タイトル
 Midnight Party
 (ミッドナイトパーティ)
 販売元
 Ravensburger
 デザイン
 Wolfgang Kramer
 プレイ人数
 2〜6人
 プレイ時間
 30分
   

 Bord Game Exhibition の第一回目として、ミッドナイトパーティを紹介します。ミッドナイトパーティは、元々ゲーム好きの私を、この世界にハマリ込ませる、最後の1歩を踏み出させた記念すべき(?)ゲームです。

 このゲームはシンプルなルールの中に奥行きがあると言う、ドイツ産ゲームの特徴を良く継承しています。単純ですが、作戦と運をバランス良く併せ持った、大変よく出来たゲームだと思います。
 実は私が初めて買ったドイツゲームがコレでした。単に旅行用にゲームが欲しくて、適当に店頭で見て買い込んだ物です。さて、旅先で皆でルールを読んでビックリ。「こんな子供用みたいな単純なルールで面白いのか?」と、皆の非難の視線を受けたのですが、遊んでみて2度ビックリ。大ハマリしてしまいました。

 ミッドナイトパーティは、題名通り、深夜のパーティ会場を舞台としています。パーティの最中にオバケが出現し、パーティ参加者をパニックに陥れます。パーティの参加者は、いち早く、安全な部屋に逃げ込まなければなりません。


 − プレイ準備 −

プレイヤー駒
 各プレイヤーは自分の駒を選択します。ゲームの参加人数によって使う駒の数は異なって居り、人数が多い程、駒の数は少なく設定されています。一応2〜6?人までプレイ可能となっていますが、バランス的には3〜4名で遊ぶのが、最も具合が良い様です。

 駒はパーティに参加する、紳士・淑女を摸しています。但しゲーム上、駒が男であるか女であるかに、特別の意味は有りません。あくまでもデザイン上の問題だけです。また、もう一つ特徴的なのがサイコロです。3と6の目の代わりにオバケの絵が彫られています。
オバケの目のダイス

 ゲーム板にはパーティ会場である、周回状の廊下とその外周に小部屋が描かれています。また中央には地下倉庫があり、そこから延びる階段が、パーティ会場へ繋がります。デザインは外国産ゲームらしく洒落た雰囲気にまとめられていて良い感じです。

 プレイヤーは各自の駒を、パーティ会場である廊下(マス目に区切られています)に、順番に配置していきます。尚、この時点では、同じマスに2つの駒を置いてはいけません。駒を全て配置したら、中央に描かれる、地下倉庫の所にオバケの駒(このデザインがまた素敵)を配置します。これで準備は完了です。

 − プレイ手順 −

 <<前半>>
 手番のプレイヤーはサイコロを振ります。数字の目が出たら、何れか1つの駒を出目の数だけ移動させることが出来ます。移動させたくなければ、動かさなくても構いません。但し、動かす場合には必ず目の数だけ移動させます。移動は廊下を時計回りにのみ動くことが出来ます。決してバックしてはいけません。またスタート時以降は、1マスに複数の駒が入っても構いません。
 (注) この時点ではまだ、廊下の外周にある小部屋に入ることは出来ません。

 さてここで、非常に重大でかつユニークなルールがあります。如何なる時も、プレイヤーは自分の駒と、他のプレイヤーの駒を、全く区別無く動かすことが可能なのです。自分の駒を有利な場所に移動するも良し、ライバルの駒を不利な場所に移動させるも良し、全てはプレイヤーの思惑次第となります。

 次にオバケの目が出た場合ですが、この場合は特に考えることはありません。オバケの駒を3つ進めるだけです。スタート時点では地下倉庫にいるオバケですが、ゲームの進行に連れて、次第に階段を上がって行きます。そして4回、オバケの目が出た時点で、遂にオバケがパーティ会場である回廊に出現します。

オバケのHUGO君
 <<後半>>
 オバケが廊下に現れた時点で、ゲームは後半に突入します。この瞬間からパーティ参加者はオバケの出現に気が付き、なんとか逃れようとする訳です。

 プレイヤーはサイコロを振って出た目の数だけ、駒(自分のでも、他人のでもOK)を移動させることが出来ますが、ここからは、廊下の外周の部屋へ逃げ込むことが可能になります。
 但し、各部屋の定員は1名限りで、既に駒がある部屋に後から入ることは出来ません。また、部屋に入る為には、サイコロの目が丁度でなければなりません。

 そうこうする内にも、オバケは廊下を進んで来ます(オバケも時計回りに廊下を進みます)。そして、オバケに追い付かれたパーティ参加者(駒)は、襲われて、食われて(?)しまう訳です。襲われた駒は、襲われた順番に地下室(と階段)に並べて行きます。

 こうしてゲームは全ての駒が部屋に逃げ込むか、オバケに襲われるかするまで続けられます。さて、ゲームが終了したらポイントを計算します。ポイントは各駒が襲われた順番にマイナスポイントが付きます(早く襲われた程、マイナスが付きます)。また、部屋に依っては、プラスポイントの部屋と、マイナスポイントの部屋があり、逃げ込んだ駒に応じて、ポイントを加減算します。


 以上の様に、ルールは至ってシンプルです。付属品もゲーム板と駒とサイコロしかありません。複雑な指示カードとか、お金とか、一切無しです。これなら小さい子供でも遊ぶことが出来ると思います。
 しかし、単純であるにも関わらず、ミッドナイトパーティは作戦と運の両面を合わせ持った、大人でも充分楽しめるゲームです。

 特に良く出来ていると感じるのが、サイコロの構成です。6と4の目の代わりにオバケの目があり、このの目が出ると、オバケは3マス進みます。と、言うことは一回のサイコロでオバケの進む目数の期待値は1と言うことになります。(ん〜数学的だな。^^)
 一方、一回のサイコロで駒が進む目数の期待値は、(1+2+4+5)/6=2となります。一見、オバケよりも駒の方が有利な様な気がしますが、プレイヤーは複数の駒を逃がさなければいけないので、到底これでは追い付かず、徐々に手駒はオバケの犠牲となって行きます。

 また、最後の1駒となると、こんどは他のプレイヤー全てが敵と成り(手駒が全て死んだプレイヤーもサイコロを振ることが出来ます)、オバケを積極的に進めようとしてきます。この頃は、残り部屋も少なく、到底逃げきれるものでは無いのですが、強烈なダイス運でオバケから何周も逃げ回る、しぶといプレイヤーも時に出現します。ラストの鬼ごっこは結構笑えます。

 以下、作戦上のポイントに触れてみます。

・初期配置
 ゲーム準備段階で、廊下に駒を置く位置が、まず重要になります。概ね、最も有利な配置場所は、オバケが出現するポイントの正反対の場所になります。オバケは廊下を時計回りに進みますから、オバケの出現ポイントを12時の方向とすると、6〜7時の方向がベストと言うことです。
 1〜3時の方向では、オバケが出現してから襲われるまでの間が短く、通常、逃げるのが容易ではあません。但し、この付近は部屋数も多く、更にボーナスポイントの部屋も多く存在します。1つ位の駒は置いても良いかもしれません。
 反対に、9時〜11時の方向は最もオバケの侵攻ルートから遠く、一見有利な様に思えます。しかし、この辺りのポイントは、他プレイヤーの妨害に逢い易いと言う問題があります。前半の内に他のプレイヤーに依って動かされてしまい、オバケの出現ポイントの直後に移動されてしまうケースが多々あります。また、9〜11時の方向にある部屋は、マイナスポイントの物が多くなります。
 では、6〜7時の方向に固めるのがベストかと言うと、そうでもありません。この付近は人気が高く多くの駒が集中してきます。しかし、小部屋の数には限りがありますから、当然全ての駒逃げ込めるハズがありません。従って、人気の薄いポイントにも有る程度の駒は置いた方が有利になる可能性があります。

・時には見捨てる
 このゲーム、到底手駒の全てを逃がすことは出来ません。従って、状況に応じて、見捨てる駒は早々に、見捨ててしまった方が、より多くの駒を救うことにつながります。背後にオバケが迫る駒に、手数を掛けるのは意味がありません。(無論、部屋に入れるなら別です。)

・上がり目を考える
 このゲームのサイコロには3と6の目がありませんから、上がり目はこれ以外でなければいけません。特に序盤における駒の位置取りにはこれを考慮する必要があります。サイコロの目の待ちがより広くなる様に、駒位置を調整しておきます。逆に、上がり目を減らす様に、ライバルの駒を移動させるのは効果的な作戦です。

・順位を入れ替える
 時に逃げきれず、渋滞箇所でオバケに襲われるケースがあります。この様な場合、仮に部屋に逃げ込めなくても、駒位置をすこし動かすだけで、死亡順位を大きく下げられることがあります。セコイと言われ様が、結構有効な技です。


 Midnight Party は、(独) Ravensburger社より発売され、1989年の"Game of the Year"にノミネートされました。デザインはゲーム作家として名高い、Wolfgang Kramer氏によるものです。
 日本国内では、当時、不二商より輸入販売されていましたが、現在では扱って居りません。Ravensburger社のゲームの幾つかは、現在もメビウス社によって、輸入販売が続けられていますが、Midnight Party に関しては、恐らく本国でも絶版であると思われ、入手はかなり難しいものと思われます。
 

 2000年6月・付記
 Midnight Party は Ravensburger 社より、タイトルを HUGO と変え、リメイク版として再版されました。メビウス社の輸入販売によって、日本国内でも入手可能となっています。一部オプションルールの追加などもされている様です。