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このAptivaH55は、巨人IBMが最新の技術を駆使して世に送り出したパーソナルコンピューターです。Pentium166Mhz、3Dグラフィックボード、新型サウンドボード、USBコネクターなど、最新であり、なおかつ充分に次世代の標準になりうる充分なスペックを備えた高級機種と言えるでしょう。しかし、世界のパソコンの標準機が「IBM-PC/AT互換機」と言われながら、当のIBMにとっては決して恵まれた物ではありませんでした。ここで、このAptivaに至るまでのIBMのパソコン事情について軽く触れたいと思います。
IBMが初代パソコン「IBM-PC」を世に送り出したのは、1981年の事です。当時のパソコン事情としてはAPPLE(MacじゃなくってApple II)が全盛で、ちょうどビジネスシーンにおいてパソコンが使われ始めてきた頃です。そのころのIBMといえば、主に大企業相手に大型コンピュータの分野で商売をしていました。そんなIBMが、技術の進歩と市場の動向からパソコンの分野に進出してきたのは極自然な事と言えます。
しかし、なるべく早い時期に発売を決めたIBMにとって、全て自社開発を行ったのではとても間に合いません。そこで、製品の仕様を全て公開するという「オープンアーキテクチャ方式」を採用する事によって、必要な部品の大部分を他社に開発してもらい、早期の発売にこぎつけて大成功を納めました。
その後1983年には後継の「IBM-PC/XT」を、1984年には「IBM-PC/AT」を発売し、事実上の標準規格ができあがりました。
さて、それまで順調に伸びてきたIBMに節目が訪れます。このPC/AT、規格を全て公開しているため、周辺機器はおろかパソコンの土台とも言えるマザーボードさえも他社に互換機を作られてしまいます。それはそれで悪いことではないのですが、IBMにとっては自社の製品でなくとも、部品とOSさえ集めれば全く同じ性能のパソコンができあがってしまうので、とてもいい気持ちとは言えません(おかげで、当時標準のOSだったMS-DOSの発売元のマイクロソフトは巨万の富を得て今日に至っています)。
そんな状況を快く思わないIBMはある日方向転換を決意しました。1987年に発売した「IBM-PS/2」は、基本仕様を改良して高性能パソコンとして発表されましたが、その内部仕様は一般には公開されず、周辺機器メーカーにさえも有償としました。それまでATで標準だった拡張バスの規格ISAバスを廃止して、最新鋭のMCAバスを採用したため、ハードウェアレベルでの互換性はほとんど無くなりました。ビデオボードからして拡張バスに搭載するAT機ですから、この変更は致命的と言えます(なお、ソフトウェアについてはある程度の互換性を保持しているようで、私の所属する研究室の奥底に眠るPS/55などは、ちゃんとDOS/Vが動いていますが、中を空けてみるととてもAT機とは思えません。このあたりに、完全には「DOS/V機=AT互換機」と言い切れない由縁があります)。
当然、多くのハードメーカーにこのような態度が受け入れられるわけはなく、IBMに対抗すべく結束してEISAバスなるものを発表し、AT互換の道を進んでいきました。過去の巨人の栄光だけを持つPS/2と、今までの膨大な実績と利用者を持つAT互換機、どちらに軍配が上がるかは言うまでもないでしょう。IBMのパソコン市場におけるシェアはみるみる下がって行きました。
結果として、現在ではどちらのバスも標準では利用されていません。Pentiumに特化した高性能なPCIバスが登場したこともありますが、それでもATの標準バスであるISAバスは今でもPCIと併用されています。あれだけ態度を硬化させていたIBMですら、このAptivaなどではしっかりISAバスを復活させており、一時期は「IBMの作ったIBM互換機」なんて言われたこともありました。
このような歴史をくぐり抜けてきたIBMですが、このAptivaを使う上では普通のAT機として扱っても問題はありません。しかし、ホビー向けパソコンにここまで最新技術を他社に先駆けて採用するところを見ると、未だに巨人の魂は健在と言えるでしょう。
それでは、このマシンの設定を紹介します。
| メーカー | 型番 | 備考 | |
| 本体 | IBM | Aptiva H55 | メモリ32MB |
| CPU | Intel | Pentium | 166MHz |
| グラフィックカード | ATI | 3D RAGE | |
| サウンドカード | MWave | (FreeBSDでは未使用) | |
| ハードディスク |
2GB
1.2GB | IDE接続 | |
| CD-ROMドライブ | ATAPI接続 | ||
| キーボード | 109タイプ | ||
| マウス | (標準添付) |
2ボタン
PS/2タイプ | |
| ネットワークカード | Allide Telesis | LA-ISA |
PnP対応
NE2000互換 |
| SCSIカード | Adaptec | AHA-1520B |
PnP対応
ISAバス |
| MOドライブ | Logitec | LMO-400 |
このAptivaで、FreeBSDの/homeのバックアップを取ろうとMOを付けてあります。SCSIカードには上記の物を使用していますが、これはPnPには対応しているもののISAバスにPIO転送という1〜2世代前の代物です。これから購入を考えている人は、是非ともPCIバスの高性能なカードを用意しましょう。SCSIデバイスからブートしないのならASUSのSC-200がお薦めという話です。
なお、マウスについては近々3ボタンのものに変える予定です。
ハードディスクの分割は、以下のようになっています。
| 容量 | Mount Point | 備考 | |
| wd0s1 | 2012M | windows95(C:) | |
| wd1s1a | 158M | / | |
| wd1s1b | 64M | SWAP | |
| wd1s1e | 1000M | /usr |
もはや、弁解の余地はありませんね。本格的な運用を考えている人は、参考にならないと思います。なお、各ホームディレクトリは、/usr/homeにあり、/homeからリンクを張っています。
また、このバージョンのFreeBSDでは、このような2台目からのハードディスクからでも正常に起動できました。
FM-V編で述べましたが、PnPはまだまだ過渡的なもので、下手をすればシステム全体を破壊しかねない恐怖の存在です。私は、このAptivaにネットワークカードを導入する際に見事に飛ばしてしまいました。
思い出すのも落ち込むので、詳細には述べませんが、windows95において、どうしても全く別のカードとしてしか認識してくれないのです。当然そのカード対応のドライバがインストールされる訳ですが、その後ハングアップして、起動しなおしてももはやブート不可能にまでなってしまうのです。
FreeBSDの専用マシンにするのならそれでもいいですが、そう言うわけにもいかなかったので、windows95を再インストールして再起動しました。が、またもや誤認識してまた飛んでいってしまいました。結局3〜4回繰り返した後、PnP を切って挑戦したら、簡単に設定が終わってしまいました(設定の具体例はFM-V編を参照)。
教訓。ISAバスのPnPは信用しないように。
そんなんですから、SCSIカードについてもPnPを切って導入しました。噂では、SB16のPnP対応版も設定にかなり苦労するようで・・・
さて、いよいよインストールですが、もはや書くべき事はなかったりします。このバージョンのFreeBSDではちゃんとATAPIのCD-ROMドライブを認識してくれましたし、2台目からのハードディスクからもしっかりブートしてくれますので、旧バージョンにあったインストール時の問題はほぼ解決されたと言っていいでしょう。
我々に残された唯一の問題は、インストールフロッピーのブート時のデバイスの設定ぐらいのものでしょう。詳細はVintage486編を参照願いますが、これはPnP未対応の特権と思ってありがたく設定しましょう。USB等が標準になってPnPが正常に作動するようになれば、FreeBSDでもサポートが始まるかも知れません。その前にISAバスのPnPを何とかしなければならないのですが・・・
インストール後の設定については、FM-V編をご覧下さい。
で、終わっても良いのですが、それではあまりにも手抜きなので、またまた追加分という事で記述していきます。
device psm0 at isa? port "IO_KBD" conflicts tty irq 12 vector psmintrのように記述してカーネルを再構築すると利用可能になりますが、2ボタンと言うことでちょっとした設定が必要になります。
Emulate3Buttons Emulate3Timeout 50のように書いておきます。実際に使用する際には、マウスの中央ボタンは、左右のボタンを同時に押すことにより実現できるようになります。
なんとか設定を終了する事ができました。が、OSのインストールはこれから始まる遥かな戦いの序曲にすぎません。先日もfvwm95のインストールに赴きましたが、パッケージに敗れ、ソースからコンパイルすることになりました。こういう時に今までに誰かが行った記録があってこそ、比較的容易にインストール出来ます。
このAptiva編で第一期工事は終了しますが、「このドキュメントを見てインストールが成功したよっ」て人がいれば、私としてもとても幸せです。って、すぐに第二期工事を始めますけど。
最後に、設定ファイル集を ここ に置いておきます。