タイトル
 En Garde
 (アン・ギャルド)
 販売元
 Abucus
 デザイン
 Reiner Knizia
 プレイ人数
 2人
 プレイ時間
 15分
   

「アン・ギャルド」はフェンシングと言う日本人にはあまり馴染みの無いテーマを扱った、カードゲームです。当然ながら、フェンシングである以上、2人プレイ専用となっています。私自身、フェンシングなんて完全な門外漢ですが、このゲームをやってみると、「フェンシングってこんな感じなのかな〜?」なんて思えたりしちゃうから不思議な物です。



ゲーム自体は非常にシンプルな上に、ルールがステップアップ制になっていてユーザーフレンドリーな作りとなっています。尤も、基本ルールだけではちょっとゲームとして成立しないレベルですので、拡張ルールまで全て理解する必要はあるでしょう。(以下のレビューでは、拡張ルールまで含めています。とは言え、それでも簡単なルールではありますが..。)
ソードマン ポイントマーカー

先ずコンポーネントですが、ソードマン(フェンシングのプレイヤーをこう呼ぶみたい。)を表す駒が2つと、ポイントを表すサイコロ状のキューブが2つ付属します。またカードの方には、試合場を表すフィールドカードと、ソードマンの移動と攻撃に使用する1〜5の数字が振られたポイントカードが存在します。フィールドカードを並べて試合場を作成し、ソードマンをその両端に配置し、各プレイヤーに5枚つづのポイントカードを配ったら準備完了。尚、残ったポイントカードは山札にしておきます。

プレイヤーは交互に、手持ちのポイントカードを出しながら、自分のソードマンを操作します。(使った分のポイントカードは山札から補充。)ソードマンの操作は次の通り。
ポイントカード

<< 移動 >>
ポイントカードを1枚出して、その数だけソードマンを前進/後退させます。但し、相手のソードマンを追い越したり、場外へ後退することは出来ません。
移動を終了したソードマンは手番を終了します。

<< 通常攻撃 >>
相手のソードマンまでの距離と等しいカードを持っていたら、そのカードを出すことに依って、相手を攻撃することが出来ます。例えば、4マス離れている時に、4のカードを出せば相手を攻撃します。
また、攻撃可能なカードを複数所有している場合は同時に出すことによって、より強力な攻撃を繰り出すことが出来ます。例えば、4マス離れている時に、4のカードを2枚持っていれば、これを同時に出して攻撃することが出来ます。(効果は後述。)
攻撃を行ったら、相手の防御手番に移ります。

<< 防御 >>
相手からの攻撃を受けた時、それを受け流すことが出来なければ、その時点で相手方のポイントとなり、1ラウンドが終了してしまいます。相手の攻撃を受け流す為には、相手が攻撃に使用したポイントカードと同じカードを手持ちから出し返す必要があります。例えば、相手が4のカード1枚で攻撃して来たら、4のカードを1枚出してその攻撃を受け流します。
また、相手がポイントカードを複数枚使用した強力な攻撃を仕掛けて来た場合には、同じ枚数のカードでかつ合計が同じ様になるカードを出し、これを受け流します。例えば、相手が4のカード2枚で攻撃した来たとすれば合計は8ですから、4のカード2枚、若しくは3と5のカード1枚づつで受け流すことが可能です。(従って、5×2枚の攻撃や、1×2枚の攻撃は受けのバリエーションが少ない為に、より強力な攻撃であると言えます。)
攻撃の防御に成功したソードマンは、自分の側に攻撃(若しくは移動)手番を取り返します。

<< 前進攻撃と防御 >>
前進攻撃は移動と攻撃を組み合わせた攻撃です。例えば今、互いのソードマンが8マス離れているとすると、この時点で通常攻撃を行うことは不可能です。この様な場合、先ず3のカードを出して前進し、続いて5のカードを出すことによって、前進&攻撃を同時に繰り出すことが可能となります。
一方、この時の防御は通常の防御と異なり2つの方法が有ります。一つは通常の防御同様、相手の攻撃カードと同じカードを出して受ける方法です。この場合、攻撃手番は防御側に移ります。
同じカードが無く受けることが出来ない場合は、手持ちのポイントカードを1枚出し、その分だけ後退することも出来ます。但し、この場合は攻撃手番は移動せず、再び前進攻撃を行ったソードマンの手番となります。

また試合が長引いて、山札が無くなってしまった場合は、その時点でラウンド終了となります。このとき、そのラウンドのポイントは、その時点で相手を攻撃可能なカード(相手までの距離に等しいカード)を多く保有している側に与えられます。またそれでも勝負が付かない時は、センターラインを超えて相手側に押し込んでいるソードマンのポイントとなります。この様にしてラウンドを繰り返し、先に5ポイントを上げたソードマンが試合の勝者となります。



さて、ポイントですが、単純かつカードの引きに左右されるゲームですので、なかなか作戦らしきものは見い出せません。基本的なことを挙げるとすると、先ずは「防御カードを持たずに相手の間合いに入らない。」です。相手との間合いを5つ以下にして移動を終了すると、通常攻撃が飛んで来る可能性があります。これを受ける準備が無い限り、間合いに飛び込むべきではありません。出来れば複数の防御カードを持っていたいところです。

次に重要となるのが位置取りの問題です。相手をバックライン際まで追い込めば、作戦的な自由度を奪うことが出来ます。また、山札が切れた場合にも、押し込んでいる側のポイントとなります。では、どうやって相手側に押し込むかと言うことに成る訳ですが、これには前進攻撃が重要な役目を果たします。前進攻撃を行った際、相手が受けることが出来ずに後退すれば、再び自分の攻撃手番となります。これを連続すれば、相手を一気に後退させることが可能であり、情勢を一気に有利にすることが出来ます。無論、相手も同じ事を考えている訳ですから、そうそう思惑通りには進みませんが..。

また前進攻撃自体も注意して行う必要があります。前進攻撃をしたは良いが、受けられて、さらに通常攻撃で返される可能性まで考慮する必要があります。少なくとも3手先のカードまでは準備して置いた方が良いでしょう。(それ以上先は流石に準備しきれません..。)

以上の様に、この「アン・ギャルド」は運の要素が多いものの、微妙に作戦を含んだ軽めの2人用ゲームです。1試合15分程度で終わりますから、ゲームの合間のつなぎや、人待ちの時間潰しにも有用でしょう。何よりカードですから嵩張らないのもグッドです。



尚この「アン・ギャルド」、作者は Reiner Knizia 氏で、1993年の独カードゲーム賞(Fairplay das Kartenspiele das Jahres)で3位を獲得しています。また、独フェンシング協会の公認ゲームともなっている様です。