初めてのオーケストラマニュアル

これは、私がトレーナーをやっていたニフティのFCLAの中の「ドレ会」というところに参加している人たちのために書いたものです。「ドレ会」については、マニュアルのはじめのところに、会のマネージャーをやっていたKEIさんの挨拶がついていますので、ご参照下さいませ。なお、ドレ会当時は、お勧めのCDなどの付録も付いていたのですが、私が書いたものではないので、ここでは削除しました。(お読みになるときは、なるべく右のフレームを大きくしてください。もともとテキストで書かれたもので、改行位 置がかなり右にある場合があります。)最初の文章は、ドレ会への勧誘の文章です。このマニュアルがどんな目的で、どのような人たちを対象に書かれたか、ということがよくわかるので、敢えて削除しませんでした。

【ようこそドレ会へ・・・・初めてのオーケストラのためのマニュアル】
 

【1】ようこそ『ドレ会』へ

 大人になってから楽器を始めたレイトスターターの皆さん、 暫らく楽器から
遠ざかっていて最近になって再開したリハビリモードの皆さん、 ようこそドレ
会へ (^_^)。

 大人になってから楽器を始めることは、 思った以上に難しい。なぜなら、 大
人は子供と違って純粋に0からのスタートではないから・・・。 大人はすでに、
自分自身の中に音楽の理想を持ってしまっている。 その理想と現実との大きな
ギャップに、ある時は戸惑い、ある時は失望しながらも、楽器を演奏すること
への憧れを捨てきれないでいる。 オーケストラの一員として演奏できる日など、
夢のまた夢。誰もがそう思う、習い始めの頃。

 暫らくぶりに取り出した楽器は、弦がほんの少し錆びていて・・・。錆付い
た弦は張り替えて元には戻ったけれど、 錆付いた腕はなかなか元に戻らない。
ひとりの部屋でリハビリをすることの不安と焦り、そして詫びしさ。

 ドレ会は、そんなあなたのためのオーケストラです。 初心者だからといって、
小さくなって座っていることはありません。変な音を撒き散らすからといって、
誰にも遠慮することはありません。参加するたびに少しずつ弾ける箇所が増え
て、参加するたびに少しずつ音色が戻ってくる。参加することが僅かでも弾け
ることへの喜びにつながるような、そんな温かなオケを一緒に作っていきまし
ょう。

 そして、そんな私たちの思いに理解を示し応援してくださる沢山の「助けっ
人」と称する素晴らしき友人たち。どうぞ、これからもずっとドレ会を応援し
てください。初心者がいつか初心者ではなくなる日を、皆さんの温かな音色で
  見守ってください。 皆さんの応援に、ドレ会は支えられています。

 「レイトスターター」も「リハビリ」も「助けっ人」も、 共に音楽を愛する素
  敵な仲間です。そんな仲間の輪がどんどん広がって、私たちのドレ会ができま
した。 さぁ、一緒に始めましょう。勇気を出して、 リハーサル室の扉を開けて
ください。

            お待ちしておりました。皆様、ようこそドレ会へ!!

                          ドレ会 マネージャー KEI

 注釈:ドレ会は、1990年7月に発足しました。年間4回(10、1、4、7月)の定例
    練習会と不定期ながら弦楽器の分奏会を行なっています。ドレ会の呼
    び名で親しまれておりますが、正式名称は「ドレ始めっ会」です。階
    名の「ドレ」と掛け声の「どれ」をひっかけて、これから始めること
    を意味しています。
 

 

【2】オーケストラの成り立ち

オーケストラには、大きく分けて4つのセクションがあります。「弦楽器」
「木管楽器」「金管楽器」「打楽器」です。

(1) 弦楽器は、以下の5つのパートに分かれています。

 1st Vn  ファーストヴァイオリン・・・「ファースト」「ストバイ」などと略称することもあります。(以下は略称です)
 2nd Vn セカンドヴァイオリン・・・・「セカンド」「セコバイ」

  Va ヴィオラ

  Vc チェロ

Cb コントラバス・・・・・・「バス」「ベース」

ファーストとセカンドは、勿論、同じ楽器です。ただ、演奏する譜面が違うだけです。

  (2) 木管楽器は、以下の4つのパートに分かれています。

Fl フルート(ピッコロなども含まれます)・・「ふえ」

Ob オーボエ(コールアングレ=イングリッシュホルンも含まれます)

Cl クラリネット(バス・クラリネットやエス・クラリネットも含まれます)

Fg ファゴット(コントラファゴットも含まれます)

 クラリネットは、基本的には、A管とB管の2種類があります。なにも押さえな
いで吹いた時の音が、Aの音か、Bの音か、という差です。ブラスバンドでは、ほ
とんどの場合B管を使いますが、オーケストラでは、曲によって使い分けます。楽
譜を見ると、 "in A" とか "in B" などと書いてあることがありますが、これは、
それぞれ「A管で」「B管で」ということです。
 曲によっては、サクスフォーン(サックス)が加わることもあります。専門の奏
者によって演奏されることが多いのですが、吹く所の形(マウスピースといいます)
が同じであるために、クラリネットの奏者が演奏することもあります。

  (3) 金管楽器は、以下の4つのパートに分かれています。

    Hr ホルン

    Tr トランペット・・・・・・・「ラッパ」「ペット」

    Trb トロンボーン

Tub チューバ

 トランペットなどには、色々な種類があります。主な差は、音の高さです。
「バス・トランペット」などと、名前の付いているものもありますし、単に「何調の
トランペット」などと言うこともあります。
 トロンボーンは、普通3本でセットで使われます。そのうち2本は、単に「トロ
ンボーン」のこりの1本は「バス・トロンボーン(バストロ)」といって、少し大
きくて、低い音が出ます。まれに、さらに高い音がでる楽器を使うこともあります。
 また、ブラスバンドで活躍する「ユーフォニアム」や、特殊なホルンが使われる
こともあります。概ね、「マウスピース」という吹く所の大きさが同じか、近い楽
 楽器の人が演奏します。

  (4) 打楽器

 打楽器で主に使われるのは「ティンパニー」ですが、その他にも「小太鼓」「大
太鼓」「シンバル」「トライアングル」「カスタネット」などのお馴染みの楽器や
「どら」「鐘」「木琴」「鉄琴」等の、比較的馴染みの薄い楽器もあります。くわ
えて、スコアに書いてありさえすれば、「ハンマー」「むち」「目覚まし時計」な
どのように、本来楽器ではないものでも、音が出るもので、音を出す人が決まって
いないものは、何でも担当します。場合によっては、声を要求されることもあり
ます。

  (5)その他の楽器

「ピアノ」や「オルガン」「チェレスタ」「チェンバロ」等の鍵盤楽器が加わるこ
ともしばしばあります。「ハープ」と共に、専門の奏者が加わるのが普通です。が、
アマチュアのオーケストラでは、ピアノの上手な打楽器奏者が演奏することもあり
 ますね(^_^)
 

 このマニュアルでは、各楽器の呼称は、アマチュアオーケストラでよく使われるも
のを使用してあります。
 英語やドイツ語などが混ざっていますが、各言語での呼び方は、付録の楽器一覧を
参考にしてください。
 

実際には、 これらの楽器が下の図のように配置されます。

オーケストラの配置図(テキストで書かれたもので、見にくくてごめんなさい。そのうち書き直します。)

         ●4 ●3 ●2 ●1  ○1 ○2 ○3  ●
           ○ Trumpet  Trombone  Tuba
    Timpani
           ○3 ○2 ○1  ●1 ●2 ●3
          (Bass Clarinet  Fagotto (Kontra-  ●4 ●3
             Clarinet)  fagott)        Horn
          ○ ●3 ●2 ●1  ○1 ○2 ○3     ●2 ●1
          (Piccolo) Flute  Oboe (Cor
 Percussion            Anglais)
                ○ ○ ●
            2nd 5 3    3 ●
           ○ Violin ○ ○ ● Cello 3
        ● ○  ○ ○ ○    ● ● ● ● ●
         7 6  4 2 1      1 2 4   1  Contrabass
Harp 2     ○ ●  ○ ○ ○ ○    ● ● ● ● ●
        ● ● ● ● ● ●    ○ ○ ○ ○ ○  ●
        6 5 4 3  2  1 +---+ 1 2  3 4 5
        ● ● ● ● ● ● |   | ○ ○ ○ ○ ○
          1st Violin  +---+   Viola
               Conductor

 

 これは、標準的な三管編成のオーケストラです。(三管編成→【3】)
 弦楽器の所にふってある数字は「プルト」を表します。「プルト」に関しては、後
で詳しく述べることにします。
この配置は、 あくまで一例で、オーケストラによって、また指揮者の要求で配置を
変えることも多く、チェロとビオラの配置は、逆になるオーケストラもたくさんあり
ます。また、曲やステージの広さによって、配置が変わることもあります。

 協奏曲の場合、通常ソリストは、指揮者とストバイの間に入ります。
(ピアノの場合は、指揮者が奥に入って、ピアノを指揮台のところに置きます。)
 歌のソリストは、指揮者の奥に並ぶことが多いですね。また、合唱付きの曲では、
合唱はオーケストラの後ろにならびます。

 オペラやバレエのピットの場合は、配置がかなり変わるのがふつうです。理由は、
「ピットは普通狭い」ことと、「レシタティーボのチェンバロ等を指揮者が弾く場合
低弦と近づける必要があること」などです。

 

★ オケ用語の基礎知識・・その1

パート・・・・・・弦楽器の場合、「同じ楽譜で演奏する人の集まり」のことです。
  弦楽器は五つのパートで成立しています。スコア等に書いてある「弦五部」
  とは、このことです。ファーストとセカンドは、楽器は同じですが、別の
  パートと数えます。
場合によっては、ヴァイオリンが三ないしそれ以上のパートに分かれた
 り、他の楽器が、複数のパートに分かれたりすることもあります。(現代
 作家の中には、ヴァイオリンを32パートに分けて譜面を書いている例など
 もあります。)
管楽器の場合は、「同じ楽器の集まり」をさします。「フルートパート」
    「トランペットパート」などでと使いますね。
セクション・・これは、「同族楽器」の意味で使われます。 「弦セクション」「木管セ
 クション」「金管セクション」「打楽器セクション」という訳ですね。た
 だし、比較的混乱して使われていることも多く、「フルートセクション」
 なんていう使い方をしている人もいるようです。
  これらの言葉は、オーケストラによって、また人によって違うこともよくあり
 ます。初めてのオーケストラに行ったら、メンバーに聞いてみるのがいいでしょ
 うね。

 

【3】オーケストラの編成形式

オーケストラの編成は、 時代、作曲者、曲などによって、千差万別ですが、大まか
に分けると、 以下のようになります。

(1) 弦楽器だけ、ないし弦楽器と若干の管楽器からなる編成

モーツァルト以前の曲には、 この編成の曲が多くあります。イタリアバロック
(ヴィヴァルディなど) やヘンデル、 ハイドンの初期の交響曲などによく見られる
編成です。もちろん、それ以降の作曲家も「弦楽合奏曲」として沢山の曲を書い
ています。チャイコフスキーやドヴォルジャークなどの「弦楽のためのセレナー
デ」や、グリーグのホルベルク組曲などが有名ですね。近代ではストラヴィンス
キーやブリテン、エルガー、芥川也寸志などの作曲家も、弦楽のための素敵な曲
を残しています。

(2) 管楽器だけ、 ないし管楽器と打楽器のみの編成

いわゆる「ブラスバンド」ではなく、いろいろな組合せの管楽器からなる曲も
沢山あります。近代以降の作曲家の曲に多いようです。また、この形の曲には、
 特定の楽器だけ、など、自由な組合せの曲が沢山あります。

(3) 二管編成

木管楽器がおおむね二本ずつの編成です。弦楽器は通常の五部編成です。
金管楽器は、 ホルン (二本ないし四本) トランペット (二本) で構成されるの
 が基本形です。これに三本のトロンボーンが加わることも多く、 チューバが加わ
ることもあります。そして普通、ティンパニーが加わります。
ハイドンの中期以降の交響曲、 モーツァルト、 ベートーヴェン、 シューベルト
ブラームスなどの、古典派----ロマン派の交響曲の多くは、 この編成を元に作ら
れています。
ただし、これはあくまで基本的なもので、モーツァルトの交響曲では、木管楽
 器が二本づつ揃っているものは稀ですし、ベートーヴェンの4番の交響曲は、フ
 ルートが一本しかありません。また、トランペットが三本になったり、トロンボ
ーンが二本だったりする曲もあります。逆に、時代が後の方になると、ピッコロ
やコーラングレ、 バスクラリネット、コントラファゴット等の楽器が加わったり
 持ち替えで使ったりする曲が多くなります。
打楽器は、 ほとんどの曲にティンパニーがありますが、それ以外にも色々な楽
器を使うこともあります。

(4) 三管編成・四管編成

それぞれ、木管楽器がおおむね三ないし四本ずつの編成のことです。
近代以降の作曲家の曲がほとんどです。
この編成になると、弦楽器も沢山の奏者を必要とします。 マーラーやR.シュ
 トラウスのように、1st violin 16, 2nd violin 16 ・・・・ などと指定してあるこ
ともありますし、 弦楽器を五部以上に分けて使うこともあります。
木管楽器も特殊楽器 (ピッコロ、 アルトフルート、 コールアングレ、 Esクラリ
ネット、 バスクラリネット、 コントラファゴット、 サックスなど) を使うことも
多くなります。
金管楽器も楽器の種類、 量共に多くなってきます。ホルンは八本で使われるこ
ともありますし、トランペット五本、 とかトロンボーン四本なんていうこともあ
ります。金管楽器にも特殊楽器があり、ワグナーチューバ、 アルトトロンボーン
や特殊なホルンを使うこともあります。
打楽器も多くなります。 前述したように、 「ほとんど音の出るものならなんで
も」打楽器ですね。
ハープやピアノも頻繁に登場します。 ステージの上は、 オケのメンバーで一杯
になります(^_^)

(5) それ以外の特殊な編成

基本的には楽器の編成は作曲者の自由ですので、今まで述べた編成からはずれ
たものもたくさんあります。合唱やソロを加えたり、 とてつもない大きさの曲も
あります。合唱や声のソロを使った有名な曲は、ベートーヴェンの第九交響曲を
 はじめ、マーラーの2、3、8番の交響曲などがあります。バルトークやシェー
 ンベルクなどには、特定の楽器しか使わない小さな曲もあります。いろいろな編
成で、 どんな音がするのか知ってみることも楽しいものですよ。
 

  これらの色々な編成の曲については、付録に一覧表を付けてあります。参考に
 して下さい(^_^)

 

【4】オーケストラの中での各パートの役割

これも、あくまで 「目安」 でしかありませんので、全てがこの通りではありませ
ん。概ね、 時代の古い作曲家の曲ほど、 この目安があてはまると思って頂いてよい
と思います。

1 弦楽器

ストバイは旋律を受け持つことが多く、チェロ・バスは低音を、 セコバイ・ビ
オラは内声を受け持つことがスタートです。しかし、アンサンブルの楽しみは、
 各楽器の役割が違っているものの組合せだけでなく、同じ旋律を違うパートが追
 いかけていく(フーガなどの形式のものなど)ことなどもあります。また、音の
 低い楽器が高い音を受け持っても、面白い響きがしますね。

2 木管楽器

各楽器の一番奏者は、トップと呼ばれ、 やはり旋律を受け持つことが多いです
ね。二番、 三番、 四番奏者は、 旋律の下を吹いたり、伴奏形を受け持ったりしま
 す。また、パートごとにまとまって動くことも多いですね。二番以下の奏者は、
特殊楽器との持ち替えを担当することもよくあります。
 楽器ごとのまとまりを見るのも見ものですが、各楽器のトップ同士、二番同士
 のアンサンブルなども、大変面白いものです。音質の同じ楽器が一緒に音を出す
 ことと違った面白さがあります。

3 金管楽器

ホルンは二本、 四本が同時に美しいハーモニーを奏でます。1番、3番は比較
 的高い音を、2番、4番は低い音を担当し、1と2、3と4で組合わさって動く
 のが普通です。トランペットは、勇ましい旋律を吹くだけではなく、モーツァル
トの時代などには、コントラバスと 共に、リズムをとる打楽器と一緒に使われ
ることもよくありました。トロンボーンは、通常3本一緒に吹いてハーモニーを
奏でます。チューバは、最低音を受けもちます。
  金管楽器は、バンダで使われることも多い楽器です。

 4 打楽器

  打楽器は、音楽を料理に例えれば、欠くことのできない調味料といったところ
 でしょうか。主に使われるのはティンパニーですが、前にも述べましたが、作曲
 者が必要と考えた、ありとあらゆる音を出すことを要求されます。

★ オケ用語の基礎知識 その2

バンダ・・・・曲によっては、ステージの上以外で音を出すことを要求することがあ
ります。それらのパートを 「バンダ」 と呼びます。 有名なところでは、
ベートーヴェンの歌劇 「レオノーレ」 序曲第三番のトランペット、ベル
     リオーズの「幻想」交響曲三楽章のコールアングレなどがあります。作
 曲者の指示なのですが、指揮者によっては、音量などに大変気を使って
 舞台の裏での位置や向きなどを何度も修正することも多いですね。位置
 は、指定してあることもありますし、指揮者の判断で決めることもあり
 ます。ステージの裏でやるものが多いですが、客席でやることもありま
 す。音を出す場所によって、演奏効果が違ってきますので、その変化も
 楽しいものです。
  バンダで吹く時は、専用の奏者が用意されることが多いですが、時に
は、ステージの上の奏者が直前にステージの外に出て吹くこともありま
 す。R.シュトラウスの「英雄の生涯」などは、そうすることが多いよ
 うです。演奏中に出ていくのですから、音がしないように、「こそっと」
 出て行かなくてはなりません(^_^;)
また、バンダでも一人の場合もあれば、結構たくさんで担当すること
 もあります。こんな時は、ステージの裏に、別の指揮者がいて、助っ人
 をすることもあります。

 

【5】指揮者について

ほとんどのオーケストラには、「指揮者」 という人がいますね。コノヒトハ一体何
をやっているのでしょうか。
指揮者は、 その演奏の監督者です。演奏には色々な要素があります。例えば「テ
ンポ」「強弱」などです。音楽はあくまで相対的なものですから、人により感じ方
も異なるし、良いと思うものも違います。 場合によっては 100人を越える人が同時
に音をだすオーケストラでは、全員が自分の思う通りに演奏したのでは、収拾がつ
かなくなってしまいます。そこで、指揮者の出番となる訳です。
物理的に言うと、 指揮者はテンポや強弱、 バランスを決めます。 そしてそれをオ
ケのメンバーに 「指揮棒」 という魔法のつえを使って伝える訳です。 オーケストラ
のメンバーは、 その棒を見て演奏する訳ですね。
指揮者の役割を論じようとすると、きっと大喧嘩が起こるでしょう。 指揮者が何
が出来るか、ということは、実は大変な問題なのです。
まずはオケ道入門の為に、 基本的な約束事を知っておいてください。

 

1 指揮者は偉い

オケにおいては、指揮者は絶対的な存在です。 指揮者の指示には、 なにがなん
でも従わなくてはなりません。たとえ、パート譜にPPと書いてあるところでも
指揮者が「ここはFFで」と言ったら、FFで弾きましょう(^_^;)責任は指揮者
 がとります(_ _)
というのが、約束であり、建前であります。
(こんなことを書くと怒られそうですが(^_^;))

2 指揮者の指示とは

じゃんけんに 「あとだし」という 「ずる」がありますが、オケで 「後だし」 は
許されません。 指揮者に合わせて演奏します。指揮者のスタイル (おおまかに言
えば、ロマン派のドイツの指揮者とそれ以外、 と言っていいかと思いますが) に
よって、音を出すタイミングが若干違いますが、 ほとんどの場合、 見ていると感
じられるようになるでしょう。 基本的には、指揮棒が一番下に降りて上がる瞬間
に音が出始めます。 あとは、見て覚えましょうね(^_^)
  プロオケの演奏会を聴きに行くと、指揮者のしぐさは、とても面白いことがあ
 ります。どこで拍をとっているのか全くわからないこともよくあります。「えー
 あんなんでよく合うなあ(^_^;)」演奏している人には、ある種の「テレパシー」
 が伝わるのでしょうね(^_^) 指揮棒が全く動いていなくても、オーケストラは進
 むことも多いですね。

3 本番より練習

指揮者がどんなに優れていても、いきなり本番をやって、オケがついてくるか、
というと、そういう訳にはいきません。やはりそれなりに、意思の疎通を図った
り、考えていることを伝えるための練習が必要です。 練習の時に、 指揮者が何を
考えているか、 をつかまえなくてはなりません。
優れた指揮者は、練習も効率的で、内容も大変面白いものです。特にアマチュ
 アのオーケストラの場合、素人の団員に対して、指揮者は経験も見識もあるプロ
 である場合が多いので、ためになることだらけですね(^_^)
  指揮者は、練習中に自分の考えをうまくオーケストラに伝えようとします。そ
 れは、指揮の仕方に限らず、言葉や場合によってはボディランゲージを使って表
 現されます。アマチュアの場合特に、指揮者の仕事は大変です。音楽的な内容の
 練習だけでなく、技術的に演奏を可能にする為の練習もしなくてはならないから
 です。オーケストラのプレーヤーは、指揮者の指示を、正確に、素早くつかむこ
 とにつとめなくてはなりません。

 4 指揮者は上手に利用しましょう(^_^)

  アマチュアオーケストラの場合、前にも書きましたように、「指揮者だけがプ
 ロ」ということも多いですね。専門の教育を受け、知識も経験も豊富な指揮者を
 上手に利用しましょう。練習中に限らず、わからないこと、知りたいとなどがあ
 ったら、どんどん会話を交わす努力をすべきだと思います。アマチュアオーケス
 トラのプレーヤーの中には「えー、指揮者と話すなんて恐れ多くて」と言って、
 逃げ腰になる人も多いようですが、こんなに勿体ない話はありませんよ。どんど
 んせめてみましょう。熱心にアマチュアオーケストラの練習をみてくれる人ほど、
 喜んでいろいろ話をしてくれる筈です。

 

【6】いよいよオーケストラに参加しましょう(^_^)

まず、練習の前に用意するものを確認しておきます。

1 楽器・・・・・・当たり前のようですが、色々あります。まず、曲によっては、
弱音器 (ミュート) 等を用意しなくてはならないものがあります。
楽器の準備は奏者の責任ですから、自分のパートをあらかじめ予習
して、必要な物を準備しましょう。

2 楽譜・・・・・・オケによっては、団備付けの楽譜を使う所もありますが、アマ
オケの場合、 自分で演奏するパート譜は、用意した方が良いでしょ
う。10人集まったものの、楽譜が二つ、 なんてことが、よくありま
す(^_^;)あらかじめ、そのオーケストラの楽譜がどうなっているか
確認しておくことが必要です。

 

3 鉛筆・・・・・・これが、以外と守られていません。練習の時は、 指揮者やトレ
ーナーの指示が沢山あります。練習の効率をあげるためにも、自分
が何に気をつけなくてはならないかを知るためにも、 練習の時に、
なるべく書き込むようにしましょう。 (具体的な書き込み方は、後
述します)
 鉛筆は芯の柔らかいものを使います。書き込むときには、楽器を
片手に持ったままですし、書き込む先の楽譜も譜面台の上というき
わめて不安定なところにあります。ですから、さらっとなぞっただ
けで、ハッキリ見えるようなものが望ましいのです。そして、ボー
イングやブレスなどは、一度決まっていたものが、いきなり変わる
ことがあります。以前の古い書き込みを消すために消しゴムも持っ
ていく必要もあるでしょう。そして、古い書き込みを消したときに
痕が残らないためにも、2B〜4Bの鉛筆を使うことをお薦めします。

 

4 その他楽器によって必要な物・・・・会場にもよりますが、チェロ、コンバス
は、エンドピンが滑って弾けないことがよくあります。そのために
エンドピンを床に「刺して」しまうことがありますが、会場の床を
傷つけるのは考えものです。エンドピンを安定させるために、紐付
の木の板(蒲鉾板と呼んでいます)を常に用意しておくと良いでし
ょう。現物は、チェロの人に見せてもらってくださいね(^_^)
管楽器は、吹いていると管の中に水がたまってしまうことがあり
ます。床を濡らさないために、受けるものを用意しましょう。
 

 

 練習の会場につきました。さてあなたは何をしたらよいでしょうか。

アマチュアのオケでは、会場のセッティングやリセッティングは、団員の大事な
仕事です。椅子や譜面台を出して並べたりかたづけたり、場合によっては、掃除を
したりします。積極的に参加してください。
 椅子や譜面台は、会場の備付けの物の場合が多いので、壊したり傷つけたりしな
いように、充分注意してくださいね。特に、譜面台は、たたんだあとで必ずネジを
締めるようにして下さい。ゆるめたまましまうと、ネジがなくなったりすることが
よくあります。
 セッティングの仕方は、オーケストラによって、また会場によっていろいろ違う
作法があると思います。初めのうちは、周りの人を見て、なるべく早く慣れるよう
にしましょうね(^_^) ドレ会の場合は、練習の会場も一定ではありませんので、特
に難しいことはありません(^_^)

さて、いよいよオーケストラの席に着いてみましょう。

○弦楽器のあなたへ

弦楽器の奏者の座る席は、オーケストラによって決まっていたりいなかったりし
ます。アマチュアオケの場合は、 トップ奏者以外は、 練習の時はどこに座ってもよ
い、ということが多いでしょう。 気後れせずに、どんどん座って下さい。
基本的には、一番前のトップ奏者の隣は、トップが指名することが多いので、二
番目から後ろの席の、なるべく前の方に座るようにしましょう。2プルト目以降な
ら、なるべく前の方がよいと思います。前の方が(後から説明しますが)よく指揮
やコンマス、トップが見えるのです。遠慮しているのか、恥ずかしいのか、前の方
を空けたままで後ろの方から座っている人をよく見かけますが、前が空いたままだ
と、指揮者やトップはとてもやりにくいので、前は空けないようにしてください。

 座る場所を迷っている方に、とっておきの秘訣を教えましょう(^_^)
それは、なるべく自分より上手いと思う人の隣に座ることです。練習のときは、
いろいろアドヴァイスしてくれるでしょうし、頼りになることが多いですよ(^_^)
もう一つ。肩に担ぐ楽器は、裏の方が、隣の人の音がよく聞こえます。ですから
「今日は、人の音を聴いて参考にしたいなあ。」と思えば裏に、「今日は聴いても
らっていろいろ教えてもらいたいなあ。」と思えば表に座るとよいでしょうね。

 後ろのプルトの方が「人に迷惑をかけない」などと言う方がいらっしゃいますが、
(特にセコバイなどの)後ろの方は、結構管楽器の人があてにしていることがある
んですよ。どこでも一緒です。なるべく自分が弾きやすいところに座りましょう。

○管楽器のあなたへ

 管楽器の奏者の座る席は、パートによって決まっています。自分のパートを確認
して、そこに座って下さい。管楽器は一つの楽器の人数が少ないので、すぐに分か
ると思います。ドレ会では、とにかく同じ楽器の人に、気軽に声をかけて下さい。

 ○打楽器のあなたへ

 席についたら、すぐに楽器の準備を始めなくてはなりません。曲によっては、い
ろいろな楽器を使うので、大変です。運ぶときに手が足りなかったら、周りの人に
気軽に声をかけて下さい(^_^)
 

さて、自分の席が決まって、席に着きました。楽器を出して、演奏の準備をしま
す。まず、すわる位置を微調整します。座って譜面を見た時に、指揮者が自然に視
覚の中に入るような場所に椅子を決めます。次に譜面台の高さを調節してください。
基本的には、弦楽器はコンマスの譜面台の高さにそろえれば良いでしょう。自分が
譜面を見て、同時に指揮者やコンマスが見える高さでなくてはなりません。そして、
譜面の確認、必要な物の確認をしてください。全部終わったら、練習が始まる時間
までは、チューニングをして、ウォーミングアップや練習をしていてよいでしょう。
またその間に、楽譜についての質問などがあったら、出来るだけしておきましょう。
練習時間に入ってしまうと、ゆっくり聞けないこともあります。

★オケ用語の基礎知識・・・・その3

プルト・・・・・・・・弦楽器は、二人で一つの譜面台を使います。

       □  □  □  □  □ 裏   ☆・・・譜面台
   指揮者 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆
       □  □  □  □  □ 表   □・・・椅子 
      1プルト 2プルト 3プルト 4プルト 5プルト

---( こちら側が客席です。)---------------------

びよらを例にとって見てみましょう。
 図のように、同じ譜面台を使う二人を「プルト」と呼びます。「ストバイの1プルト」と言えば、コンマスとその隣のことになります。 略して「いちぷる」「にぷる」などとも言います。またプルトの中で、客席に近い方を「表」反対を「裏」と呼びます。 従って、普通のオーケストラの配置では、ばよりんとビヨラ・チェロの表裏は、左右が逆になります(^_^) アマチュアオーケストラでは、「3プルの裏」などと,プルトと 表裏を組み合わせて席を呼ぶことが多いですが、プロオケや一部のアマオケでは、下のように、通 し番号で呼びます。

      2  4  6  8  10
 指揮者 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆     例は上の図と同じです
      1  3  5  7  9

 どこのプルトに誰が座るかということは、普通アマオケの場合、そのパートのトップが決めることが多いようです。トップ奏者は、DIVなどのバランスや弾き易さ、視覚効果 など、色々な要素を勘案して決定します。練習の時は、プルトを決めないで、演奏会の少し前に確定するオーケストラが多いでしょう。基準になる要素はいろいろです。上手な順では決してありません。ヨーロッパのオケではストバイの「おりかえしのトップ(6プルトの表)」には、ベテ ランを配していることがよくあります。あそこにしっかりした人がいると、きっと周りも安心するんでしょうね(^_^)

 

 セッティング・リセッティング・・・・「準備」「片付け」のことです。オケの場合椅子と譜面 台が主なものです。打楽器やバスは時間のかかることが多いので、手のあいている人は手伝ってあげましょうね(^_^)
セッティングは、とにかくオーケストラの座席を作ればよいわけ
ですから比較的分かり易いですが、問題はリセッティングです。
慣れている会場ならよいのですが、新しい会場の時には、かなり
注意して片づけないといけません。基本的には「原状復帰」です。
会場には会場の「しきたり」がありますので、元通りに片づけるよ
うにしましょうね。
黒い譜面台を見たことがありますか。銀色のと違って、結構複雑
な作りをしています(^_^;)しまいかたを間違えると壊れてしまうこ
ともありますので、わからなったら、周りの人に聞いて下さい。決
っして、力でねじふせないで下さいね(^_^;)
また、打楽器やコントラバスの移動、輸送などには、トラックな
どを使うことがよくあります。それらの積み込みや荷下ろしも、団
員の重要な仕事です。(「積み」「おろし」などと呼ぶオケもある
ようです。)
 コンマス・・・・・・コンサートマスターの略称。コンマスは普通ストバイのトップです。いわばオケの演奏面 でのリーダーです。最近は、男性・女性の
区別をつけないように、イギリスのオケのように「リーダー」と呼ぶオケもあるようです。
コンマスは、ヴァイオリンの技術が先ず問題になります。曲によっては、ソロのあるものも少なくないからです。特に、R.シュト
ラウスの交響詩、R.コルサコフの「シェヘラザード」などのソロ
は、技術的にもかなり難しく、誰でも弾ける、という訳にはいきま
せん。また、演奏のリーダーとして、アインザッツを合わせたり、
練習の進め方、指揮者との打合せなど、音楽的にもいろいろな要素
が必要です。場合によっては、コンマスだけはプロや他の人を雇っ
たり(ゲスト・コンマスと言います)するオーケストラもあるよう
です。
コンマスの性格や役割は、アマオケの場合、それぞれのオーケス
トラによってかなりの違いがありますが、プロ、それも西欧のプロ
オケの場合、特にコンマスは大変位置付けの高いもので、他の団員
とは契約の仕方なども全く異なります。

 

【7】練習開始です(^_^)

まず、全員に共通することから述べてみましょう。

(1) 書き込みにをしましょう。

  前にも述べましたが、練習中の注意などは、必ず書き込んでください。自分の
 ためでもありますし、その譜面を次回、または次の人が使うときのためでもあり
ます。特に、団備付けの楽譜を使っているオーケストラにとっては、書き込みの
 ある楽譜は、団の財産ともいえるものです。
基本的な書き込み方は、人によって、またオケによって差がありますが、目安
 となるように記述しておきましょう。

  1  指揮者が「一小節をいくつに分けて振っているか」

  小学校の音楽の時間に、リズムの話がありましたね。その時に「二拍子」「三
 拍子」「四拍子」などの基本的な「振り付け」が書いてあったと思います。実際
 のオケでは、そうことは単純ではありません。まず通常オーケストラ奏者が使っ
 ている言葉を覚えてください。

「いくつ・に振る」または「いくつ・振り」・・基本的には、「一小節を何回に
 分けて拍子をとっているか」ということです。例えば、「運命」交響曲の出だし
 は、2/4で書いてありますが、実際は一小節あたり一回しか振りません。

    (参考 譜例 1 ベートーヴェン「運命」冒頭)

 (この矢印のところが、実際に指揮者が棒を振り下ろすところです。)

このような時、「運命の第一楽章は『一つ振りだ』」といいます。

  四拍子の曲を四つに振る時は、あえて書かなくてもよいかも知れませんが、拍
 子と異なる時は、必ず書き込まなくてはなりません。言葉で「1つ」「3つ」な
 どと書いても構いませんが、エキスパートモード(^_^;)では、小節線の上にスラ
 ッシュを書くと一つ振り、チョンが二つ振り、△が三つ、□が四つ、二重△だと
 六つ、二重□だと八つ、などと書くこともあります。

  (参考  譜例 2 ベートーヴェン「エロイカ」第二楽章冒頭
2/4で四つ振りの例)

  指揮には、「いくつに振らなくてはならないか」という決まりはありません。
 拍子とテンポによって、指揮者が決めまることです。ですから、同じ曲でも、指
 揮者によって、振る数が違うことは、当然のこととして発生します。一番最初の
 練習で、普通でない振り方をする場合は、指揮者は「2つに振ります」などと言
 うか、黙って指を2本立てたりして指示します。それを見て、いくつ振るかを団
 員は知るわけですね。
  拍子と小節の分割が一致しないケースでも、全く規則性、というか法則性がな
 い訳ではありません。3拍子の曲を4つに振ったりすることはない訳です。それ
 ではどのようになるか、というと、「テンポの速い曲は約数に」「テンポの遅い
 曲は倍数に」なる可能性がある、ということです。例えば、4拍子の早い曲は、
 2つに振ったり、場合によれば1つに振ったりすることがあり、3拍子の遅い曲
 は、6つに振ったり9つに振ったりすることがある、ということですね。
  この「いくつに振るか」という問題は、テンポだけの問題ではありません。速
い曲でも、ゆったりした曲想が欲しい時には、ゆっくり振るでしょうし、逆もあ
 りますね。ですから、その時その時に応じた振り方がある、というふうに思って
 おきましょう。
  また、曲の途中で変わることもよくあります。小節の中でテンポが変化してい
 るときなど、場合によっては、1小節の中の特定の拍だけを、細かく振り分けた
 りすることもあります。

2 テンポの変化について

実際の曲は、ずっと変化しないテンポ、という訳ではありません。早くなった
 り遅くなったり、もとのテンポに戻ったり、という具合にしょっちゅう変化して
 います。特にロマン派以降の曲ではそうです。それも、楽譜に書いてあれば、あ
 わてずにすみますね。代表的な書き方を下にまとめました。

  (参考  譜例 3 チャイコフスキー交響曲第6番第4楽章より)

3 万国共通・・・・めがねマーク

ここぞっ、というところは、特に注意して指揮者を見なくてはなりません。そ
のような時は、めがねのマークを書き込みます。(これは筆者がヨーロッパの学
 生と一緒にオケをやったとき、連中も使っていました(^_^) きっと万国共通のし
 るしなんでしょうね(^_^)

  (参考  譜例 4 ベートーヴェン「合唱付き」第4楽章より)

4 その他、指揮者などの注意があったこと

  具体的な指示は、はっきりと言葉で書いた方がよい場合もあります。書き込み
 の目的は、練習の成果を忘れずに演奏の効果に結び付けることです。ですから、
 オーケストラの練習や本番、自分で練習する時に、指揮者やトレーナーの指示を
 正確に思い出して演奏できるものでなくてはなりません。指示が細かかったり、
 記号・図形などで表しにくい時には、言葉でそのまま書いておきましょう。
実際の楽譜の書き込みの例を下にあげておきます。

  (参考  譜例 5 マーラー交響曲第1番第1楽章より)

(2) 練習中に気をつけること

 練習の進行は、実際には指揮者やトレーナーがすることになりますが、わからな
いことがあったら、どんどん質問しましょう。実際にオケに行くと、そのオケの雰
囲気や指揮者やトレーナーの考え方、性格などによっては、練習中に団員が発言す
ることを嫌がることも多いですが、練習の進行の妨害にならない程度ならかまわな
いと思います。ドレ会は前述したような性格の会ですから、「練習の進行の妨害に
なるかならないか」などは考えないで、どんどん質問してくださいね(^_^) 質問が
あると、助っ人モードの人達がにっこり笑って「やった」とばかりに答えてくれる
はずです。

 オケで演奏していると、一人で演奏しているときとかなり違った感覚を覚えます。
まわりではいっぱい音が鳴っているし、自分のコントロールしているテンポとかな
り違ったりもするはずです。そんな中で「みんなと一緒に演奏する」楽しみを知る
ためには、

 ○ まわりの音を聴くこと
 ○ 指揮者とコンマス、パートトップを見ること

 が必要です。
 まわりの音を聴くということには、いろいろな意味があります。一つは、自分が
出している(出そうとしている)音が音楽の流れに乗っているか、を確認すること
です。まわりと(ないし他の人と)ずれていては、なかなか一緒に演奏することを
楽しむことはできません。始めのうちは、自分の楽譜を見て自分の音を出すことで
一生懸命で、なかなか他の人の音まで聴くのは大変ですが、だんだん聞こえるよう
になってくるでしょう(^_^) また、オーケストラはたくさんの楽器でできているの
で、自分と同じことをやっている他の楽器の人がいるかもしれません。「あ、この
旋律は今、あの素敵なフルートの人と一緒だ」などと演奏しながら考えるのは、と
ても楽しそうだと思いませんか(^_^) だんだん、同じことだけでなく、「私のあた
まうちの後であとうちをしてるのは、ホルンのあの人とびよらだな」とか「私は、
今、あの人の伴奏してるんだな」とか、いろいろ思えるようになりますよ。
 まわりの音を聴けるようになるにはどうしたらよいか、という質問をよく受ける
のですが、いきなり全部の音が聞こえるようになる方法はありません。ですがその
ために役に立つことを一つだけ書いておきましょう。
 練習の前に、出来ればスコアを見て、レコードを聴いて、その日の練習で「この
音だけは聴いてみよう」と決めておくことです。いきなりいくつもの事を考えて、
全部聴こうと思っていると、気がつかないうちに何が聞こえたかわからなくなって
しまうでしょう。初めは、「この曲は、ここの旋律のこの楽器だけは聴いて弾こう」
などと考えてみるとよいと思います。そのうちに、聴くことのできる音が増えてい
きますよ(^_^)

 指揮者やコンマスを見ることは、ある意味では音を聴くことより難しいかもしれ
ません。演奏している時は、常に自分の譜面から目を離す訳にはいかないのですか
ら。指揮者やコンマスを「見る」ということは、完全に顔を指揮者の方へ向けて、
「まじまじと見る」ことを意味するのではありません。楽譜を見ながら、自然に指
揮者やコンマスが目に入るようにするのです。そのためには、座り方や譜面台の高
さ、座る位置などにも注意することが必要です。こまかいことですが、少しの工夫
で、かなりの効果があるはずです。
 また、実際に指揮者を見る、いうことを、「指揮棒の先をみる」とか「指揮者の
腕を見る」などと考えている人がいますが、そうではありません。確かに、指揮者
が具体的に拍を生み出すのは「手」であり「棒」である訳です。しかし、指揮者は
そんなことを期待して指揮をしているのではありません。拍やテンポを「感じる」
為に、「呼吸」「体の向き」「体の動き」「顔の表情」などの方法を総動員してい
ます。ですから、「一点を凝視する」のではなく、「全体を感じる」ようになると
指揮者が「よく見える」ようになるでしょう。

 

(3) 「合わせる」ということ

 一緒に音を出す、ということは、結構大変な作業です。単に物理的に「同時に音
が出始める」というだけではなく、出始めた音には「テンポ」や「長さ」等のいろ
いろな情報がつまっていなくてはなりません。そのために一番大切なことは、「呼
吸を合わせる」ことです。
 合唱の経験のある方は多分すぐにわかっていただけると思うのですが、楽器だけ
特に弦楽器の経験しかない人は、なかなかこの「呼吸」をつかむのに時間がかかる
かも知れません。でも、あまり難しく考える必要はありません。人間は生活のいろ
いろな場面で実は「呼吸を合わせる」ことをしているのです。
 実際にどうしたらよいかを文字で表すのは少々困難ですので、練習の時に、いろ
いろなことをやってみましょう。
 

 

(4) 楽譜の中で使われている速さと大きさについて

 いわゆる「音楽用語」を全部書きだすことは不可能ですが、若干の解説をし
ておきたいと思います。

1 速度表示と拍子について

 allegro, andante, adagio, lent, presto 等、速さを表す記号にもいろい
ろありますが、これが案外厄介なしろものです(>_<) 本来は、これらの記号は
物理的な速さを示すものではなく、曲の感情や性格を表現する「発想記号」な
のです。それぞれがある範囲のテンポを表すことが多いので、「速さを表す記
号」として使われているのです。ですから、場合によっては、速さが逆転する
ことがあるくらい、相対的なものです。(ちなみに、音楽辞典は一冊購入され
ることをお勧めします。色々と便利ですよ(^_^))

 メトロノームには、目安となる速さが書いてあります。目盛りのところに、
速さの記号が書いてありますよね。しかし、これはあくまで「目安」であって
絶対的なものではありません。全ての指揮者がこの目安の速さで演奏するとい
う訳ではありません。そんなことをされたら、きっとFCLAのクラコンはな
くなってしまうでしょう(^_^;)
 冗談はさておき、「指揮者がどの位の速さを要求しているか」ということは、
前にも書きましたが、「いくつで振るか」ということともからんで、結構気を
使います。オーケストラでは、基本的には指揮者のやろうとしていることを理
解すればよいのですが、速度表示は「そのように感じる速さ」とでも思ってお
く方がよいかもしれませんね。

 拍子については、「いくつに振るか」というところで詳しく書きましたが、
速さとの関係についても少し述べておきましょう(^_^)
 指揮者がある部分を「いくつに振るか」ということは、別に万国共通の決ま
りなどがある訳ではありません。いくつに振るかは、全く指揮者の考え方によ
るのです。拍子の通りに振ることが(二拍子なら二つ、三拍子なら三つという
ように)基本ではあるのですが、指揮者は演奏したい速さ、出したい気分、オ
ケの能力(^_^;)などによって、いくつに振るかを決めるのです。ですから、演
奏する前に、イメージを作っておくとよいかもしれません。

一般的に当てはまる注意点をあげておきましょう(^_^)
○ 早い感じの4/4は二拍子のことがよくあります。モーツァルトの序曲な
どでは、4/4を一つに振っちゃうこともあります。
○ ワルツは三拍子ですが、一つに振ることが大変多いです。
○ ゆっくりの時はしばしば「分けて」振ります。四拍子を八つに、などと。
○ ルバートした後など、部分的に遅くなるところや、特に技術的に合わせに
くい所では、「オーケストラのために」分けて振ることがあります。
○ 6/8、3/2などは、日本人には一番苦手なリズムとされてるようです
ね。とってもよく使われているのですが少々難しい(^_^;)
○ なんといっても難しいのは「変化する速さ」です。これについては、紙上
での説明は困難ですので、ドレ会で実際に経験してみて下さいね(^_^)
 

 

  2  音の大きさの表示と実際について

 大きさの表示についても、若干述べておきましょう。

 ppp,pp,p,mp,mf,f,ff,fffなどの基本ライン以外に
も、いろいろな大きさの記号があります。それぞれの記号については、やはり
辞書のようなものに任せるとして、ここでは二つのことを書いておきます。

☆ 一つめは、「大きさの指定は、やはり『相対的』なものである」ということです。
「大きく」とか「小さく」などと言っても、楽器により、また音域などにより
かなり異なる大きさを要求されるものです。速さのところでも書きましたが、
大きさも「絶対的」なものではありません。そのバランスは、経験を積むこと
によって自然と身について来ると思います(^_^)
 それだけでは不親切ですので、少々「例」と「こつ」を述べておきましょう。

 

○ 自分の譜面が旋律を受け持っているか、伴奏か。
・・・・・・旋律が聞こえなくなるような大きさで伴奏を演奏するのは考えもので
よね。自分の耳に旋律が聞こえなくなったら、大きすぎるということでしょう。
逆に、自分(ないし自分のパート)だけが旋律のときは、少々大き
めに演奏することが必要な場合が沢山あります。
○ リズム打ちでも、強拍か弱拍か。
 ・・・・・・特に、ワルツなどで、一拍めと二、三拍めが同じだと、結構妙です(^_^;)
○ クレッシェンドやディミニュエンドのとき、終点の大きさを越えないこと
・・・・・・例えばpからfまでのクレッシェンドに続いてfからffまでのクレッ
シェンドがあるとしましょう。初めのクレッシェンドで大きくなり過
ぎてしまうと、次のクレッシェンドができません(^_^;)そんなことを
計算しながら演奏するのです。

 こんなことを考えて演奏できるようになれば、一人前です(^_^)

☆ 二つめは「作曲者、曲によって、また場所によって記号の意味が異なること
がある」という話です。
 例をあげて説明するのが早いと思いますので、以下の譜面を見て下さい。

  (参考  譜例 6 ベートーヴェン「エロイカ」第1楽章から)

 ここには、fが繰り返し繰り返し書かれていますね。このfは、強さの相対
値の指定ではありません。sfないし sfzの意味で使われているのです。

  (参考  譜例 7 ベルリオーズ「幻想」第1楽章から)

 このように繰り返しクレッシェンドやディミニュエンドが使われていると、
この通りには演奏できませんね(^_^;)これも、少々違った弾き方を要求されます。

 このような使われ方が、結構あちこちに出てきます。そんな時は、指揮者や
トレーナーの先生から注意があるかもしれませんが、「あれっ」と思ったら、
どしどし質問してみるとよいでしょう(^_^)

 

【8】実際の演奏にあたって必要な知識、常識・・・弦楽器編

それでは、いよいよ実戦編です(^_^)

(1) 調弦(チューニング)について

   オーケストラのチューニングは、基本的には以下の順に従って行います。

○オーボエがAの音を吹く(これは、オーボエさんが、こそっとチューナーを
    覗いて合わせています(^_^;)客席からは見えませんね)
○その音をコンマスが取って、自分の楽器を調弦する。
○コンマスはAの音を弾いて、弦楽器奏者が自分の楽器のAを合わせる。この
   時、オーケストラによって、ばよりんから始めたり、低弦から始めたりしま
   す。どちらが良いかは、両方とももっともらしい理由があるので、判断がつ
   きません(^_^;)実際に参加する側としては、大体コンマスが調弦するパート
   の方を向きますので、わかるしょう(^_^) この時、他の弦を合わせてはいけ
   ません。全体がAの音だけになるようにしましょう。
○大体全員のAの音が合ったら、コンマスは座るか「他の弦どうぞ」などと指
   示します。そうしたら、他の弦を合わせて下さい。

   チューニングの時の一般的な注意を以下にまとめます。

○音は mp 位がよいでしょう。自分の音が聞こえないからといって大きな音で
  弾くのは考えものです。皆が大きく弾くと、ますます自分の音が聞こえなく
  ってしまうでしょう(>_<)
○音が合ったと思ったら、必ず弾くのをやめてくださいね。よく合わせ終わる
  と、自分の弾きたいものを弾いている人がいますが、これはエチケットに反
  します。コンマスや指揮者は、音が止んだことをチューニングの終了とみな
  して、練習に進みます。
○音は、本来は弦の「振動」を聴いて合わせるものです。「振動」「うねり」
  などについては、一人で、ないし少人数で、一度経験してみるとよいでしょ
  う。ドレ会では、助っ人に頼めば、喜んで付き合ってくれるはずです(^_^)
○ばよりん、びよらは、耳に非常に近いところで楽器が鳴るために、自分の音
  を周りより高く合わせがちです。このへんは、実際に経験を積んでくると、
  わかると思います。2、3人でお互いに人の調弦を聴きあって、楽器を取り
  代えて弾いてみると経験できるかもしれません。
○チェロ、コントラバスは、フラジオ(ハーモニックス)で合わせることが多
  いですが、やはり実音で合わせるのとはややずれが生じます。それも、経験
  していくとわかるようになると思います。焦らずがんばりましょう(^_^)
○細かい事を言えば、耳に心地よく聞こえる5度は、平均律よりやや広めにな
   ります。

(私自身は、チェンバロの調律を覚えてから、ばよりんの調弦もよくわかるよ
 うになりました。弦楽器の人は、もしチャンスがあったら、チェンバロの調律
 をのぞいてみるとよいかもしれません。)

  (2) ボウイングについて・・・オケ編

 弦楽器の人が一番神経を使うことに「ボウイング」があります。オーケスト
ラでは、基本的には同じパートの人は全員同じボウイングで演奏します。基本
から外れるケースは、

○パートの中で、さらに分かれて弾く場合
 ・・・この場合は、譜面が既に分かれて書かれているので、譜面に従えばよ
    いことになります。→ div.
○効果の点で、わざと反対の弓使いや、違う弓使いを指定する場合
 ・・・アクセントを付けたくて、裏、ないし表の人だけ反対にしたり、長い
    弓とトレモロなどを組み合わせて音をはっきりさせたりします。この
    ような場合は、指揮者・トレーナー・コンマスなどから、練習の時に
    指示があるはずです。
○音が途切れないように、弓の返しをずらす場合
 ・・・一弓では弾けないような長い弓使いを指定してある時、全員が一度に
    弓を返してしまうと、音が途切れてしまいます。そのような時は、皆
    で少しずつずらして弓を返すと、あたかも一弓で弾いているかのよう
    に聞こえます。ちょうど、合唱の「カンニングブレス」のようなもの
    だと思ってください。

  に限られます。
このような時以外は、パートの奏者が全員同じ弓で弾くことになるわけです。

ボウイングを決めるのは、基本的にはそのパートのトップ奏者です。普通、
コンサートマスターがストバイのボウイングを決めた後、それを参考にして、
他のパートのトップが自分のパートのボウイングを決めます。同じボウイング
で弾くことが望ましい部分は合わせることができるようにするためですね。ア
マオケの場合「ボウイング会議」などというトップ奏者の会議をして決める所
も多いようです。
 ボウイングは、最初の練習が始まる前に一応ついていることが前提です。練
習中にあまりボウイングを決める作業をすることは、効率が悪いからです。練
習を進めていくと、決めたボウイングに不都合や弾きにくい所がでてきたり、
指揮者やトレーナーにボウイングの変更を指示されたりします。そうしたら、
その都度直して、よりよいボウイングを作っていきます。あなたも、実際に弾
きにくいところが出てきたら、どんどんトップに相談してくださいね(^_^)
 ボウイングを練習中に変更することは、毎回の練習の中で非常に頻繁におこ
ります。基本的には、トップのボウイングと違っていることに気がついたり、
トップや指揮者、トレーナーから指示があったら、自分の譜面に書き込みます。
しかし、気付いた時に、全部一々弾くのを止めて書き込みをしていては大変で
すから、(指揮者が止めるなどして)練習が止まったときに素早く書くことに
慣れていってください。そして、練習の休み時間とか終わった後などに、自分
の譜面とトップの譜面を比べてみる癖をつけると良いでしょう。
 これは余談ですが、トップ奏者でも、わざと譜面に書いていないボウイング
弾くことがあります。大抵の場合、その人は新しいボウイングを「試して」い
るのです(勿論、単に間違えることもあります(^_^;))そのボウイングが採用
されるかどうかはわかりませんから、あわてて書き込む必要はありません。ト
ップ奏者の性格がわかれば、そういうことを頻繁にやるトップと、決してやら
ないトップの区別がつくようになります(^_^;)ドレ会では、会の性格上、トッ
プの人は、あまりそういうことはやらないと思います。安心して下さい(^_^)

 ☆ オケ用語の基礎知識

  div.・・・・・パートの中を更に2つ、3つないしそれ以上に分けること
 (divisi) です。div.には「譜面指定タイプ」と「必然タイプ」が
          あります。前者は譜面が実際に二段以上に分かれていたり、
         「div.」が書いてあります。後者は二音以上が同時に書い
          てあって、実際問題として、同時に弾くことが困難な時、で
          す。後者の時は、特に指示が無いかぎり、表の人が上、裏の
          人が下の部分をひきます。前者の場合、以下のようになりま
          す。

  (参考  譜例 幻想交響曲第5楽章より)

(3) ボウイングについて・・・・一般常識編

 弦楽器が発明されてから、もう何百年たったのでしょうか。そういう楽器で
すので、奏法について先人達が積み重ねてきた常識が、山のようにあります。
これを一々解説することは、力量的にもスペース的にも無理ですが、若干の例
を「オーケストラですぐ役立つ常識編」として述べておきましょう。

○ ボウイングの意味

 ボウイング(弓使い)は、手段であって目的ではありません。ですから、良
いボウイングとは、「弾き易く」「目的に合った良い音がして」「視覚的にも
美しい」ものです。実際には、この3つの要素について、「どれを優先させて
決めるか」が問題になるわけです。また、弾きやすさや「目的」は人によって
違うことがよくあるものです。他の人の意見はよく聞いて、自分の意見は堂々
と述べてくださいね。その議論の中から、新しい常識が生まれてくるのです。

○ ダウンとアップをどうやって決めるか

 以下の例はあくまで「基本」です。場面によって、反対になることもあるこ
とを前提に読んでください。
・ 強拍はダウン、弱拍はアップ
・ デクレッシェンドはダウン、クレッシェンドはアップ
・ アクセント、sf、fz、sfzなどはダウン
・ アウフタクトはアップから
・ 3つ以上の音を弾く和音はダウン
 ダウンとアップの選択がなんとなくつかめるようになれば、かなり楽になる
と思います(^_^)

○ ボウイングの長さ

 これも大変大きな問題です。どこまでつなげるか、ということは、フレーズ
の問題とも関係してくるからです。(昔昔、ブラームスは、ヨアヒムの「もっ
と短いボウイングにしてくれないと弾けない」という忠告を「私はばよりん弾
き達のいまいましいボウイングなどというものは認めない」とはねつけたそう
です。第1番の交響曲の冒頭のフレーズを見て下さい。ヴァイオリンについて
いえば、初めのCの音から8小節目の3拍目までを、ブラームスは、なんと、
一弓で弾いて欲しかったのですよ(^_^;))初めのうちは、「同じフレーズの中
ではなるべく弓を返さない」ということと、「なるべくしっかりした音のする
ボウイング」という相矛盾する2つの「常識」を知っておいてください。

 ● 弓を使う場所

 多くのアマチュア奏者が意外と気を使っていないのが、このことです。アッ
プ・ダウンや返しにはとても神経質な人でも、結構皆と違う場所で弾いていた
りすることがあります(^_^;)実は、こちらの方が影響が大きい場面がかなり頻
繁にあるのですが・・音質やニュアンスをそろえるために、同じ場所で同じボ
ウイングで弾くことは一体のものです。譜面にもどんどん「元」とか「先」と
か書き込んで下さいね。やはり、若干の常識と留意点を添えておきます。
 ・「力強く」は元、「優しく」は先
 ・「大きく」は元、「小さく」は先
 ・「刻み」「トレモロ」は、音が小さくなるにつれ、またテンポが速くなるに
  つれてだんだん弓先の方になる。特に今回練習しているモーツァルトには
  かなりはっきりした「常識」があります。
 ・ 全弓か、半弓か、などは意識して使うこと。

 

(4) フィンガリング(指使い)について

 実はオーケストラ用のフィンガリングなどというものは、特にはありません。
 特殊なフィンガリングを要求されるときは、必ず譜面に書いてあります。です
から、オーケストラだからといって、特に気を付けることはないでしょう。ここ
では、比較的よく問題になる点を、いくつか上げておきます。

 よく「開放弦を使っても良いでしょうか」と聞かれますが、基本的には「なる
べく弾きやすいフィンガリングで弾いて下さい」と答える人が多いでしょう(^_^)
弾きやすい指で、正確に弾くことが第一です。
 特に開放弦が邪魔になる可能性がある場合は
・ 長い音(ビブラートがかからない為に、溶け合わない音になるから)
・ E線・・・・・・・・これも、時と場合によります。どんどん質問して下さい。
などでしょう。実際には本当に問題があるときには、指揮者などが教えてくれ
ますから、慣れるまではあまり気にしなくてよいでしょう(^_^)

フィンガリングの工夫をすることによって、演奏が実際に楽になるのは、ほと
んどが、ポジションが上下に移動するようになってからです。そうなれば、ポジ
ションの工夫で、かなり「楽」で「正確」に弾くことができる場合がたくさんあ
します(^_^)

 また、楽譜にフィンガリングを書き込むことを躊躇している人をよくみかけま
が、そのような必要はありません。指使いが書いてあったほうが楽に弾ける場合
が多いですから、必要と思ったらどんどん書き込んで下さい。
 ただし、オーケストラ備付けの楽譜を使っている時は、少々注意しなければな
りません。プルトが固定していて、いつもその楽譜を使う人が一定ならばよいの
のですが、そうではない場合、「他人のフィンガリングを見ながらでは弾きにく
い」ということが生じるからです。できれば、自分専用の楽譜を用意して、それ
に書き込んで練習するようにしましょう。

  (5) その他の「作法」など

○ 譜めくり・・・大部分のオーケストラで、原則的に「客席から遠い人がめく
    る」という方法を採っているようです。なぜだろうかと考えてみ
    たのですが、はっきりとは分かりません。理由として考えられる
    のは「見栄えがよい・・・裏の人の方が客席からみえにくい」か
    らか、「表の人の方が偉いと思われている」か、どちらかでしょ
    うか(^_^;) どちらにしても、あまり合理的な理由があってのこ
    ととは思えません。習慣的にはそうなのですが、ばよりん・びよ
    らについては、少しでも慣れると「左手でめくるほうが早くて静
    か」になります。最近は原則として「譜面に向かって右の人」が
    めくるオーケストラも出てきました。この方が合理的だとは思う
    のですが、今までの習慣がかなり強いので、黙っていたら、「裏
    の人」がめくるようですね。ドレ会では、助っ人が横にいたら、
    やらせちゃいましょう(^_^)
     この譜めくりの最大の問題は「静かに」めくる、ということで
     す。そのために、Pの所では注意を払う必要があります。長い休
    みなどの時は、なるべくFのところでめくるようにすると良いで
    しょうね。
    また、楽譜の編集上、どうしても弾き止めないとめくれないよ
    うな時があります(>_<) そのような楽譜にあたったら、あらかじ
    め前後の頁を書いておくか、切り張りなどしておくとよいかもし
    れません。
 ○ 弾いている途中で弦が狂ったら(^_^;)・・・多少なら目をつぶってもいいか
    もしれませんが(^_^;)あんまり狂ってしまったら、弾き止めて合
    わせるしかありません。しかし、大きな音を出すと周りに迷惑で
    すから、小さい音で合わせる必要があります。こんな時は、弓先
    で弦をたたいて音を聴く方法があります。これは、実際にやって
    みないと、ちょっと説明は難しいので、助っ人さんに質問してく
    ださいね。ドレ会では、まだ調弦があまりよくできない間は、練
     習中にチューニングの必要が生じた時は、近くの助っ人にすぐ頼
    んでしまいましょう。
 ○ 休憩中の楽器の置き方について・・・弦楽器は木でできていますから、とっ
    ても壊れ易いものです(;_;) 休憩中に楽器や弓を椅子の上に置い
    たり、椅子に立て掛けたりして、落として壊してしまうことがあ
    ります(>_<) オーケストラのメンバーは、勿論皆楽器をさわる人
    ですので、充分注意はしていると思うのですが、人間やはり、う
    っかりすることはあるものです。椅子に置いたり立て掛けたりす
    るのならば、なるべく椅子からはみ出たところの少ないように、
    注意して置いてください。
     プロのオーケストラでは一般的に行われていることなのですが
    アマチュアのオーケストラでは、ばよりんやびよらの人が、楽器
    のケースを自分の足元に置かないことが多いようですね。これは
    何故だかよくわからないのですが、やはりいちいちケースに入れ
    た方が安全ではあります。
 ○ 弓を置くピツィカート・・・・えんえんピツィカートの続くところでは、弓
    を膝の上・足元などに置いて演奏することがあります。こういう
    ところは、ばらばらにやるとかっこ良くないので、トップに合わ
    ことになっています。打合せが必ずありますので、譜面に書き込
    んでおきましょう(^_^)
 

 

【9】演奏の時の常識・・管楽器編

  (1) チューニングについて

  アマチュアオーケストラでは、殆どの場合「木管」「金管」に分けてチューニ
 ングをします。その間は、オーボエ奏者がひたすらロングトーンの練習をしてい
 ることになるわけですね(^_^;)
  管楽器は弦楽器と違って、吹いているうちに管が暖まって、音程が上がる、と
 いう習性があります(^_^;)ですから、練習開始時間ぎりぎりにやってきて、駆け
 つけチューニングで練習に臨むと、次第に音程が一人旅を始めてしまいます(^_^;)
 特に冬場の寒い時などは、かなり早めに練習会場に来て、楽器をよく温めてから
 チューニングが出来るようにしたいものです。
  金管楽器だけをBで合わせているオケを見かけたこともありますが、効果の程
 は定かではありません。

  (2) 音程について

  管楽器は、トロンボーンを除いて、押さえ方と倍音列の選択によって、出る音
 が決まってしまいます。楽器にはそれぞれの種類別の個性がありますし、また個
 体差もかなりあります。ですから、音程を合わせる作業は、弦楽器よりかなり困
難になってしまいます(>_<) 音程を合わせる作業は

 1 同じ種類の楽器で、同じ音が合うこと
 2 同じ種類の楽器で、三度・五度などを合わせること
3 木管と金管ごとに同じ音、和音が合うこと
4 管全体で合うこと

 の順に行っていきます。練習の時に、周りの人と音程を確かめ合って、自分の楽
 器の癖や自分自身の癖を、的確につかんでください。
  また、吹き方の強弱によっても、音程はかなり影響を受けますね。このことも
 知っておくと良いでしょう。

木管楽器には、高くなったり低くなったりしがちな音に、換え指がある場合が
 あります。そんな知識は、ベテラン・助っ人にどんどん聞いてくださいね。

  (3) ブレスなどについて

  オーケストラは、基本的には指揮者に合わせるべきものですが、一人々々がバ
 ラバラに指揮者と合わせている訳ではありません。フルートならフルート、ホル
 ンならホルンが、まずその中で合っていることが必要です。特に、ホルンやトロ
 ンボーンは3、4本ないしそれ以上が一緒に動くことが多いので、その3人4人
 が合っていないと、大変です。音程を合わせる時のように、お互いに聴き合って
 合わせることも重要ですが、呼吸を揃えて(息づかいを感じて)お互いを認識し
 合うことができるようになれば、しめたものです(^_^) また、同じ旋律を、他の
 楽器と共有することもよくありますね。そんな時は、フレーズを揃えて吹くこと
 を心掛けてください。

  (5) その他の常識、「作法」など

 ○ 長い休み・・・・・・特に金管楽器のパートには、長い長い休みがあることが多い
ですね。休みの間に、譜面台の下に隠した雑誌なんかを読んでい
ると(なんか中学生みたいですね(^_^;))「落ち」ます(^_^;)
自分の入るところには、あらかじめ「ガイド」(他の楽器の音で
分かり易いもの)を書き込んでおくと便利です。
○「時差」について・・・・・・管楽器は通常弦楽器の後ろに配置されます。そのため
客席からはかなり遠くなってしまうことがあります。特に金管の
奏者は、この「時差」にかなり頭を悩ませるものです。初めのう
ちは、あまり難しく考えないで、「遅れると影響が大きい」こと
くらいを知っておいてください。
 ○ あし・アシスタントについて・・・・・・二管編成の曲なのに、ステージがいやに
狭い、と感じたことがありませんか(^_^;)実は、楽譜上は二管で
書いてあっても、「しんどい」とか「音量が足りない」という理
 由で、三人で吹いたり四人で吹いたりすることがあるのです。作
曲者が生きた時代とは、オーケストラの大きさも会場の大きさも
格段に違っている場合、この様な修正は止むを得ない面もありま
す。そのためにステージにのる、いわば「助っ人」さんを「アシ
スタント」または単に「あし」と呼びます。アマチュアオケの場
合は、かなり頻繁にこのようなことが行われます(音量などのた
めだけではなく、メンツ消化という意味があることも多いですが
   (^_^;))あしの人が何処を吹くか、は、そのパートの人と相談し
て決めることが多いようですね。ですが、ソロなどは音量だけで
なく、音質、音程などの問題もあり、あしをつけることはめった
にありません。「あ、いいな」というところを吹くためには、や
はり一人目になる必要があるようです。
 ○ 楽譜・練習内容の引継ぎ・・・・・・オーケストラの備付けの楽譜を使って練習す
る場合、弦楽器と違い管のパート譜は一つしかありませんから、
家に持って帰ったりするときは、充分注意しないといけません。
次に誰か他の人がその楽譜を使うかも知れませんから、書き込み
は分かり易く、また、休む時には、引継ぎをしっかりしましょう。

 

【10】最後に(^_^)

  オーケストラというと、なんか「すっげー」とかいう感じがしていた方も多い
 と思います。でもそんなに身構えることはありません。いま偉そうな顔をして、
弾けるような顔をしている人も、みんな一から始めたのです。怖がらずに、どん
 どん挑戦してください。

  アマチュアオーケストラは、各団体がそれぞれの個性を持っています。わいわ
 い集まって楽しむことが目的のオーケストラもあれば、厳しい練習を積み重ねて
 演奏の向上を常に追求しているオーケストラもあります。いろいろな団体がある
 からこそ、また自分に合ったオーケストラを見つける楽しみもあります。

  イギリスのアマチュアオーケストラの言葉に "funny noise" という言葉があ
ります。ちょっと素敵な言葉だと思いませんか?

  音楽を、オーケストラを楽しむのは、長い間やってきた人も、始めたばかりの
 人も同じです。ですが、楽器に慣れ、オーケストラに慣れ、段々演奏できるとこ
 ろが増えて、思ったように演奏できるようになると、その面白さも少しずつ変っ
 ていくと思います。ドレ会が、そしてこのマニュアルが、そんな貴方のために、
 少しでもお役に立てば、こんなに嬉しいことはありません(^_^)
 

本編終わり

 

【初めてのオケマニュアル/初版・・・・付録1】

 ・・・・・・・・・・・・オケ用語の基礎知識・・・・・・番外編・・・・・・

  初めて、ややおずおずと、オーケストラというものを体験するあなたのために
 オケの特殊用語を解説しちゃいましょう(^_^) これさえ知っていれば、オケのメ
 ンバーの会話も怖くはありません(^_^;)

 ( ←→ 反意語 (派) 派生語 を示す )
 

語例 意味・使用例
---------------------------------------------------------------

 打合せ  →「飲み会」の項を見よ
 打ち上げ →「レセプション」の項を見よ
 宴会    →「飲み会」の項を見よ
 落ちる  演奏中、周りが何処を演奏しているのかわからず「え、私はだれ
     ここは何処」状態になること。拍子が変わったり、長い休み中に
     こっそりと漫画などを読んでいるとよく陥る。「新世界」交響曲
     の二人目の打楽器奏者がこれをやると、なにもしないでステージ
     を下りることになる。
 お疲れ様でした オーケストラに限らず、演劇・映画など芸能の世界全
     体の習慣だが、練習・本番などが終わったあと、帰るときに、か
     ける挨拶は、これに決まっている。決して相手をより好みして、
     声をかける人とかけない人を区別してはいけない。この挨拶がで
     きないと、「おっさん、なにやってんの」という目で見られるこ
     と、必定である。
 おはようございます オーケストラに限らず、演劇・映画など芸能の世界全
     体の習慣だが、練習・本番などに出る為に会場に来たときの挨拶
     は、これに決まっている。昼の3時であろうとも、夜の8時であ
     ろうとも、決して「こんにちは」「こんばんわ」などといっては
     ならない。すぐトーシロであることがばれてしまう。この習慣が
     なぜ定着したかには、諸説あるが、大体時間がやくざな「芸能」
     活動をしている人達が、自分たちも早くから働いているんだ、と
     いう気分になるために敢えてこう言い出した、という説に、信憑
     性がありそうである。
 おりる  参加している団体などの演奏会に出演しないこと。また、演奏会
     の中で、ある曲に出ないこと。(例)「ねえ丁稚、今度の演奏会、
     おりちゃうんだって?」「うん、だっていぢめっこが乗るってい
     うから・・シクシク」  (派) おり番   ←→ 乗る
 おろす    「おりる」の他動詞形。受動態としてもよく用いられる。(例)「シク
     シク・・・・」「どうしたの、丁稚」「このまえ地下鉄の中でばよりん
     弾いたら、そんなことするやつはいらないって、今度の演奏会お
     ろされちゃった・・・・・・」  ←→ のせる
<音名>   練習中以外では、音名はお金の勘定に用いられる。Cは1、Dは
     2・・・・などと表す。「今日の飲み代いくら?」「ええと、E
     千通し」などと使う。読み方は、ドイツ式で読む。いやしくも、
     クラシックを志すものが、お金の話なんかできるか、という意識
     が他人には分からないこのような言い方を始めた、という説があ
     るが、いつもお金のないミュージシャンが、小額のお金について
     言うのが恥ずかしかったからこういう言い方をした、という新説
     もある。
 かすむ  いつもは、地下鉄の中でも楽器を出しちゃう癖に、難しくて弾け
     ないと、弾いているふりをして音を出さないこと。これを上手に
     やられると、お客さんばかりでなく、団員や指揮者さえ気付かな
     い。決して奥床しさを表すバロメータにはならない。
 歓迎会   →「飲み会」の項を見よ
<逆称>  オーケストラだけでなく、音楽・芸能の世界では一般 的だが、と
     にかくひっくり返してものを呼ぶことである。例えば「しーめ」
     は「めし→食事」、「ろーそ」は「ソロ、独奏」、「ろーちぇ」
     は「チェロ」、「びーた」は「旅→演奏旅行」などである。何故、
     また誰がこんなことを初めのかは不明であるが、自分たちの狭い
     社会に閉じ籠もりがちな芸能人の特質をよくあらわしている。
     「るーも」などになると、隠語の逆称で、一般人には説明を受けて
     も意味がわからないこともある。
 G.P. 「げーぺー」と読む。プロの場合は、本番の前の練習を指す。本来
     (General Probe) の意味から言うと、それが正解であろう。アマオケ
    の場合、この後に、「ステリハ」と呼ばれる「最後のあがき」が加わる。
 コンパ  →「飲み会」の項を見よ
コンバスパーカッション  (これで一つの言葉であるから、決して区切ってはな
     ならない。)演奏旅行中、重い楽器を持ってハーハー言っている他
     団員を尻目に、手ぶらで歩き回る一族のこと。ただし、普段は、
     楽器のつみおろしなど、他の人の10倍の仕事をこなさなくては
     ならない。
 さくら   演奏会に向け、せっかく練習したアンコールを演奏できないとい
     う悲劇を避けるため会場に配置される、「拍手係」のこと。団員
     の身内や、同じ悩みを抱えるオーケストラ仲間がなることが多い。
     最近のお客さんは、マナーを心得ていらっしゃる場合が多く、さ
     くらをあえて配置しなくなったオーケストラがほとんどになって
     きたようだ。
 さらう   本来は「練習する」こと。しかし「充分さらってきた」などと、
     肯定形で使われることはめったになく「いやー、さらう時間なく
     ってさー」などと、否定後と何故か相性が良いようである。
 ・・ッシモ (名詞語尾)最上級を表す語尾。「かすみっしも」などと使う。
 ステリハ 恐らく「ステージリハーサル」の意味であろうと思われる。本来
     練習はGPでお終いで、GPをステージでやることも多いが、ア
     マオケの場合、演奏会直前の練習を「どこでやっても」こう呼ぶ。
     前日のGPをステージでやって、当日は他の団体の関係で、リハ
     ーサル室でステリハ、なんてこともあるようだ。
 センプレ・・ (接頭語)「ずっと」「全部」を意味する接頭語。(例)「昨日さあ
     飲みに行ったの、せんぷれ男でさあ、つまんなかったよ」
(注意)「せんぷれ男ばっかり」は誤用
 飛び出す どうしてもソロが弾きたい、とか、目立ちたい、と思ったとき、
     無意識に実行してしまうこと。
 トラ  「エキストラ」の略。足りない部分を手伝ってくれる人をいう。ア
     マオケの場合、大抵演奏会後の宴会もタダになるため、演奏会後
     は本物の「おおとら」になることも多いという。
 乗せる  「乗る」の他動詞形。大勢のいる前では、あまり使われない言葉で
     ある(^_^;)   ←→ おろす
 飲み会   アマオケの目的の一つ。あれこれと理由を付けては行われる。
     なかでも、演奏会の後に行われる「打ち上げ、レセプション」は
     アマオケ最大の行事と言ってもよい。練習の後の飲み会が義務に
     なっていて、必ず練習後は人数分の予約が入っているというオケ
     もあるようである。「歓迎会」「反省会」「打合せ」など、いろ
     いろな名称をとるが、みな同一のものである。
 乗る   あるオーケストラ、または曲に、本番なら「出演」練習なら「参
      加」すること。(例)「ねえ丁稚、ショスタコの5番って弾いたこ
      とある?」「うん、このまえさあ、千×田フィルに乗ったから」
(派) 乗り番   特に人数の多いオーケストラの場合、管楽器の人
       は全部の曲に乗ることは少なく、演奏会の中のあ
       る曲だけに出ることが多い。これを「あ、僕次の
       曲乗り番だ」などと言う。
(派)全のり プログラム全部の曲にのること。逆にあたる「全
       おり」はもちいない。
         ←→ おりる
 はしる   特に体育会系のオーケストラに顕著な症状。どうしても、人より
      早く進みたい時に集団で発症する。また、早くビールが飲みたい
      時に、意図的にこの病にかかったふりをすることもある。
 反省会 →「飲み会」の項を見よ
<略称>  プロの演奏家のなかには、とてもいやがる人達がたくさんいるが
      アマチュアオーケストラの団員は、曲をまともには呼ばないで、
      全て省略形で呼ぶ。「ベト4」はベートーヴェンの第4番、「ブ
      ラ1」はブラームスの第1番、「ブル9」はブルックナーの第9
      番、「シュベ5」はシューベルトの第5番の交響曲を指す。
      以下にあげる省略形が全て分かれば、一人前の「アマオケプレー
      ヤー」である。
     「マラ9」「モツレク」「ドボ8」「チャイ4」「ざんく」「ヴェ
     ルレク」「フォーレク」「レプレ」「ハーレム」「タコ7」「だ
      いしゅく」「メンコン」「シベ2」「ドボコン」「ハルサイ」
 レセプション  →「飲み会」を見よ

 

【初めてのオケマニュアル/初版・・・・付録2】
 

 

【1】楽器の呼称

  楽器の呼び方は、人によりかなり差があります。英語を多く使う人もいれば、
 ドイツ語中心の人もいます。始めてオーケストラに参加する人には、なれない呼
 びかたも多いと思いますので、楽器の呼び方をリストにしておきます。
日本語表記欄の (独) (伊) (仏) は、 それぞれ日本語表記が各言語から来て
いることを示します。印の無いものは、 英語からのものです。
最後に、英語、イタリア語、フランス語、ドイツ語による表記を付しました。
楽譜やスコアを見るときなどにお役立てください。
 

英語表記 よく使われる日本語表記 よく使われる省略形
---------------------------------------------------------------------------
flute フルート Fl.
piccolo ピッコロ Pic. Picc.
oboe オーボエ Ob. Haut.
English horn コールアングレ (仏) Cor.a.
イングリッシュホルン E.H.
clarinet クラリネット Cl.
bass clarinet バスクラリネット B.Cl.
bassoon ファゴット (独) Fg.
バスーン
double bassoon コントラファゴット (独) K.Fg.

horn ホルン Hr. Cor.
trumpet トランペット Tp. Trp. tbt.
cornet コルネット
trombone トロンボーン Trb. Pos. tbn.
bass trombone バストロンボーン
tuba チューバ (テューバ) Tub

kettledrums ティンパニ (伊) Timp. Pk.
bass durm 大太鼓・バスドラ・ベードラ B.D. G.C.(Gr.Cassa)
snare drum, side drum 小太鼓・スネア S.D. Tamb. milit.(military drum)
cymbals シンバル Cym.
triangle トライアングル
tambourine タンブリン Tamb.
castanets カスタネット Cast.
gong, tam-tam どら t.-t.
xylophone 木琴・シロフォン Xyl. Xyloph.
glockenspiel 鉄琴・グロッケン Glock. Vib.

harp ハープ Hp. Hrp. Arp.
piano ピアノ pf.
celesta チェレスタ Cele.
organ オルガン Org.

 violin ヴァイオリン Vn.
viola ヴィオラ Va. Br.
violoncello チェロ Vc.
doublebass コントラバス (独) Kb. Cb.
 

[付録の付録 楽器表記・・・・四か国語対照表]

 英語 イタリア語     フランス語     ドイツ語    
------------------------------------------------------------------------------
 flute flauto       flute        Floete     
  (flauto grande)   (grande flute)   (grosse Floete)
 piccolo flauto piccolo   petite flute    Kleine Floete
  (ottavino)
 oboe oboe        hautbois      Hoboe
                      (Oboe)
 english horn corno inglese    cor anglais     Englisches Horn
 clarinet clarinetto     clarinette     Klarinette   
 bassett horn corno di bassetto  cor de bassette   Bassetthorn
 bass clarinet clarinetto basso  clarinette basse  Bassklarinette 
(clarone)
 saxophone sassofono      saxophon      Saxophon    
 bassoon fagotto       basson       Fagott     
 contrabassoon contrafagotto    contrebasson    Kontrafagott   
 
 horn corno        cor         Horn      
 natural horn corno naturale   cor simple     Waldhorn    
 trumpet tromba       trompette      Trompete    
 cornet cornetta      piston       Kornett     
            (cornet a piston)
 trombone trombone      trombone      Posaune     
 tuba tuba        tuba        Tuba      
 
bass drum gran Cassa grosse caisse Grosse-Trommel
bells campanelli jeu de timbres Glockenspiel
brush berghe brosse Besin
(wire or twig) (Rute)
castanets castagnetta castagnettes Kastagnetten
chimes campani cloches Glocken
cymbals piatti cymbales Becken
(cinelli) ..
street drum tamburo militare tambour-militaire Militare-Trommel
(field drum)
gong tam tam tam-tam Tam-Tam
(tam-tam) _
ratchet raganella crecelle Handratsche
slap stick frusta fouet Peitsche
(whip)
sleigh bells sonagli grelots Schellen
side drum piccolo cassa caisse claire Kleine-Trommel
(snare drum)
sticks bacchetta baguettes Schlagel
(mailloches)
tambourine tamburo basco tambour de basque Becken Tambourine
tenor drum tamburello tambourin(provencal) Tamburin
(tabor)
timpani timpani timbale Pauken
(kettledrums)
triangle triangolo triangle Triangel
xylophone silofono xylophone Holz und
Strohinstrument
woodblocks legno bois Holz

 harp arpa        harpe        Harfe      
 piano pianoforte     piano        Klavier     
celesta celesta celesta Celesta
organ organo orgue Orgel
 
 violin violino       violon       Violine     
                      (Geige)
 viola viola        alto        Bratsche    
 violoncello violoncello     violoncelle     Violoncell   
 double bass contrabbasso     contrebasse     Kontrabass   
 

【2】編成別曲目分類

主な作曲家の曲を、大まかに分類してみました。何かの参考にしてください。
 

  (1) 二管編成の曲を多く書いた作曲家・主要作品

 ハイドンの時代から、ブラームスあたりまで、ほとんどの交響曲がこの編成です。

 ハイドン・・・初期は、バロック形式の「弦楽合奏+ソロ」という形の曲が多く、中期以降の交響曲が、殆どこの編成です。
 モーツァルト・・・やはり、初期−−中期は、小さい編成で管の数も少ないものが
多いですが、後期の有名な交響曲・オペラ・協奏曲は、ほとんどこの編成です。ただし一部の楽器が欠けているものが多く、完全な二管編成のものは少ないです。
 ベートーヴェン・・・主要なオーケストラのための曲は、ほとんどこの編成です。
交響曲では、4番がフルートが1本欠けている他は、ほぼ完全な二管編成です。ベートーヴェンあたりから、トロンボーンがかなり使われ始めます。交響曲では、5、6、9番で、用いられています。
 9番は、御存知のように、合唱とソロの加わった特殊な編成になっていますね。打楽器もいろいろ登場する、始めての交響曲です。
 シューベルト・・・主要なオーケストラのための作品は、ほとんど全て二管編成です。有名な「未完成」「グレート」には、トロンボーンも使われています。
 シューマン・メンデルスゾーン・ブラームス・ドボルザーク・チャイコフスキー
交響曲については、概ね二管編成です。チャイコフスキーの場合は ピッコロが加わるのが普通 です。トロンボーンは普通に使われるよ うになり、テューバが加わることも多くなります。打楽器も、ティ ンパニだけでなく、色々な楽器が登場するようになります。
 比較的古い時代の交響曲としては、あとベルリオーズの「幻想」フランクのニ短調の交響曲なども、この編成です。ただし、「幻想」は、ファゴットが4本という変わった編成です。

 その他・・・・ビゼーの「アルルの女」「カルメン」
リムスキー・コルサコフ「シェヘラザード」
リスト「レ・プレリュード」などなど
ストラビンスキー「火の鳥(1919)」
ヨハン・シュトラウスのワルツ・ポルカなども、もともとの曲の形は小さいものが多いのですが、現在ではほぼ二管の楽譜を使って演奏します。

  (3) 三管編成

交響曲以外の例・・・オケだけのための曲だけではなく、それ以外の形の曲にも、三管編成がよく出てきます。代表的な曲に、チャイコフスキー「くるみ割り人形」やストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ(1947年版)」などをあげておきましょう。またワグナーも、三管編成以上 で、多くの曲を書いています。
ワグナー・・・二管+α 「タンホイザー」Ov. 「マイスタージンガー」 Ov. 等
三管+α 「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死 「パルジファル」Ov. など
四管+  「ワルキューレ」など
ドビュッシー・・・「海」などがこの編成です。
ブルックナー・・・交響曲はほとんどが二管か三管です。後期になると、金管楽器
        が多くなる曲もあります。
ショスタコーヴィッチ・・交響曲第五番、十番など、多くの交響曲がこの編成です。

  (4) 四管編成、それ以上の特殊な編成

 この大きさ以上になると、もはや決まった形はない、と言っても良いかもしれま
せん。木管楽器も金管楽器も、使われている本数もばらばらですし、「アルトトロ
ンボーン」「ワグナーテューバ」「アルペンホルン」「アルトフルート」などなど
滅多にお目にかかれない楽器を使っている曲もあります。
 一応、このスタイルの曲を書いている作曲家をあげて、若干の例をあげておきま
しょう。

R.シュトラウス・・・「ティルオイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」「英雄の生涯」など、多くの曲がこれ以上の編成で書かれています。「英雄の生涯」の編成は、四管 (ただし, Hr8, Tp5, Trb3, Tub2) 打楽器いっぱい(^_^;)弦五部 (ただし Vn1.16, Vn2.16, Va.14, Vc.12 Kb.10)と指定してあります。また、「ツァラトゥストラ」では、バヨリンが8パートに分かれて書いてあります(^_^;)
ストラヴィンスキー・・意外なことに、代表作で大きい編成のものは、「春の祭典」
位です。この曲の説明は「ひろこさん」におまかせします(^_^;)
マーラー・・・交響曲第1番「巨人」からして四管編成ですが、極めつけ、「千人の交響曲」を取り上げておきましょう。表題にあるように千人とまではいきませんが、ほぼ 400人以上のオケと合唱による大交響曲です。

 

 【3】ドレ会へのお誘い・・・公式バージョン
 

ドレ会は、楽器を始めたばかりの初心者や長らく楽器から遠ざかって
いたリハビリ組を中心に「少しでも弾けるようになりたい」「僅かでも
合奏の楽しさを味わってみたい」「ひとつの曲を何度も練習して、何と
か形にしてみたい」という目的を持って練習オフをしています。そして、
このような初心者やリハビリ組の思いを理解し、応援してくれてるベテ
ラン陣(通称「助けっ人」と呼ばれる)に支えられて成り立っています。

楽器を始めたばかりの人、これから始めようと思っている人、昔とった
杵柄を復活させようと考えている人、ご自分のノウハウを惜しみなく私
たちに提供してくださる人、ただただもう楽器を弾くのが大好きな人、
どなたでも気軽に参加してください。

                          マネージャー KEI