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「文の京」自治基本条例は多くの課題を残し、可決

ルピナス LETTER 33号  2005年・ 冬号から

えっ!
「文京区の憲法」審議に区長が欠席?

 去る十二月八日から議員全員による、「文の京」自治基本条例審査特別委員会が開かれました。この審査にあたって、午前中は参考人を招致し意見聴取を行うという議会初めての試みを行い、午後と翌日の二日間かけて逐条審議に入る予定でした。しかし、煙山区長が特区認定の授与式に臨むため、午後一時から五時まで欠席されると聞き、委員会は紛糾。こんな重要な委員会を区長が自ら欠席することは許されません。急遽理事会が開かれ、結局午後は散会となり、審議は翌日以降に持ち越されました。
 しかし、午前中の参考人の意見陳述は、各会派から推薦された五人の参考人が、それぞれの立場から傾聴すべき意見を述べました。市民フォーラムからは鈴木利廣弁護士が、「住民主権」「住民参画の具体性」「区民の権利保障」などが不明確であると、法律上の不備をいくつか指摘されました。


本当に「協働協治条例」でよいのか

 「文の京」自治基本条例は、区民の権利として「協働・協治の社会の実現に参画する権利や地域の課題を解決するための活動に関する情報を求めることができる」としているのみで、他自治体で明確に示されている権利が明記されていません。また住民参画は二八条に触れていますが、権利として具体的に保障するものではありません。熱心な議論が重ねられた「区民憲章を考える区民会議」の中間まとめの前文にある「男女平等に参画する」ことや、子どもの権利等も省かれてしまいました。区は「権利のカタログ」は避けたと答弁しましたが、少なくとも「住民主権」は明記すべきです。
 しかも、この条例では文京区のあるべき姿を「豊かな社会」としているだけで、本来手段であるべき「協働・協治」が自治の基本理念として、目指すべき「社会のあり方」となっています。「区民」の範囲は在勤、在学にまで広がり、「区民等」という場合は、地域活動団体、非営利活動団体、事業者まで含まれます。しかし、そうした各主体が三条のように「協働・協治」していくことは、現実的にはかなり困難なことではないでしょうか。そのため、「区」が調整役を果たすと十八条にはありますが、この「区」には区議会と執行機関により構成されると定義されているので、区議会も調整役及び保証役を務めることになります。しかし、執行機関と議会は二元代表制に基づき、「議会は執行機関を監視し牽制する」と議会での論議を経て二十条に定めたのですから、このこととも矛盾をきたすと、私は指摘しました。
 更にこの条例は、文京区基本構想の「おわりに」で示された「区民参画の具体的な仕組み及び手続き、苦情解決の仕組み」等についても応えるものになっていません。
 つまり、文京区の条例は他自治体の自治基本条例とは異質なもので、他の自治体ではまず、住民の「参画と協働」を保障し、参画の仕組みを具体的に規定した「パートナー条例」と住民自治の理念を明記した「自治基本条例」の2本立てで制定しています。わが区の自治基本条例は全国に例のない「協働・協治条例」と手放しで喜んでよいのか、私はおおいに疑問です。
 中間まとめに対する区民の意見のほとんどが疑問や反対意見でしたし、特別委員会でも問題点をつく質問が相次ぎました。しかし、今後の課題を残したまま、他会派は全て賛成にまわり、反対したのは市民フォーラムだけでした。3日間の委員会でも十分に審議を尽くしたとは思えません。この条例は杉並区の条例のように改廃の規定もないため、半永久的に効力を持ちます(しかも最高規範として)。今後、公的責任の後退や区民サービスの低下などの問題点をどう解決していくか、新たな課題を担うことになりました。(がんばります。)


 

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