新・食べ過ぎの原因(1)(週刊やさしいダイエット第70号より)
■はじめに
やさしいダイエットでは、第13号で「食べ過ぎの原因」として5つの仮説をご紹介いたしました。しかし医学と言うものは日々進歩し、それまで仮説だったものが証明されたり、逆に否定されたりするので、現在は第13号でご紹介したものとは別の説が支持されるようになっています。
そこで今回は「新・食べ過ぎの原因」としてより新しい仮説をご紹介します。
■食欲のメカニズム
その前に第40号でもお話しした食欲のメカニズムについて復習しましょう。
まず人間が満腹を感じるメカニズムを図示します。
0.ごはんを食べる→1.血液中の糖やインスリンが増える→2.満腹中枢に伝わる→3.満腹を感じる→4.ごはんを食べ終える
人間は、ごはんを食べると数分以内に血液中に糖やインスリンが増えます(インスリンについて、ここでは詳しく説明しませんが、簡単に言えば体を作るホルモンです)。するとそれを満腹中枢が感知し、人間は満腹を感じて、ごはんを食べ終えます。
では次に空腹を感じるメカニズムを図示します。
4.ごはんを食べ終える→5.血液中の糖やインスリンが減る→6.空腹中枢に伝わる→7.空腹を感じる→0.ごはんを食べる
ごはんを食べ終えると、血液中の糖やインスリンは徐々に減ってきます。するとそれを空腹中枢が感知し、人間は空腹を感じて、またごはんを食べるのです。
今は説明を簡単にするために、必要最低限のことしか書きませんでした。しかしこの7つの他に、食欲を左右する要素は沢山あります。これからそれらを一つ一つ、食べ過ぎの原因と合わせて説明したいと思います。
■レプチン
皆さんは「レプチン」と言う物質を知っていますか?「知ってるよ!大豆に含まれている物でしょ?」と言う貴方は残念、それは「レシチン」です。
「レプチン」とは体脂肪から分泌される物質です。体脂肪なんてただの脂肪の塊だと思っている人には不思議に感じられるかも知れませんが、最近の研究で体脂肪も立派な「分泌器官」であることがわかったのです。
レプチンは先ほどの「食欲のメカニズム」の1と2の間に働きます。つまり血液中の糖やインスリンが増えると、体脂肪からレプチンが出てきて、それが満腹中枢に伝わるのです。これによって人間は満腹を感じます。
しかしこの時レプチンが分泌されなかったり、分泌されても働かなかったりすると、満腹中枢がうまく作動せず食べ過ぎてしまいます。この原因の一つとして、レプチンを作ったり満腹中枢に働かせたりする遺伝子の問題があげられていますが、他にも原因はあるとして研究がすすめられています。
(次号に続きます)