ダイエット情報の見分け方〜実践編(3)(週刊やさしいダイエット第74号より)


■はじめに

前回はダイエット情報の見分け方として、「研究所」「医学博士」「学会 (論文)」と言う肩書きは、必ずしもその情報の確かさを保証しない、と言 うことをお話ししました。

しかし、中には「そもそも私は肩書きなんかで信用しないわ。やっぱりダイ エットは実際に効くかどうかが大事よね。」と言う方もいらっしゃるかもし れません。その様な方にとって、動物実験やスタジオの実験の結果は大きな 判断材料になると思うのですが、果たしてその信憑性は?ラットが痩せれば 人間も痩せるのでしょうか?スタジオの女性が痩せれば貴方も痩せるので しょうか?

今日は「実験結果」についてお話ししたいと思います。

■ラットは3ヶ月で平均20%体重が減少したけれど

結論からお話しすれば、動物実験の結果はそのまま人間に当てはまると限り ません。それは第一に、人間と他の動物では体の仕組みが違うからです。

例えば同じほ乳類でも、肉食動物はビタミンを外から摂らなくても体の中で 合成することが出来ると言う話や、草食動物は盲腸が発達しているという話 を聞いたことがあるでしょう。これと同じように、ラットは人間よりずっと 褐色脂肪が多い(体に占める割合が大きい)ので、今回のように「褐色脂肪 に作用する何か」を与えると、人間よりずっと大きな効果が出せるのです。

また、例え褐色脂肪の体に占める割合がラットと人間で同じであっても、あ んなに小さなラットと人間では、効果の出る容量が全く違うのは想像に難く ないと思います。

そして今回のケースでは更に、「α-ラクスリム」を注射しています。これ も、実験の結果をそのまま食生活に当てはめられない原因の一つになってい るのですが、薬や何らかの物質は、食事として消化・吸収によって血管の中 に入るのと、直接血管に入るのとでは作用が違います。何故なら前者では、 消化・吸収の過程で化学変化を受けるからです。

よって最初にお話ししたように、動物実験の結果はそのまま人間に当てはま ると限らない、ラットが痩せたからと言って人間が痩せるとは限らないので す。

■3人の女性はそれぞれ1.9~2.3kg痩せたけれど

それでは、実際にスタジオで女性が痩せましたが、これならどうでしょう? 実はやはり、スタジオの実験は必ずしも貴方に当てはまるとは限らないので す。

何故なら第一に、3人の女性が痩せたのは「α-ラクスリム」の所為とは限 らないからです。もしかしたら、彼女たちは「テレビで体重が公開される」 と言うので、普段より頑張ってダイエットしたかもしれません。また、実験 に参加したことで気持ちが引き締まり、自然と食べ過ぎが抑えられたのかも しれません。そうだとしたら、とても「α-ラクスリム」で痩せたとは言え ませんよね?

では「α-ラクスリム」で痩せたと証明するには、どうしたら良いでしょう ?それは、「α-ラクスリム」を使わない人達と比べれば良いのです。例え ば今回は参加者にデザートとして果物を食べて貰いましたが、それとは別 に、デザートに豆乳を飲んだり何も食べなかったりするグループを作り、そ の人達と結果を比べても良いでしょう。

また、今回のケースでは3人しか実験に参加していません。この参加者の少 なさも、実験結果の信憑性を下げる原因です。

医薬品業界では何か新しい薬を作るとき、ボランティアを募って「治験(ち けん)」と言うのを行いますが、この時には数十人〜数百人の人が参加しま す。それに比べると、テレビのスタジオの実験は何と参加者が少ないことで しょう。

実験とは少々違いますが、例えば外国からの記者が日本でもっとも人気のあ る野球チームについて取材したとします。その時3人にしかインタビューせ ず、また偶然3人ともAと言うチームのファンだったとして、その記者が「日 本では殆ど全ての人がAと言うチームのファンです」と報道したら、皆さん 「それは違う!」「もっと沢山の人に聞いてよ!」と思われるでしょう。

しかし、スタジオの実験はそれと似通ったものがあるのです。

■おわりに

今日は、実験結果の信憑性についてお話ししました。

最後に補足しますと、効果をアピールする実験としてもう一つよくあるの は、試験管を使った実験です。しかし、これも必ずしも効果の保証にはなり ません。何故なら、人間の体内環境と試験管の中の環境は(温度やpH等どん なに工夫したとしても)違うからです。お粗末な物になると、ぬるま湯に少 量の塩を入れたものを「これは血液と同じです」としているような実験があ りますが、これがとんでもない誤りであることは明らかでしょう。

「実験と言う、何やら科学的なことをやっているから信じられそう」と言う 罠に陥らないよう、確かな目を持ちたいものです。

なお本号の内容については、前号に引き続き以下のHPを参考にさせていた だきました。心より御礼申し上げます。

[健康情報の読み方]
http://www.page.sannet.ne.jp/onai/


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