ドラマキャンプ

ドラマキャンプは、もう20年以上前、品川の子ども劇場で始まったキャンプです。

私も、まだ子どもが幼児だった頃から始めて、10年、続けてきました。

ドラマキャンプというホームページは、当時の品川で実践していた方たちが作っていますが、
ここでは、石井が関わって作ったドラマキャンプの実践に関して、書いておきます。

キャンプという非日常の空間の中で、様々な形でドラマチックに遊ぶ活動がドラマキャンプです。

ここでのドラマは、大きく2つに分かれます。

一つは、ワクワクドキドキする冒険というコンセプトで、参加した子ども達に、様々な事件が
起こります。

たとえば、UFOが遭難して、宇宙人が助けを求めてきたり、こびとたちのために空気をきれいに
してほしいと頼まれたり。時には、海賊の宝の地図を見つけて、海賊達とデッドヒートを演じたり。

もう一つは、日常生活にドラマの味付けをします。

たとえば、市場がたって、食材を買いに行ったり、原始人になって、原始人生活を体験したり。
テレビ放送や新聞が配達されたりもします。

そんな中で、おとなも子どもも、それぞれに遊んでいる姿や、継続している中で、培われてくる
ものの大きさは、遊びのもつ力を実感させられます。

ここでは、順次、ドラマキャンプの中から、子ども達の様子を書いていきたいと思います。

 

海賊と宝探し

妖怪退治

こびとを助けろ!

ドラキャンプチ・綺羅姫

天狗

UFO

 

「真剣な顔が見られる」

ドラマキャンプでは、普通、現実では起こらないことが起こります。
子ども達は、それぞれの年齢や経験に沿った信じ方をします。
あるいは、実際に信じていなくても、その世界に入り込んで疑似体験を
する子ども達もいます。

ある年、その年は、土地の妖怪を封じ込めた玉が割れて、妖怪が逃げてしまい、
その妖怪達を再び玉に封じ込めてほしいと、地元の妖怪研究家に頼まれました。
そこで、子ども達は、妖怪退治の旅に出ました。

山奥の山姥を倒すためには、鏡に陽の光を反射させて当てるといいということで、
子ども達は、小さな手鏡を持っていきます。

それまで曇り空だったのに、木立の間から、陽が射して、子ども達の持った
手鏡に当たり、彼らは、必死の様子で、その反射する光を山姥にかざします。

−あんなに必死な娘の顔を見たのは、はじめてです。

後から、2年生の女の子のお母さんが興奮して言いました。

−ホントに、一生懸命なのよ。もー、感動しちゃった。

と、山姥を演じていたお母さんも、真っ正面から子ども達の顔を
見られて良かったと言いました。

日常の中では、出会えないこんな場面に出会えます。
ドラマの中だから、子ども達もそんな表情を見せてくれるのかもしれません。

そして、もう一方で、親子で行くから、我が子のそんな表情を
見ることができるのですよ。

 

バンガロー決め

ドラマキャンプを続けてくる中で、必ずやってきたのが、バンガロー決め。

もともと、ドラマキャンプでは、子どものその場の気分を大事に、
子ども達が選択できる場面をできるだけ多く設定してきました。

その究極のテーマが、このバンガロー決めです。

通常のキャンプでは、事前に、生活班を決め、その班毎に部屋割を決めておきます。

でも、ここでは、その日、寝たい場所で、一緒に寝たい子と寝られます。

しかも、親子一緒のキャンプでありながら、親子の距離を子どもが決めることにしています。

つまり、親と同じ部屋を選ぶかどうかは、子どもが決めるのです。

遊びの中での「一緒に寝ようね」を大事にしたいという思いでした。

キャンプ初日、子ども達は、ある程度、遊んだ後、自分の名前を書いたシールを持って、
一斉に泊まりたいバンガローに向かって走ります。

親と一緒に寝たい子どもは、親のシールも一緒に持っていきます。
場合によっては、自分の親ではないのに、一緒に泊まってほしいおとなを選んで
シールを持っていく子どももいます。

そして、自分が泊まりたいバンガローのボードにそのシールを張ってくるのです。

バンガローには、それぞれに、定員があります。
子どもだけで泊まりたければ、その定員一杯までの子どもの人数を集めなければなりません。

子ども達が張り終えると、今度は、シールが手元に残ってしまった親たちが、シールを張りに行きます。
親には約束があります。「我が子に残された親は、我が子と同じバンガローには泊まれない」
子どもに置いていかれた親は、その瞬間、とてもリアルに、子離れを実感するようです。

そして、成長の喜びと同時に、一抹の寂しさも感じるようでした。

当然、毎年のように、トラブルを予想し、トラブルのための人手を配置するのですが、
今まで、トラブルが起きたことはありません。

たまに、夜、やっぱり親と一緒がいいと言いに来る子もいます。もちろん、オッケーです。

「とりあえず、一人でやってみようと思った、そのことはすごいことだよ、
でも、寂しくなってしまうこともあるよね。じゃ、お母さんの部屋に引っ越ししようね」

次の日の変更もありです。新しく仲良くなった子と一緒に泊まるのも、違うところで寝てみたいという好奇心も、
ここでは理由などどうでもいいのです。

「そうしたい」それだけが補償されます。

そして、それが補償されているから、安心して試してみることができるのです。