タイトル
 Ra
 (ラー)
 販売元
 alea
 デザイン
 Reiner Knizia
 プレイ人数
 3〜5人
 プレイ時間
 45〜60分
   

ラーは古代エジプトをモチーフにした、軽快な競りのゲームです。プレイヤーは限られた元手を元に競りを行い、より大きな名声を獲得することを目指します。尤も正直な話し、ゲームシステムと古代エジプトを結び付ける必然性はさして有りません。まぁ、それでも古代エジプト文明をモチーフにしたボードデザインは美しいですし、なにより良く出来たゲームですので、細かいことは気にしないことにしましょう。^^;



太陽チップ

さて、ゲームシステムですが、冒頭に示した通り、ラーは競りのゲームです。競りは全部で3ラウンド行われ、その1ラウンドをラーでは「時代」と呼称します。また競りである以上、資金が必要な訳ですが、ラーではお金の代わりに「太陽チップ」と呼ばれるチップを使用します。太陽チップには1〜16の数字が振られていて、1のチップをボード上に置き、残りのチップを規定された方法でプレイヤーに分配します。(各プレイヤーのチップ数は、3人プレイの時4枚、4・5人の時は3枚となります。重要。)後は山ほど存在するタイル(札)を裏向きにして、適当な山に積んだら準備完了。

ラーにおいて、プレイヤーの選択できる行動は、1.タイルをめくる。2.ラーを宣言する。の2つしかありません。先ず、タイルをめくる場合ですが、めくったタイルが「ラータイル(後述)」以外のタイルであれば、それをボード上に置いて手番を終了し、次のプレイヤーの手番となります。
ラータイル
ラー駒:競りの親を示します

競りはめくったタイルが「ラータイル」であった場合か、プレイヤーが「ラー宣言」を行った場合に発生します。競りの親は「ラー タイル」をめくった、若しくは「ラー宣言」を行ったプレイヤーが努めます。尚、競りの親のことを「ラー」と呼びます。

ここで何を競るのかと言うと、それまでにボード上に並べられたタイルと1枚乗っている筈の太陽チップがその対象となります。競りはラー(親)の左隣のプレイヤーから始まり、タイルの価値に見合う太陽チップを手持ちから出して、競り落としに掛かります。競りは順に1周だけ行われ、一番高い高いチップを出したプレイヤーが、ボード上のタイルと太陽チップを取り、代わりに自分が出した太陽チップをボード上に置きます。

尚、並べられているタイルが、自分の持っている太陽チップの価値に見合わないと判断した場合は、競りを降りることが可能です。但し、「ラー宣言」したプレイヤーだけは降りることが出来ません。(誰も競りに参加しなくても、責任を持って何等かのチップで競り落とす義務があります。)但し、「ラータイル」をめくって発生した競りの場合は、親であっても競りを降りることが可能です。

ところで、競りで取って来た太陽チップは次の「時代」で使用しますので、裏むきにしておきます。即ち、一つの「時代」で競り落とせる回数は初めの手持ち太陽チップの数だけとなり、3〜4回しか競り落とすチャンスは無いことになります。無駄にチャンスを浪費しないことが大切です。太陽チップが無くなったプレイヤーはその「時代」のゲームに一切参加することが出来なくなります。(後は見てるだけ。)

以降、これら手順を繰り返します。そして、全員が太陽チップを使い切るか、若しくは規定枚数分「ラータイル」が引かれた場合一つの「時代」幕を閉じ、清算タイムとなります。(「ラータイル」が規定枚数でたら即終了のサドンデス。)清算ですがこれは競り取ったタイルの中味で価値が決定します。ここで、タイルには以下の種類のものが存在しています。


ファラオ:所謂、王様。このタイルを最も多く持っているプレイヤーに名誉ポイントが与えられます。逆に最も少ないプレイヤーは名誉ポイントが減らされます。また、ファラオのタイルは次の時代にも持ち越すことが可能です。
ナイル:恵み。多少に係わらず、このタイルを持っている数に応じて名誉ポイントが与えられます。但しその為には、少なくとも1枚以上の洪水タイルを併せて持っている必要があります。ナイルタイルは、洪水タイルを除いて次の「時代」持ち越すことが出来ます。
文明:文字・農業等、5種類の文明タイルが有ります。文明タイルを3種類以上集めると、その種類数に応じて名誉ポイントが得られます。逆に1枚も無いと名誉ポイントが削られてしまいます。尚、文明タイルは次の「時代」に持ち越せません。
モニュメント:所謂、ピラミッドやスフインクス等の建造物。非常に種類と数が多く、その量に応じて大きな名誉ポイントが得られます。このタイルも「時代」を超えて持ち越せますが、名誉ポイントとして計算されるのは第3「時代」(最後の清算時)のみです。(一発逆転の可能性を秘めています。)
黄金:多少に係わらず、数に応じて名誉ポイントが得られますが、次の「時代」には持ち越せません。
神:清算時には黄金と同じに扱われます。むしろ、神タイルの特徴は、所有プレイヤーの手番時に、ボード上に並べられている任意のタイルと交換可能であると言う点に有ります。清算時まで持ち越してしまうことは得策ではありません。
災害:ファラオ・ナイル・文明・モニュメントの各タイルには、葬儀・日照り等の、黒く縁取られた災害タイルが存在します。災害タイルを競り取ってしまったプレイヤーは手持ちタイルの中から該当するタイルを同枚数捨てなければなりません。(捨てるタイルは自由に選べますが、日照りの場合には洪水タイルから先に捨てなければいけません。)但し、その瞬間に該当タイルを所有して居なければ、被害を受けることはありません(これが重要)。
ステーレン:名誉ポイントの計数用チップ

この様に、各タイルには名誉ポイントを得る為の条件が設定されています。即ちプレイヤーは、競りの段階でどの様に名誉ポイントを獲得するかを考慮し、競りを切り抜けて行くことに成ります。そして「時代」を3つ繰り返し、最終的に名誉ポイントを多く獲得したプレイヤーが勝利者となります。(補足:第3「時代」の清算に限り、手持ちの太陽チップからも名誉ポイントが貰えます。)



さてゲームのポイントですが、これは、"如何に手持ちの太陽チップで有利に競りが行えるタイミングで、「ラー宣言」を行うか?" と言う点に尽きるでしょう。

例えば今、手元には価値の低い太陽チップしか無いとしましょう。これは即ち、ライバルが価値の高いチップを持っていると言うことに他なりません。こんな時の作戦として、タイルが大量に並ぶ前に「ラー宣言」をしてしまう手があります。高価な裕福なチップを持っているプレイヤーは確実に競りに勝てる訳ですから、場にタイルを沢山並べてから競りを行おうと考える筈です。即ち、手持ちのチップに価値に見合わない程、場が安ければ、もったいなくて競りに参加出来ません。ここに、高価なチップを持たないプレイヤーにも付け込むポイントが生じる訳です。(逆に、手元に高価なチップを持っているなら、極力場を高くすることが肝要となります。)

こうなると、貧乏な時は何でもかんでも「ラー宣言」をすれば良いかと言うとそう単純でもありません。「ラー宣言」をした以上、誰も競りに参加して来なければ自分でそれを落とさなければいけません。しかし、落とせる回数は3〜4回と決して多く無く、早々に規定回数を競り落としてしまうとあとは傍観するよりありません。こうなってしまうと、残されたプレイヤーに好き放題にされてしまいます。

では、金持ちの時は単に粘れば良いかと言うと、そう言う訳にも行きません。欲しいタイルを待ち過ぎると、必然的に「ラータイル」の枚数も増えて来ます。そして、規定枚数に達したら、はいそれまでよ。どんなに高い太陽チップを持っていても、使わなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。(これって結構ありがちなんですよね..。)

更に、もう一つのポイントが「災害タイル」の存在です。これは単なるマイナス要素だけの様に思われますが、競りの上でも重要な意味を持っています。その理由は、「災害タイルは、その時点で対応するタイルを持っているプレイヤーにのみ影響を与える。」と言う点にあります。

例えば、ナイルタイルを集めているプレイヤーにとって、日照りタイルは好ましくありません。特に洪水タイルが1枚しかない場合には最悪な存在です(虎の子の洪水タイルを失ったら、名誉ポイントが貰えなくなりますから。)逆に、ナイルタイルを持っていないプレイヤーにとっては何でもありません。ここが仕掛け所であり、相手が手も足も出せない時に場を高くしてしまい、これを安く落とすことも可能となる訳です。



この様に、非常に考え所の多いゲームではあるのですが、競りの回数が限られていること、1回の競りも1周で終わりであること、等からゲーム自体は軽快に進行します。(慣れれば1回あたり、45分掛からないのが魅力。)確かに、タイルの特徴や名誉ポイントの得点方法など、覚えなければならないことも有りますが、練習プレイをすれば、誰でも直に覚えることが出来ますし、相場感も身に付くと思います。

この「ラー」ですが、作者は "天才"・"先生" 等の冠詞が付いて語られる、独ゲーム界の巨人 Reiner Knizia 氏。1999年の独ゲーム賞・銀賞を授賞しています。