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ある日、どろみんの職場の友人から私に連絡があった。
「どろみんちゃんが大変なのよ。電車で…」
「あ?」
「電車が…ホームから落ちて」
友人の声はふるえていた。
「え?」
私は仕事が終了していたので、急いでどろみんの職場に駆けつけた。
どろみんは両足に擦り傷と打撲を負っていた。しかしどう見ても生きている。病院に行った風もない。
「でへへ?」
「"でへへ"ってホームから落ちて電車に轢かれたんじゃないのか?」
「轢かれたなんてそんな大げさな…」
「だって電車に轢かれたって電話で…」
どうやらどろみんは駆け込み乗車をしようとしたらしい。
「…そしたらね。電車に乗っている人の足が急に私の目の前に来たのよ」
「ってことは電車とホームの間に落ちたんだな?」
「そうとも言うけど…」
「…そうとしか言わない」
そこに私に電話をかけたどろみんの友人がやってきた。
「私は電車に轢かれたなんて一言も言ってないわよ」
「へ?」
「私は"電車が来てホームから落ちた"って言ったのよ」
どうやらどろみんの友人も私と同じ人種らしかった。
どろみんはスカートをめくり上げてホームと電車の間に落ちた。しかも途中で体が引っかかったため、足は宙に浮いていた。
「誰かに助けてもらったのか?」
「…とんでもない。もう恥ずかしくって」
「じゃあどうしたんだ?」
「そりゃ両手をこういう風にホームと電車について、"うりゃあ"っと・・」
「両手の力で体を引き抜いたんだな?」
「その通り」
どろみんは恥ずかしさのあまり、パンツ丸出しで"大丈夫です"と叫びまくったらしい。
「でも今回が一番痛かったわね」
「…今回って何回目なんだ?」
「今日のを入れてもまだ4回よ」
「…」
私とどろみんは湿布薬を買うために街に出た。当然ボロボロになったストッキングも買わねばならなかった。
「しかしな。ホームと電車の間に落ちた人間を初めて見た」
「あらそう?結構みんな落ちるわよ」
「…少なくても俺様は見たことが無い」
「あなたは電車にあまり乗らないからよ」
「そうかぁ?」
結局、両足数箇所の擦過傷、足首のねんざ、打撲で全治3週間であった。翌日、同じ駅のホームで電車を待つ私に聞き慣れないアナウンスが流れて来た。
「電車とホームの間があいている場所がありますので…」
(どろみんだ…)
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