目標達成の心理学(3)(週刊やさしいダイエット第69号より)
■はじめに
目標達成の心理学もいよいよ最終回を迎えました。このシリーズを書き始めてから、「まるで私みたい!」と言う感想のメールを多く頂くようになりました。これは「ダイエットに失敗する人に、如何に共通のウィークポイントがあるか」と言うことを表していると思います。
もしこの先、貴方がダイエットのスランプに陥るようなことがあったら、もう一度「目標達成の心理学」を読み直してみてください。ここで解決の糸口が見つかるかもしれません。
■ミスを恐れず
ダイエットに成功する人と、失敗する人の差は何でしょう?それは次のグラフでわかります(皆さんも是非やってみてください)。
「Aさんは、3カ月で5kgのダイエットに成功しました。彼の体重の推移をグラフに書くとどのようになるでしょう?縦軸に体重、横軸に時間をとって書いてみて下さい。」
この時、ダイエットに失敗する人は左上から右下へ、まっすぐ右下がりのグラフを書くと言われます。一方成功する人は、山あり谷ありのグニャグニャしたグラフを書き、全体として右下がりになっていると言われます。つまり、ダイエットに失敗する人は一時たりとも体重が増えることを良しとせず、逆に成功する人は「体重はしばしば一時的に増えるものだ」と言うことを知っているのです。
アメリカの有名な心理学者の言葉に「成功者はミスを友とし、失敗者はミスを憎み嫌う」と言うのがあります。この言葉は、「ミス」を「体重の(一時的な)増加」や「(たった一度の)食べ過ぎ」等と置き換えれば、ダイエットにも良く当てはまります。
例えば昨日より体重が増えてしまった時、成功者は「節制したつもりだったのに増えることもあるのね。人間の体って不思議だわ。」と軽く受け流したり、「こんなに急に体脂肪が増えるはずないわ。きっと水分によるものだから、そのうちまた戻るでしょう」と冷静に分析することが出来ます。そしていつも通りのダイエットを淡々と続けるのです。
しかし、失敗者は「節制したつもりなのに増えてしまうなんて。私のダイエットは間違っていたの?!」と大袈裟に受け止めたり、「もしかしてお昼に食べたケーキがいけなかったのかしら?あれがそのまま体脂肪になってしまったんだわ、どうしよう!」とパニックに陥ってしまいます。そして自暴自棄になって食べ過ぎたり、逆に絶食したりするのです。
皆さんは、小さなミスを恐れる余り、大きな失敗をしていませんか?
■自分にご褒美を
ダイエット中は、特にこれと言ったご褒美が与えられなくても、体重の数値が減ることそのものが大きな喜びだったりご褒美のように感じられます。中でも減量期(体重を目標に向かって減らしている時期)には、その傾向が強くなります。
しかし、体重は常に減るわけではありません。停滞期に入れば体重計の針は止まったままですし、ましてや減量期を終えて維持期(達成した目標体重を維持する時期)に入れば、体重は増えることはあっても減ることはありません。そうするとこれまで張りつめてきた緊張の糸がぷっつり切れてしまいます。
この「緊張の糸が切れること」を防ぐためにはどうしたら良いでしょう?中には自分に罰則を科し、「夜9時以降に何か食べたら、罰金100円」と言う風に決めている人もいるかもしれません。これは確かに緊張の糸を保つには良いことなのですが、ともすると先程の「ミスを恐れず」と言う意味ではマイナスになることがあります。
そこで、皆さんにお勧めしたいのが自分にご褒美をあげると言うことです。これはお金や服などでも構いませんし、旅行などのイベントでも良いでしょう。体重や体脂肪率などの「数値」ばかりではなく、夜食を我慢できた・3日間続けて運動できた等の「事柄」に対してご褒美をあげましょう。
実際、ダイエットとは「食欲」と言う大きな壁に立ち向かう作業であり、これを頑張れるというのはご褒美に値することなのです。どうか自分には惜しみないご褒美を与えてください。
■おわりに
3回にわたり、目標達成の心理学についてお話ししてきました。これを読んで自分の考え方のクセに気付き、これから直していこう!と思っていただけたのなら幸いです。
ただ、考え方というのは習慣の産物ですから、すぐに変わるとは限りません。例えば、「"絶対〜しよう!"なんて目標は"絶対"立てないことにしよう」と思うかもしれないのです。
しかし既にそのような習慣が身に付いてしまっているとしても、これから新しい習慣を身につけていけば良いのです。毎朝「今日一日だけでも肩の力を抜いてダイエットしよう」と自分に言い聞かせることで、時間は掛かるかもしれませんが考え方のクセは変えることが出来ます。
焦らず少しずつ、目標達成の心理学を自分のものにしていきましょう。