ダイエット情報の見分け方〜実践編(2)(週刊やさしいダイエット第74号より)


■はじめに

前回はダイエット情報の一例として、架空の物質「α-ラクスリム」につい てお話ししました。皆さんはあのお話を読んで、「これは信じるに値する」 と思いましたか?それとも「信じるに値しない」と思いましたか?また「信 じる・信じない」と言うことは、どんなところで判断しましたか?

もし「肥田太(こえた・ふとし)氏は医学博士を詐称していた」「動物実験 の結果は嘘だった」「スタジオでの実験もヤラセだった」と言うのであれ ば、当然あのお話は「信じるに値しない」でしょう。しかし問題は、医学博 士と言うのも事実なら、動物実験の結果も本当、番組でも一切ヤラセは無 かったと言う場合です。そう言う場合、やはり「事実なのだから信じるに値 する」と言えるのでしょうか?

けれども、ちょっと矛盾した言い方になりますが、「事実」は必ずしも「真 実」とは限りません。つまりあのお話が全て「事実」であっても、信じるに 値するもの(=真実)と言うわけではないのです。これから一つずつその 「からくり」を解き明かしていきますが、今回はその中でも「肩書き」と言 うことについてお話ししましょう。

■日本バイオスリミング研究所

第一のからくりは、番組スタッフが取材に行った、この事業所の名称にあり ます。私達は「研究所」と聞くと、何だかアカデミックなところを思い浮か べます。更に、公的な機関をイメージする人もいるかもしれません。

しかし実際には、「研究所」を名乗るのにこれと言った規制はありません。 つまりどこの会社、どこのお店でも自由に「研究所」を名乗ることが出来る のです。例えば貴方が今勤めている会社やお店を「○○研究所」と言う名前 に変更することも可能ですし、もし貴方がそこの店長さんなら、これから貴 方は「○○研究所・所長」になるのです。

事業主の中にはこれを利用し、事業内容を権威づけるために「研究所」と名 乗ることがあります。しかし「研究所」だから信じるに値する、とは必ずし も言えないのです。

■医学博士の肥田太(こえた・ふとし)先生

第二のからくりは、この肩書きにあります。一般に医学博士は医師がなるも のと思われています。だから医学博士というのは、医師と同じように人間の 健康についてよく知っているのではないかと思われがちです。

しかし医学博士は医師でなくてもなることが出来ます。つまり細菌学や精神 医学など医学の特定の分野で論文を書き、それが認められれば医学博士にな れるのです。そこに内科や外科の知識は、必ずしも要りません。

なお、国によっては、医師の資格を持つ人は「医学博士」、医師の資格を持 たない人は「人間科学博士」と区別しているところもあるそうです。しかし 日本では資格を持つ人も持たない人も、全て「医学博士」です。

■この成果は学会でも発表された

第三のからくりは、学会で発表されたと言うエピソードにあります。私達 は、学会に発表される=学会と言うその道のプロ集団の中で認められる、と 思いがちです。

しかし、学会で発表されたものが全て認められているとは限りません。何故 なら、ある研究を学会で発表するには審査を通らなければならないのです が、中にはその審査が甘い学会もあるからです。その場合「よほど疑わしい もので無い限り、どんな研究でも発表できる」と言うことになってしまいま す。

なお「学会での発表」に似たものに「論文の(専門誌への)掲載」と言うの がありますが、これも信憑性を保証するものではありません。何故なら専門 誌の中にも審査が厳しいものから甘いもの等、色々あるからです。

■おわりに

今回は「研究所」「医学博士」「学会(論文)」と言う3つの肩書きについ てお話ししました。これらの肩書きは、あたかもその情報の確かさを保証し てくれるかのようです。しかし、それらが必ずしも保証になるかと言えばそ うではなく、寧ろダイエット広告などでは悪用されていることの方が多いよ うに感じます。

私達は肩書きだけで判断しない、確かな目を持つことが必要です。

なお本号の内容については、前号に引き続き以下のHPを参考にさせていた だきました。心より御礼申し上げます。

[健康情報の読み方]
http://www.page.sannet.ne.jp/onai/


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