●無垢の家づくり
今年、埼玉住まいの会では「無垢の家づくり」をテーマに掲げ、オープニングの公開講座から四回の連続講座を開講しました。素材や価格、工法、環境などのサブテーマのもとに住まいのあり方をあらためて見なおして見ようという試みでした。
講座のテキストづくりや講座においての参加者との意見交換を通じて私自身、現在の住まいづくりについて考えさせられることがたくさんあることを痛感しました。多くが三十年前後で建て替えられている現在の住まいですが、百年以上も前に建てられている民家の中には現在も大切に住まわれている家もあります。この違いはどこからくるのでしょうか?百年前につくられた住まいが現代の生活様式に合っているとは思えません。それなりに手を入れて壊さず現在も住みつづける理由はどこにあるのでしょうか?
愛着の持てる住まいづくり、傷んでも壊してしまうのではなく、大切に修理して使いたくなるような無垢の素材による本物の住まいづくりにつきるのではないかと私は考えます。親から子へ、子から孫へと引き継げる住まいづくり。これは間取りや設備の使いやすさというよりは長い年月に耐えきれるボリュームを持った無垢の素材、それによって構成されるシンプルであるがダイナミックな空間の魅力に負うところが大きいのではないかと思います。
その中で営まれる生活の思い出を大切にして、手を入れながらも次の世代に引き継ぎたいと住まい手に思わせるような家づくりを目指せればと思っています。