FreeBSD 2.1R on Vintage486編


目次



What's that?

 上の写真のマシンをご覧ください。5インチベイしかないミドルタワー、時代遅れの5インチディスクドライブ、SCSI接続のCD-ROMドライブ、中身を探れば486DX2/66Mhzに1枚1MBの30pinSIMM8枚で8MBという、現在では考えられないスペックのVintage486。さて、このマシンはいったい何者なのでしょう。

 「このマシンの詳細がよくわからないから、誰か教えて!」とここに書いておいたのですが、先日このページを見てくださった方からメールを頂き、JCS(日本コンピューティングシステム)のショップブランドであることがわかりました。川原田さん、奥原さん、ありがとうございました(__

 このマシンは、おそらく4〜5年ほど昔の物と思われ、発掘される(?)までは、すでに管理者の卒業した身寄りのない謎のマシンとして眠っていました。そこで、ディスクの増設を期に「せめてrloginして端末として使えるようにしてやろう」という考えの基にFreeBSDをインストールしたわけです。

「古いマシンを復活させたい!」という人には、参考になる・・・かもしれません。


システム構成

 それでは、このマシンのシステム構成を以下に示します。空欄の部分は、不明か調査が足らないものとして解釈してください。

メーカー 型番 備考
本体   Vintage486 メモリー8MB
CPU Intel i486DX2/66MHz  
SCSIカード Adaptec AHA-1542  
グラフィックカード   ET-4000  
サウンドカード   SB16(?) FreeBSDでは未使用
ハードディスク   (340MB)
(240MB)
IDE接続
SCSI接続
CD-ROMドライブ     SCSI接続
ネットワークカード Long Shine LCS-8634TBA NE2000互換
キーボード     101キーボード
マウス     3ボタン

 恐らく当時としては最高のスペックを持ったマシンだったのでしょうが、栄華盛衰、奢れる者も久しからずと言った感じです。特にネットワークカードが搭載されていたことがなによりの救いです。研究室の奥底にはもう1台PS/55が眠っていますが、ネットワークに接続できない上に設定ディスクも行方不明の為、現在置物状態になっています。

 なぜかIDEとSCSIに分かれているハードディスクの分割は以下のようになってます。

容量 Mount Point 備考
wd0s1  300M  /dos MS-DOS
wd0s2   40M   MS-DOS
sd0s1a  209M  /  
sd0s1b   24M  SWAP  

 分割の仕方については、特に問題はないと思われます。「FreeBSDにはSCSIを割り当てて、余ったIDEはDOSにくれてやる」とは、一部では鉄則にも勝る常識として広く認識されていますし、これぐらいの容量でしたら、細かくスライスして分割するよりroot1つにまとめた方がなにも考えなくてもいいので楽です。

 あえて言えば、SWAP容量ぐらいです。SWAP容量は実メモリの2倍が適切とされていますが、なにかの拍子にメモリ空間が不足するとまずいので、あえて24MB取ることにしました。SWAP容量は多くても問題はないのですが、特別な理由がない限り実メモリの2倍以下にするのはやめましょう。ちなみに、SWAP容量が実メモリ容量を下回ると、FreeBSDは正しく作動しなくなるはずです。

 タネを明かしますと、実はこのSCSIドライブはMacに付いていた物です。Macに1GBのハードディスクを付けるに際し、お払い箱寸前になっていたこのハードディスクが回ってきて・・・というのが事の真相です。皆様も身近に大がかりな新機種導入などの動きがあれば、それに関する情報をできるだけ仕入れるようにしましょう。何かいいことがあるかもしれません(^^


インストールの前準備

 では早速インストールをしていく訳ですが、インストールの難易度は次のようになったと言うことをまず述べておきます。

Vintage486 < FM-V ≦ Aptiva

 この根拠ですが、これはほとんどインストールの前準備にどれだけ手間をとられるか、と言うことです。前準備さえ終了してしまえば、インストールの手間は同じと見なしてかまいません。「今まである程度作動していた枯れた環境のVintage486」「比較的ポピュラーで最大公約数的設定のFM-V」「最新の拡張ボードで我が道をゆくAptiva」と補足をつければ、上記の関係は納得してもらえるものと思います。

 但し、「FreeBSDを使うなら、AptivaよりFM-Vの方がいいよ」とか言っているのではありません。実際のインストールにかかった時間はAptivaの方が遥かに短時間で済みましたし、Aptivaのインストールに手間取った最大の理由は、「試行錯誤に失敗して何度もハードディスクをフォーマットするはめになった」という主観的なものなので、一般には件の公式は当てはまらないかもしれません。なにより、一度基本設定さえしてしまえば、あとはFreeBSDでもwindows95でもインストール&OSの設定はどのマシンでも大差はないので、マシン間、特に同時期のマシン間の比較はほとんど意味をなさないと思ってもらって結構です。

 当然、ここで扱うVintage486は数世代前の機種なので、最新機種と性能の面で比較するのは残酷と言えます。ただ、OSのインストールの面から言えば、こういった「枯れた」マシンの方が不都合に遭遇しにくいというのは当然なので、あえて最も容易としました。

 ただ、「じゃあ、今からこのマシンを買ってきて同じように設定しよう」とする場合は、難易度は間違いなくトップクラスに入るものと思われます。ここで対象にしているのは、「あらかじめちゃんと作動しているVintage486」なので、もしかしたらかなり卑怯なランク付けなのかもしれません。このあたりのジレンマは、構成に依存する執筆事情として、笑って読み流していただければ幸いです 。

 では、インストールの前準備に取りかかりましょう。ここで行うべきことは、対象マシンの状況把握で、主に拡張カードの種別、I/Oポート、IRQなどを書き留めておくことです。これらの意味については省略しますが、「ソフト側とハード側で同じ設定にしてやらないとうまく動かない」とだけ言っておきます。

 よくわからないなら、本体の蓋を開けてカードのジャンパ線を見るなり、windows95が使えるなら「コントロールパネル−システム−デバイスマネージャ」を見るなりして調べてください。なお、プラグ&プレイ対応の機材を使っている場合は、FM-V DESKPOWER編で紹介します。

 今回のマシンでは、このようになっています。

 ここで、デバイス名については、hardware.txtを参考にしてください。

 さて、一通り調べものが済んだら、その紙を片手にhardware.txtを見てみましょう。「FreeBSD GENERIC kernel」なるところに、標準で使用できるデバイス一覧が載っています(但し、グラフィックカードについては別のところに載っていますので、今は気にしないでください)

 使用しようとするデバイスの記述が見つかったでしょうか。そして、対象マシンの設定が、そこに書かれている標準の設定と同じでしょうか。もし同じなら、そのままインストールに進んでもらって結構です。しかし、違っている場合は、インストーラーすら正常に起動しなくなる恐れがあります。

 今回使用するデバイスの標準設定は以下のようになっています。

     Port IRQ DRQ IOMem Description
---- --- --- ----- ---------------------------------
aha0 330 dyn 5 dyn Adaptec 154x SCSI controller
ed1 300 5 dyn d8000 Novell NE1000 & NE2000


 SCSIカードについては、I/Oポート番号は一致していますし、IRQも「dyn」とあるように、起動時に自動的に設定してもらえるようなので、特に問題はないようです。しかし、ネットワークカードについては、I/Oポートは一致していたものの、IRQが違っていることがわかります。

 この解消法は、ハード(拡張カード側)の設定を変える方法と、ソフト(FreeBSD側)の設定を変える方法の2種類があります。しかし、下手にハード側の設定を変えると、インストールどころではなくなる場合があるので、普通はソフト側で調整するようにします。幸いFreeBSDには、起動時に設定を変える機能があるので、これを用います。


インストール

 いよいよ、インストール本番です。フォーマット済みの1.44MBのフロッピーを用意して、bootフロッピーを作成してください。具体的には、rawrite.exeを使用して、イメージファイル(boot.flp)と、書き込みするフロッピーディスクのドライブ名を指定してやればOKです。なお、余裕があれば、Fixフロッピー(fixit.flp)も作っておきましょう。幸い私はお世話になったことはありませんけど。

 その後、bootフロッピーをドライブに差し込んで再起動すればインストール開始となるわけですが、もし前節のように起動時に設定が必要の場合はちょっと注意が必要です。

 この設定が必要な場合、起動した直後に「Boot:」のようなメッセージが現れて入力待ちになりますが、ここで素早く「-c」を入力してください。もたついていると、勝手に先に進んでしまうので、最初の「-」だけでもすぐに入力しましょう。

 その後「config>」なるプロンプトが現れて入力待ちになったら、「visual」と打ち込みましょう。そうすれば、メニュー形式でわかりやすい(?)設定画面が現れます。

 この画面での操作については、説明の必要はないでしょう(と、ドキュメントにも書いてあります)。要は、使用したいデバイスのI/Oポート番号やIRQを、前準備で調べたように書き直してやればOKです。

 インストーラーさえ正常に立ち上がってしまえば、この先は特に問題なくインストールできるはずです。あえて特筆すべきは、「カーネルソースは必ず入れよう」ぐらいですか。


インストール後の設定

 インストール後の設定については、どのマシンもほとんど違いはありませんが、98版とAT版でのは多少の違いがあるため、もう一度ここでおさらいします。


このマシンのその後

 これで、とりあえずFreeBSDが使えるところまできたと思います。あと、XFree86の設定などもありますが、このあたりは設定ファイル集を見て下さい。と、言っても、特に手でいじったわけではないのであまり参考にならないこと請け合いです。

 この後、xdm入れたりプリンタの設定をしたり、sambaを入れたりと、しっかり役目を果たしてくれています。卒業研究の追い込みの季節になると人数の多い研究室では端末の数が足らなくなることは確実なので、自己防衛の手段として古いマシンで専用端末を確保しておくことは大切かもしれませんね。


 では最後に、設定ファイル集をここに置いておきます。


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