目標達成の心理学(2)(週刊やさしいダイエット第68号より)


■はじめに

前回は目標を達成するための心構えとして「現実的な目標設定をする」「白か黒かの考え方をやめる」「目標設定は柔軟に」の3つをお話ししました。

ダイエットとは一口に言えば、摂取カロリーを減らし消費カロリーを増やすこと。そんな単純なことを多くの人が同じようにやっているのに、何故成功する人と失敗する人が出てきてしまうのでしょう。意志の強さ?体質?それとも何か特別な方法があるのでしょうか?

勿論そう言った要因もあるかもしれません。しかし、失敗ばかりしている人の話を聞くと「それは貴方だから失敗したのではない、誰でも失敗するはずだ」と言うようなダイエットをしていることが少なくないのです。

そう言うダイエットに陥らないよう、目標達成の心理学を学んでいただきたいと思います。

■短期的なゴールを設定する

もし皆さんに「今から1年の間に全部で1万メートル泳ぎなさい」と言うノルマが与えられたら、どうでしょう?気の遠くなるような目標に、やる気を失ってしまうかもしれません。しかし、「毎日25メートルとちょっと」若しくは「週に1回200メートル」泳ぎなさいと言われたら、何だか出来そうな気分になるでしょう(ちなみに毎日・毎週それくらい泳げば1年で約1万メートルになるのですが)。

これと同じように、ダイエットも「1年で○kg」「半年で○kg」と決まったら、次に「月に○kg」「週に○kg」と短期的なゴールを作ると、やる気を維持することが出来ます。小さなことを一つ一つクリアすることで、大きな目標も達成できると言うものです。

■体重ではなく、生活習慣の改善を目標に

テレビでは時々、「体型にコンプレックスのある人を痩せさせて、自信を持たせよう」と言う企画をやっています。このような番組では大抵「○月○日までに○kg」と厳しいノルマを設定していて、期限が迫ると絶食をしてでもノルマを達成しようとしています。

皆さんの中にも、「健康診断の日までに絶対48kg!」と決めて、それが達成できそうにない時には絶食したり下剤を使ったり‥と言うダイエットをしている方がいるのではないでしょうか?

しかし、そもそも人間の体は機械ではないので、「○月○日に○kg」と言うような設定をすることは出来ません。もし、そんな不可能なことをやってのけようとして失敗し、落ち込んだり自暴自棄になったりするならば、こんなナンセンスなことは無いのです。

それよりも、「○kgになれるような生活習慣を身につけよう」とする方が、ずっと成功率は高いと言えるでしょう。

ところで話はそれますが、テレビでは短期間・大幅減量を達成した人の「その後」については余り触れないようです。リバウンドはしていないのか、体調は崩していないのか、他人事ではありますが心配になってしまいます。

■完璧主義から抜け出そう

ダイエット相談をしていると、しばしば「私は完璧主義なんです」と言う人に遭遇します。どんな風に完璧主義かと聞くと、その人は「甘いものは絶対に食べないと決めたんです」と答えてくれます。

しかし、もしその人が甘いものを一口食べてしまったら、どうなるでしょう?目標を完璧に達成できなかった自分を責め、落ち込んでしまうかもしれません。若しくは、今日のダイエットはこれでダメになった、どうせダメなら沢山食べてしまえと自暴自棄になるかもしれません。

これが完璧主義の弱点です。「決して」「二度と」「絶対」などという言葉にとらわれて、わずかな失敗も許せなくなってしまうのです。そうして、1の失敗のために残りの99の成功まで否定してしまいます。

もしその人が「甘いものは出来るだけ食べない」と決めていたらどうなったでしょう?甘いものを一口食べただけなら「今日は8割がた目標を達成できたな」と満足し、「明日はもう少し頑張ってみよう」と意欲をつなぐことも出来たかもしれません。

皆さんも「決して」「必ず」「もう二度と」という言葉にとらわれそうになったら、それを「出来るだけ」「なるべく」という言葉におきかえましょう。

(次号に続きます)