしばしば紹介されている方法として、「私のスリムの秘訣は、サウナに入った後、絶対に水を飲まないこと。だってそこで水を飲んだら元の木阿弥でしょう?」と言うものや、「老廃物をどんどん出せば、ダイエットはうまくいきます。食前には水を、少なくとも1リットルずつ飲みましょう!」と言うものありますが、もしその様な方法を実践したら、人間の体はどうなってしまうでしょう?