性教育の実践
すべての子どもたちに豊かなセクシュアリティを
☆2001年度の実践☆
- 実践の対象:小学校1年生 10人
- 実践時期:2001年12月〜2002年2月
- ねらい
- 性器も含めて、「からだっていいもんだ」という感じ方ができる。
- 男女の性器(主に外性器)の違いを理解し、男でも女でもない性の存在を知ることができる。
- 性器の働きを知り、大切にする(清潔にする)方法を理解できる。
- 自分たちの潜在意識として育ちつつある、ジェンダーバイアスを問い直し、ジェンダーフリーの意識をもつことができる。
- 授業の流れ
- 事前アンケート
- 『からだっていいな 1』【12/3】
- からだをつかったふれあいあそびをする。感じたことを確認する。
- 「てくてく歩いていったら」
- 「指相撲」
- 「一本橋こちょこちょ」
- 指先や手で感じられたことは何?
- 友だちやおうちの人と身体を触れ合うと気持ちいいね。
- からだの各部分の名称、働きを考え、大切さを認識する。
- ここは何という名前の所ですか?
- どんなはたらきをするところですか?
- 『からだっていいな 2』【12/6:参観授業】
- 男の子と女の子の違いをみつける。
- どちらが男の子かな? どちらが女の子かな?
- 女の子と男の子と一緒だよということを発表しましょう。
- それじゃ、違うところはどんなところかな?
- 本当にそうかな?
ねっ。「絶対に違うよ」というのは、おちんちんがあるか、ないか。???
- 女の子にはおちんちんがないのかな?
- 性器の働きについて知る。
- おちんちんって何するところですか?・・・おしっこするところ。
- だから、女の子にもおちんちんがある。だって、女の子もおしっこするもんね。
- おしっこするところはあるんだ。少し大きくした絵で見てみよう。
- 女の子のおちんちんは、見えにくいだけで、ここにあります。ここからおしっこが出てきます。
男の子は、こんなふうに出ているから立っておしっこができます。女の子は、できませんね。

ところで、みんなは男の子か女の子かどちらですか? その他の人は? 世の中には、男でもない女でもない人がいます。生まれたときからそういうからだになっている人もいます。世の中は男か女しかいないなんて思わないでくださいね。
- さて、おちんちんにはもう一つ大事な役割があります。なんでしょう?
命を伝えるはたらきです。
男の子は、大きくなると、おちんちんの中の見えないところで、赤ちゃんのタネをつくります。
女の子は、おちんちんの中の見えないところに赤ちゃんのたまごを持っています。そして、その近くには、赤ちゃんを育てる部屋を持っています。
- さあ、おちんちんについてどんなことがわかったか、分かったことや思ったことを書きましょう。
- 『たいせつなからだ』【12/21】
- 性器を含めたからだを清潔にすることを学ぶ。
- みんなのからだは、大切だってこと、もうわかったよね。
- 大切にできないことがいろいろあるよ。
どんなこと?
自分でしちゃうことでは?
- 今日は、その中の自分のからだを自分できれいにしておくことについて考えよう。
- 汚れやすいところはどんなところかな?
シールを貼ってみよう。
- どうやってきれいにしたらいいかな?
- じゃ、お風呂に入ったときのこと、やってみよう。
- おチンチンは洗いましたか?
洗わなくてもいいんですか?
そうだね。洗わないと、ばい菌がたまっていたり汚れがとれないよね。そのままにしておくと、赤くなって腫れたり、痛くなったりするよ。
- どんなふうに洗ったらいいかな?
女の子と男の子ではちょっと違うよ。
男の子は、先のところもきれいに洗ってね。(タオルで巻いたペットボトルをペニスに似せて指導)
女の子は、石けんを使わなくてもいいよ。(女性の養護教諭が指導)

男の子も女の子もおちんちんはとっても大切なところだし、とてもデリケート。やさしい柔らかいところだから、やさしく洗ってね。
- それじゃ、長湯しちゃったからそろそろ出ましょう。
ちゃんとふくんだよ。
- 今日の勉強でわかったこと、これから気をつけようと思ったことをかきましょう。
- 『おんなじ』【1/31】
- 各々に潜むジェンダーバイアスをさぐる 1
- 服やおもちゃに自由に色を塗ってみよう
※潜在意識を出させるために、各自の発想に任せるようにする。
- 色塗りしたものを、女の子と男の子に分けてみよう

- 『いろ・イロイロ』【2/5】
- 各々に潜むジェンダーバイアスをさぐる 2
- みんなのハンカチを広げて見せてください。
どんなハンカチかみんなに説明してください。
- このキティちゃんのハンカチと、このドンキーコングのハンカチと替えっこしてもいい?
※女の子のハンカチと男の子のハンカチを替えっこする。
- イヤなわけを聞かせて
「キティちゃんは女の子らしいから」
「女の子の好きなキティちゃんだから」
「男の子はキティちゃんが嫌いだから」
「女の子はドンキーコングがあまり好きじゃないから」
- このマーク、どっちが男で、どっちが女かな?
- マークに自由に色を塗りましょう。
- 「女の子のもの」「男の子のもの」と思うものを探しましょう。
- 『どうなんでしょう』【2/7】
- 今までに身につけてきたジェンダー意識を揺さぶり、ジェンダーフリーの意識に気づかせる。
- ハンカチの替えっこのときの「わけ」・・・どうなんでしょう?
- 「男はキティが嫌い」について、どうなのかな?
「キティはかわいいで、好きなんやけど、見せると、『なんで、女の子の、もっとるの?』って言われるから」
「女の子らしくて、ぼくが好きではないから」
- 女の子らしいってどういうこと?
「女の子のもの」「人形とか、リボンとか」
- まとめると、「みんなから『なんで』とか言われるから」ということと「女の子らしいから・男の子らしいから、イヤ」ということだね。また、後で、考えてみよう。
- マークの形、男と女とわけたときのわけは?
「トイレで見たから」
「スカートみたいだから」
- マークの色、ほとんどの子が「男用に青、女用に赤」と塗っていたよ。どうして?
「女は赤やピンクが好きで、男は青が好きだから」
- 本当にそうですか?
「ちがうよ。ぼくは赤色好きやモン。」
「私は水色が好きやよ。」
- でも、ランドセルはなんで、女の子みんな赤色で、男の子は黒なの?
「5年生や6年生のみんながそうやでさ。」「本当はぼくは緑がよかったんやけど…」
- ということは、「好きな色は人それぞれ」「“男らしい色”“女らしい色”はない」ということだね。
- 「女の子のもの」「男の子のもの」というのも、どうかな?【通信111参照】
- 本当に「そう」というものは、少ないよね。
- 『女なんだから…男なんだから…』【2/14】【通信114参照】
- 「女だから〜(女のくせに)」「男だから〜(男のくせに)」と言われた時の心情を考え、周囲からの判断で自分を決めつけられるのではなく、自分の意志を大切にしようとすることの大切さに気づく。
- 「女だから〜(女のくせに)」「男だから〜(男のくせに)」と言われたときのことを思い出そう。
「ない」
「女の子なんだから、もうちょっとやさしくしなさい。」
「女の子なんやで、ゴミかたづけなさい。」
「女の子なんだから、りょうりしなさい。」
「女だからお手つだいしなさい。」
(おりがみでドラゴンをつくっていたら)「男じゃないんだから、人ぎょうつくれよ。」
「男のくせにじてん車にのれんのか。」
- そう、言われたとき、どう思いましたか?
「やらなくっちゃいけない。」
「いいよ。がんばるから。」
「お兄ちゃんもたまにはやってよ。」
「男だから、自転車ぐらい乗れなきゃ恥ずかしい。」
- 女の子だったら、自転車に乗れなくても恥ずかしくないのかな?
- 「女だから〜(女のくせに)」「男だから〜(男のくせに)」というのはないんじゃないかねぇ。
- 女の子が坊主頭だったら、どう? 男の子が髪長くして後ろでしばっていたらどう?
「ダサい」「ぶさいく」
「いいんやけど、きらわれる。」「恥ずかしい。」「笑われる。」
「ダメとは決まっていない。」
「自分ではいいと思っているんや。」
- そうだね。自分ではいいと思っていることが大切だね。
- 『自分らしく生きる』
“人間と性”教育研究協議会のページへ
岐阜“性教協”のページへ
