KAIBUTSU×MONTY

●INDEX● ●OTHERS● ●ULALAND●

 「モンティ・パイソン」。誰でもどこかで一度は耳にした言葉だと思います。

『空飛ぶモンティ・パイソン(MONTYPYTHON'S FLYING CIRCUS)』とは、イギリスの国営放送局・BBC

テレビジョンで1969年から放映された、従来とは
趣の異なったコント番組です。

その人気はイギリス国内だけにとどまらず、全45話からなる番組のフィルムは世界中に輸出され(※1)

現在では伝説のコント番組とさえ言われています。

(モンティ・パイソンについて詳しい事を知りたい方はPYTHONIPPONのサイトをご覧ください)

 
 日本では1976年に東京12チャンネル(現・テレビ東京)で放映が始まりました。これは当時の若者たち

に多大な影響を与え、後に彼らがテレビ番組や演劇等の送り手として活躍するようになると、各メディアで

モンティ・パイソンの影響が見受けられるようになりました
(※2)

ウソップランドの構成作家の一人・石塚千明さんもその世代で、

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 「モンティ・パイソン」はもちろん意識してました。あの当時は、外国のコメディやパロディ番組として「モンティ・

パイソン」と「サタディーナイト・ライブ」が二大勢力を誇っていました。
(※3)

(モンティの方はテレビのレギュラー番組でやってましたが、サタディーの方は確かビデオが出回ってたと思い

ます)

「ウソップランド」も含めて当時の日本のコメディ番組は、必ず両者と比較されましたが、「ウソップ」は圧倒的に

「モンティ」に似てると言われてました。

僕個人としても、トーク芸中心でアメリカ的な「サタディー」より台本勝負でイギリス的な「モンティ」の方が好き

でした。

もう忘れちゃったけど、「モンティ」からいくつかパクッたネタもあったと思います。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

と述懐されています。

 

 既存の笑いとは違ったものを目指したモンティ・パイソンと、笑いを演劇手法の一つとして見出した

怪物ランドによるウソップランド。スタンスは多少違い
ますがどちらも笑いの歴史にその名を刻み、

そして現在も根強いファンを持つ
両者。

ここでは、モンティ・パイソンとウソップランドの共通点についてちょっとだけ考えてみます。

 
●テレビ脅迫電話

 モンティ・パイソンの第18話(第2シーズン第5話)と劇場作品『アンド・ナウ』のスケッチ「BLACKMAIL」は、

浮気の証拠写真やSMシーンを盗撮したフィルムを放映し、まんまと口止め料をせしめるテレビ番組のスケッチ
(※4)

でしたが、ウソップランドでは脅迫する番組側が「放送したらタダじゃおかないわよ!」と逆に脅迫されたり、

殺人現場を撮影したフィルムをめぐって証拠を隠滅しようとする犯人側と、それを入手しようとする警察が

オークションで争うといった要素がプラスされています。

 
●漂流家族

 第17話(第2シーズン第4話)での、路上に家具を置いて生活する老夫婦のスケッチと酷似。ウソップランド

ではシリーズ化され、路上だけでなく猪苗代の
スキー場(髪の毛がない赤星さんにとっては地獄の寒さだった

ようです)や
グラウンド(しかも平光さん演じるお父さんが草野球の試合中(笑))など、色々な場所でロケされ

ました。

 
●ザ・コレクター

 第26話(第2シーズン第13話)の「バードウォッチャーが昼ごはんとして持って来たゆで卵」の収集家の

スケッチで最後に登場する、壁に張り付けられた
「蝶の収集家」の標本が、「ザ・コレクター」の1シーンと少々

似てるかも
(ほんの少々ですけど(^^;))。

 
●作家が演者

 モンティ・パイソンは5人の英国人と1人の米国人からなるユニットで、自分たちでスケッチやアニメを作り自ら

演じていました。

ウソップランドも怪物ランドが自ら考えたネタを演じたり、コントを書いた作家さんたちが登場していました(作家

以外のスタッフも本編コントや「だってお友
達になりたかったんだもん」「今週のヤな野郎!!」等に出て

いましたけど)。

 
●おばさん

 モンティ・パイソンとウソップランドの共通点といえば、何といってもコレ。

モンティ・パイソンではおばさんの体型から「ペッパーポット(胡椒の瓶)」と呼ばれ、さまざまなスケッチに登場

していました。

 ウソップランドも番組の名物キャラである「知恵袋おばさん」をはじめ、ラブホテルでコンドームに針で穴を開け

出生率を上げる「子宝ババァ」、予告編の
「必殺仕置きおばさん」、呪われた超人バロムI(アイ)を窮地に陥れた

「職業
おばさん四人衆」や、人気者トップ10に登場した「中年の席取りババァ」等おばさんでてんこ盛りでした(笑)。

 
 興味深いのが、多くのおばさんを演じているのが郷田さんであること。もちろん平光さんと赤星さんもおばさん

役を演じていましたが、「おばさん」と
いうよりは「中年の女性」といった雰囲気なので、やはり「おばさん」といえ

郷田さんの独壇場でしょうか?(笑)

  
共通点は探せばまだあると思いますが(偉い人に「とりあえずやってみろ」と番組を任されたとか、開始時の

年齢が近いとか、色んな役をとっかえひっかえ
演じているとか)、キリがないのでこの辺で。

 
 来年は怪物ランドとウソップランドにとって、結成&スタート20周年という年です。記念イベントとか本の出版

&サイン会とかがあると嬉しいのですが、
何か動きはありませんかねぇ。ここはファンサイドから大いに盛り上げ

ていく
べきでしょうか?

 
※1

 「ユーモアが解らない」と言われているドイツ人に依頼されて、わざわざ新作を2話も作ってあげたことが人気

の証拠でしょう(『MONTY PYTHON'S FLIEGENDER ZIRKUS』)。

 
※2

 インディーズバンド「有頂天」を率いていたケラ氏は舞台でモンティ・パイソンのスケッチのカバーを上演。

(ケラ氏の事務所はシリー・ウォークと言う名前です(笑)。byまんぷさん)

 コサキンでお馴染みの関根勤氏はモンティ・パイソンに影響を受け、大学時代に友人とお笑いのユニット

「目黒五人衆」を組織しますが、まもなく解散。

88年にパイソンズの一人、テリー・ジョーンズの監督映画『エリック・ザ・バイキング』の1シーンに登用され、

同じくパイソンズのジョン・クリーズとも対面。

2人にモンティ魂を注入されたせいかどうかは判りませんが、翌年にコント劇団「カンコンキンシアター」を結成。

旗揚げ公演ではオマージュともいえるシーン
(前のコントのネタや人物が後のコントに出てくる点や、バナナを

服の中に入れて
揉み込むアクション等)を挿入しました。

 
かつてフジテレビ系で放映されていた「とんねるずのみなさんのおかげです」のオープニングはまさにモンティ

アニメのコピー。

 
ゲームの世界では、『ウィザードリィ』シリーズに劇場作品『ホーリーグレイル』に登場したモンスターやアイテム

が、『ファンタジーゾーン』に16トンの重りが
『プリルラ』にはモンティ的なコラージュのステージが登場します。

 
2002年10月から放映中のナイキのCMではモンティ・パイソンの劇場作品『ライフ・オブ・ブライアン』の

最後に流れた「Alway look on the bright side
of life」が歌われています(これはモンティというよりサッカーの

応援歌として
使われているのでしょうけど)。

 
※3

 ちなみにサタデーナイトライブは出演者がモンティファンで、パイソンズをゲストに迎えている回もあります。

またエリック・アイドルたちのビートルズパロディ『ラトルズ』も、元々はアイドルのイギリスでの番組

「ラトランド・ウィークエンド・テレビジョン」のネタだったものをSNLがテレビムービーとして作り直したものです。

けっこう関連あるんですよ、モンティとSNL。(byまんぷさん)

※4

 「スケッチ」とは英語で「寸劇」のことで、簡単に言えば「コント」。ちなみにコントとはフランス語です。

 
■参考■

テレビ『ウソップランド』

ビデオ『空飛ぶモンティ・パイソン Vol.1〜14』(ポニーキャニオン)

DVD『モンティ・パイソン アンソロジー』(ユニバーサル)

DVD『MONTY PYTHON'S FLIEGENDER ZIRKUS』(ユニバーサル)

『モンティ・パイソン ライブ・アット・ザ・ハリウッドボウル』(NHK-BS2版)

 

『ウソップランド』(青銅社)

『怪物ランドの生涯』(河出書房新社)

『モンティ・パイソン大全』(洋泉社)

『キンゴロー』『続キンゴロー』(ワニブックス)

『おぴょ2』(日音)

『ひろみと悦子』(シンコーミュージック)

                               (文責:ゆーすけ 協力:まんぷさん(@PYTHONIPPON))