水とダイエット(2)(週刊やさしいダイエット第60号より)
■極端に水を制限するとどうなるか?
前号では、人間の体に入る水と出る水の量は、体のメカニズムによって等しく、つり合いがとれていると言うことを勉強しました。
しかしダイエット方法の中には、体の自然なメカニズムに逆らって、喉が渇いても水を飲まない、逆にお腹がタプタプになるくらい水を飲む、と言う方法があります。そのようなダイエット方法は、体にどんな害を及ぼすでしょうか?
今日はまず「極端に水を制限するとどうなるか?」からお話ししましょう。
■何故喉は渇くのか?
食べ物や飲み物に含まれている水は、腸から吸収され、まず血管の中(血液)に入ります。そして体の中をぐるぐる巡りながら、あちこちでジワジワと、血管から細胞と細胞の「隙間」にしみ出していきます。それが更に「細胞の中」へと入っていきます。そうやって、人間の体の中で水は、45%が細胞の中、15%が「隙間」、5%が血液に分布するのです。
さて、ここで貴方がサウナや長風呂でたっぷり汗をかいたとしましょう。そうするとまず、血液や「隙間」の水が不足し、濃くドロドロになったり、全体の量が減ったりします。
そしてこの濃度や量の変化が体の中のセンサーにキャッチされると、次に脳にある口渇中枢(こうかつ・ちゅうすう)が、喉の渇きとして「水が不足しているよ!水を飲んで!」と体に指令を出すのです。
この他にも尿の量を調節するホルモンが働いたりするのですが、喉が渇くというのは体の大切なメッセージであり、単に口の中が渇いた為に起こるものでは無いのです。
■水を飲まずにいるとどうなるか?
しかし、そこで貴方が「水を飲むと、折角汗をかいて減らした体重が戻っちゃう!」と思い、水を飲まずにいたとします。すると「細胞外脱水(さいぼうがい・だっすい)」と言って、血液や「隙間」の脱水が起こるのです。
細胞外脱水ではどんな症状が出てくるでしょう?まず、血液の量が少なくなるので、低血圧になります(イメージしにくかったら、水風船を想像してみてください。中に入っている水の量が多ければ水風船はパンパンになって圧力が高くなりますが、水の量が少ないと水風船はしぼんで圧力が低くなります)。
また、血液が濃くドロドロになるので、それを送り出す心臓に負担がかかります。そして皮膚がシワシワになったりします。
しかし、それでも水を飲まなかったらどうなるでしょう?すると今度は、細胞の中の水が血液や「隙間」に移動するのです。これは「細胞内脱水(さいぼうない・だっすい)」と言って、文字通り細胞の中が脱水になる状態ですが、この時には口の渇き、舌の乾燥、発熱、精神症状(幻覚・妄想・昏睡など)が起こります。
■汗をかいたらこまめな水分補給を
以上が「極端に水を制限するとどうなるか?」と言うお話でした。
前号でもお話ししたように、人間の体は水を10%失うと健康を損ない、また20%失うと死に至ると言われます。水が減っただけでもいい、0.1kgでも少ない体重計の数値を見たい!と言うのは人情でしょうが、やはりその為に健康を損なうようなことがあっては、本末転倒です。
どうぞ皆さん、喉の渇きという体の大切なメッセージを見逃さないように。サウナやお風呂、運動などで汗をかくときには、こまめな水分補給を心がけましょう。