ものがたり

 みるくは人間のお母さんと暮らしている白ネコの女の子です。
みるくはいつも思っていました。
「風になって自由に空を飛びまわりたいな」 って。

 クリスマスイブの夜、風の精霊ルピアさんは、みるくの強い
願望にひきよせられてみるくの部屋を訪れます。ルピアさんを心配して
後を追ってきた風の大王さまに、みるくは喜びの<赤い星>と、
悲しみの<青い星>をプレゼントされます。

 みるくは<赤い星>を使って風のように空を飛び、幼なじみの
黒ねこさんに会いに行きます。

 降り立った所は一面のゆうすげの花畑でした。そこでみるくは
不思議な魔法を使う<風の版画家>に出会います。
 そして・・・ 黒ねこさんとの別れ。
みるくはやさしい黒ねこさんの、深い悲しみを知りました。


 青い星は<悲しみの星>、もう二度と逢うことのできない人に
一度だけ逢うことができます。
みるくは<風の岬>で過ごした、幸せだった日々の思い出を胸に、
おとうさんに会いに遥かなる国へ旅立ちます。

 長い旅路の末やっとおとうさんに会えることが
できました。
「おとうさん!」
「みるく!」
あとはもう言葉になりません。
 おとうさんは、みるくが泣き止むのを待って散歩に連れ出しました。
林をぬけると、そこには海が広がっていました。
海の色は暗く、波間にはたくさんのホタルが飛んでいました。
みるくはそこで、おとうさんが亡くなった後、なぜおかあさんが
元気になれたのかを知りました。

 みるくはおとうさんと約束しました。
「おとうさん」
「ん?」
「みるくはおかあさんと一緒におとうさんの分まで幸せになるよ」
「そうだね、いっぱい、いっぱい幸せになっておくれ」
そう言ったおとうさんの手は、とても温かでした。



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