食物繊維(1)(週刊やさしいダイエット第85号より)


■はじめに

皆さんは某繊維入り飲料のCMをご覧になったことがありますか?ある女優さ んがインタビューで「スタイルを保つ秘訣は?」と聞かれ、冗談で「欽ちゃ ん走り」「サウナでフラダンス」と答えたが為に、それがブームになってし まう・・・と言うものです。これは「ダイエットに良い」と言われると、何 にでも飛びついてしまう私達の心理をうまく表現していますよね(笑)。

ところでその女優さんはCMの最後で「意外と知らないのね、ダイエットのコ ツ」と言って繊維入り飲料を飲んでいます。これを見ると「食物繊維はダイ エットに良いのかな?」と言う印象を受けますが、実際はどうなのでしょう?

今回は食物繊維について取り上げたいと思います。

■食物繊維とは?

食物繊維とは、食べ物に含まれている消化吸収されにくい成分のことをさし ます。その為エネルギーはほぼ0と考えて差し支えありません。食物繊維は 大きく「水溶性食物繊維(SDF)」と「不溶性食物繊維(IDF)」にわかれます。

■水溶性食物繊維(water-soluble dietary fiber ; SDF)

水溶性食物繊維(SDF)とは文字通り水に溶けやすい食物繊維です。代表的な成 分としては、上述の某繊維入り飲料の主成分である「ポリデキストロース」、 コンニャクに含まれる「コンニャクマンナン」、昆布に含まれる「アルギン 酸」などがあります。

水溶性食物繊維(SDF)にはどんな働きがあるでしょう?これはちょうどコンニ ャク粉(コンニャク芋を製粉化したもの)をイメージすると解りやすいと思 います。

まずコンニャク粉は水分をよく吸ってドロドロになります。そうなると粘り が出てくるので、胃の中に留まる時間が長くなります。このため「満腹感が 持続」するようになるのです。

またコンニャク粉はドロドロになるとき他の栄養素も巻き込み、一緒に排泄 されます。それは余分なコレステロールや糖質だったり、大切な鉄分・カル シウムだったりします。これが良い方へ働けば「コレステロールやカロリー の吸収を防ぐ」となりますし、悪い方へ働けば「鉄分やカルシウムの吸収を 妨げる」となるのです。

■不溶性食物繊維(water-insoluble dietary fiber ; IDF)

一方不溶性食物繊維(IDF)とは水に溶けにくい食物繊維です。代表的な成分と しては、蟹や海老の殻に含まれる「キチン」「キトサン」、野菜に含まれる 「セルロース」などがあります。

では不溶性食物繊維(IDF)にはどんな働きがあるでしょう?こちらはパサパサ したゴボウをイメージすると解りやすいと思います。

ゴボウはスジが多いので、よく噛まなければなりません。このため「早食い に夜食べすぎを防ぐ」ことが出来ます。また胃の中に入ってもこれを消化す るには時間がかかるので「満腹感が持続」します。

そしてゴボウは水を吸って体積が増えます。そうすると「お通じの量が増え」 ますし、腸の壁を刺激するので「お通じを促し」ます。

■食物繊維のはたらき

上記のことをまとめると、食物繊維には次のような働きがあると言えます。 なおその働きは繊維が水溶性であるか不溶性で違うことがあるため、()内 に強弱を示しました。

・早食いの予防(水溶性=不溶性)
・満腹感の持続(水溶性>不溶性)
・栄養素の吸収を妨げる(水溶性>不溶性)
・お通じの量を増やす(水溶性=不溶性)
・お通じを促す(水溶性<不溶性)

■おわりに

今日は食物繊維の種類と働きについてお話しました。今日ご紹介した「はた らき」は代表的なもので、この他にも食物繊維にはインスリンの分泌を抑え たり、腸内の細菌のバランスを整えたり・・・と様々な働きがあります。し かし中には「食物繊維の一番有名な働きは大腸がんの予防なのでは?」と思 われる方もおられるかもしれません。

実はこの件については現在世界中で研究がなされているのですが、最近は否 定的な報告が相次いでいるようです。つまり食物繊維は大腸がんを予防しな い可能性が強いのです(これについては以下のHPでも少し書いています)。

科学は日進月歩のため、これまで常識と信じられてきたようなことが覆され たりします。私たちも常に最新の情報に目を向けていきたいものですね。

[女医ふる・だいありー]
http://www.diary.ne.jp/user/37972/



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