行動連鎖(1)(週刊やさしいダイエット第63号より)
■はじめに
皆さんは「彼(敵)を知り、己を知れば、百戦して殆(あや)うからず」という言葉をご存じですか?これは兵法についての孫子の有名な言葉ですが、例えば野球やサッカーでも、いくら相手チームの戦力を分析したところで、自分たちの戦力を把握していなければ、ゲームに勝つことは難しいですよね。
この「敵を知り、己を知る」と言うのは、実はダイエットにとっても大切な「戦略」の一つです。皆さんは今までこのメルマガでダイエットに関する色々な知識〜標準体重の求め方や、1kgの体脂肪を減らすには何kcal消費すればよいか、等〜を勉強されてきたと思います。しかしその一方で「己を知る」、つまり自分にはどういう特長があってどんなダイエット方法が適しているのか勉強することも、大変大切なのです。
これから「週刊やさしいダイエット」では数回に渡って「己を知る」為のポイントをお話ししていきたいと思います。
■ある日のA子さん
まずここにA子さんの例を挙げたいと思います。それは一袋のクッキーから始まりました。
A子さんは一人暮らしの20歳代OL。彼女はその日、会社の帰りに、美味しいと評判のお店のクッキーを一袋買いました。そして帰宅すると、それを何気なく居間のテーブルの上に置いたのです。
A子さんは夜、これといってすることがありません。その夜も日課のように居間でテレビを見ていました。退屈な時間が過ぎていきます。そうしているうちに、何故でしょう、何だか食べたい衝動に駆られたのです。
その時、A子さんはふとテーブルの上を見ました。するとそこには買ってきたクッキーが!「そうだ、これを食べよう」。A子さんはテレビを見ながらそれを食べ始めたのです。
彼女は今ダイエット中でした。ですから最初は2,3枚食べてそこで終わりにするつもりでした。しかし「もう1枚くらいいいや」と言う気持ちが、彼女を4枚目・5枚目のクッキーに駆り立てたのです。そして何と気づいたときには一袋あけてしまっていました。
A子さんは空っぽになった袋を見て愕然としました。「何てことを!食べ過ぎてしまったわ。」。それと同時にだんだんヤケな気持ちも起こってきました。「一袋のクッキーで私のダイエットは台無しになってしまったわ。」「そうだ、どうせ台無しなら今日はもう何を食べても良いことにしよう!」そして彼女は買い置きしてあった他のお菓子も引っ張り出し、一人きりの大宴会を始めてしまったのです。
■行動連鎖について勉強しよう
A子さんの例を読んで「これはまるで私のようだ」と思われた方も少なくないでしょう。従来のダイエットの考え方をすれば、A子さんの一連の行動は「甘え」「意志が弱い」で片づけられてしまうかもしれません。しかしよくよく見ると、A子さんの「クッキーを買う」「それをテーブルの上(目に付くところ)に置く」と言った一つ一つの行動は、まるで連鎖反応のようにつながっていることがおわかり頂けるでしょう。
これを「行動連鎖」と言うのですが、行動連鎖は「己を知る」ための大切なキーワードになります。そして「自分の行動はある日突然ポン!と起こったものではなく、それ以前にあった他の行動の連鎖の結果起こったものだ(=行動連鎖)」と認識し、更に冷静に分析することで、自分のダイエットの妨げになっているものと向き合うことが出来るのです。
そう言った点で行動連鎖は、従来の「ただ自制心や精神力に頼るダイエット」とは趣を異にするのですが、では一体どうすれば自分の行動連鎖を分析できるのでしょうか。