3年B組 金八先生(第7シリーズ)

途中からではありますが、台詞ノートです。

#11 「鶴本直・決断の旅立ち」

    「3年前、私はこの教室で 男女共同参画社会をテーマにして授業をやりました。覚えていますか?
     あの時、私は君に こう言いました。
     君は ここから一人厳しい道を歩くことになる。
     18歳になればホルモンの投与。
     20歳になれば乳房を切り落とし、外性器を取り、体の一部を切り取って外性器を作る。
     大変辛い手術が続くことになりますが、
     でも あなたが青年になっている頃には、きっとこの国も戸籍の訂正が認められる優しい優しい国になっている。

     あれから3年、世の中は大きく動きました。
     昨年7月、戸籍表は改正され、この国は君たちに一つ優しい国になりました。
     では なぜ 戸籍表は改正されたのか?
     それは、直の前に 直と同じ苦しみを持つ人がこの世の中を変えたのです。
     では それで、この国は本当に人にやさしい国になったのか?
     違う。違うね。

     新聞を広げれば、あるいはテレビをつければ、無力な子供達に対する大人の虐待、
     あるいは家を失くした少年少女が夜の町をさまよい歩き、薬物に身を染めていきます。
     心を壊した青年は、少女を誘拐し、平然と殺害する。
     そんな事件が相次いでいます。
     それを見て、この国はもうだめだ、絶望だ、滅びるしかない、そう嘆く人がいます。
     でも、彼らもまた違う。 違うな。
     自分を変えようともせず、自分の不幸を人のせいにする愚か者です。
     直、君が行って彼らに教えてあげなさい。

     自分の苦しみを 苦しみぬこう。
     自分の悲しみを 悲しみぬこう。
     それでやっと 本当の自分になれるんだ。
     自分を変えられる人だけが、この世界を変えられるんです。

     はい、直、出てきなさい。
     直は 直になるために生まれてきたんです。
     「直」の意味を考えましょう。
     黒板にあなたの名を書いて下さい―――
     あなたの名を大きく書いて下さい。

     では次に、この字そのものを読み解いていきましょう。  本当のこと 正しいことを見つめようとするその目の表情がこの字になったのね。
     人が間違っていれば、それを直す。
     自分がもし間違っていれば、自分を直す。
     正直で、素直で、率直な人の目の形がこの字になったのです。
     私は 鶴本直が好きでした。
     今も 大好きです。
     辛いことがあるかもしれませんが、あなたはずっと鶴本直でいて下さい。
     では 授業を終わります。」

#13 命とは何だろう・・・?金八先生、涙の授業

    「里美はねぇ、死んで 俺の根っこを支える土になってくれたんだよ。
     崇の場合はどうでしょう。
     崇が もし 死んだら、私たちを支える思い出になってくれるでしょうか?
     ならないな。 ならないな。 絶対にならないなっ!
     土にもなれない崇は、実は 死ぬ資格さえないんですよ。
     私は、あいつに、あいつに そのことを言ってやりたいんですよっ!!
     どうか みなさんは 石を砕いて 土に根を張って下さい。
     『夢はでっかく 根は深く』
     わかるね。 わかるね。 わかるね。」

#15 給食費未払い3年の両親

    「子供が親にしなくてはならないことは一つ。
     少しずつ成長すること。その成長をきちんと親に見せること。
     お前は成長してる。お前は親孝行だ。な。
     子供の成長が見たくないって言う親がいるんだったらドブに放り込め。
     人間の値打ちはね、心の中にいくつ壊れない物を持っているか、それで決まるんだ。
     君は持っている。友情ってやつだ。な。値打ちあるぞー これは。大事にしろ。
     それじゃ・・・・・。
     お父さん、お母さん、
     子供は親の背中を見て育つと言います。
     壷見せて、どうするんですかっ!」

#16 中3は巣立ちの時だぞ!!

    「弥生。ケーキ屋さん、合格おめでとう。」

#17 人命救助で入試に遅刻!

受験の日の朝、病気のお婆さんを助けて、試験第一科目を受けられなかった麻子。
普通、助けないでしょ(と言ったら、長男に「それはヒトとしてどうよ?」と言われてしまった)。
んー、でもさー、ド田舎の田んぼの畦道でとかならともかく、バスも通っている都会の往来の真ん中だよ。
通りがかりの人に声をかけて、「私は受験なので、後宜しくお願いします」で済むよ、ふつー。
今日日「受験なんです」って言えば、新幹線だって停まってくれるんだよ〜。言えよ。 というわけで

    「人生には こんなことが よくあるんだよ」

という金八先生の言葉は正解。

#18 しゅうに迫る悪魔の影

    「警察が捜している生徒が見つかりました。
     3B 丸山しゅうです―――」

#19 しゅう最後の日、最後の授業

ダンナが出張だったので、珍しくリアルタイムで見たのですが・・・。
「腐ったみかん」再び、みたいでしたね。

谷川俊太郎の「生きる」の朗読は良かったかな。

    「生きるということ
     今、生きているということ
     それは、喉が渇くということ
     木漏れ日が眩しいということ
     ふと あるメロディを思い出すということ
     くしゃみをすること
     あなたと手を繋ぐこと
     生きているということbr>  今 生きているということ
     それは ミニスカート
     それは プラネタリウム
     それは ヨハン・シュトラウス
     それは ピカソ
     それは アルプス
     全て 美しいものに出会うこと
     そして 隠れた悪を 注意深く 拒むこと
     隠れた悪を 注意深く 拒むこと
     生きているということ
     今 生きているということ
     大きな声で 泣けるということ
     大きな声で 笑えるということ
     怖れるということ
     自由ということ
     生きているということ
     今 生きているということ
     今 地球が回っているということ
     今 どこかで 赤ちゃんの産声が上がるということ
     今 どこかで 兵士が傷つくということ
     今、今が過ぎていく
     生きるということ
     今 生きているということ
     鳥は 羽ばたくということ
     海は 轟くということ
     人は 愛するということ
     あなたの 手のぬくもり
     命ということ
     あなたの 手のぬくもり
     命ということ
     しゅう・・・・・」(金八)

    「先生、ぼく 生きたい。生きたい――――――。」(しゅう)

そう、ドラッグについて。
かの中島らも氏も、自らのドラッグ体験をを綴った「アマニタ・パンセリナ」(集英社文庫)
にて、こう書かれています。

    僕がシャブを憎むのは、シャブの存在が愚劣だからである。
     ドラッグに関する文章をこうして綴っているが、僕はドラッグには貴賎がある、と思っている。
     違法か合法化はこの際横へ置いておく。(中略)
     個人、及び社会との関係がドラッグの性格を決めるだけだ。
     そういう目でながめた場合、シャブはその生い立ち、社会とのからみ、個人に及ぼす作用、どれをとってみても、これは"愚劣なドラッグ"としか言いようがない。

     シャブは、人間をオンとオフのふたつのスイッチしかない存在に変える。それもかなり短い期間で。

     もう一度言うが、シャブは人間をオンとオフのふたつのスイッチしかない状態にしてしまう、その特性の強いドラッグである。すべての薬には同じ傾向があるが、自然に近いものほど、間に三つか四つのスイッチを含んでいる。(中略)
     先に述べたように、ドラッグに貴賎ありと僕は考えている。自分の判断の基準の中で、シャブはいやらしいドラッグだと考える。そのいやしいドラッグが蔓延するのは、今日も注射針を突き立てられている、その辺のおばさんに情報が不足しているからである。
     「人間やめたい」人だけシャブを射てばいいのであって、「人間やってる」割には危機感のない無知なおばさんたちがシャブ中にされてヤクザの資金源になっているというのは無惨に過ぎる。
     「ジャンキー内差別」を、あえてシャブに対して試みたのは、この辺、吐き気がしたからだ。

最後の所の「おばさん」を「子供」に代えればいいわけですね。 
だから、この本、中学の図書室に置いちゃ駄目かな?(笑)。 

#20 裏切られても生徒を信じる

    「恥ずかしい話ですが、私にはもう 身体ごと生徒にぶつかっていく自信がありせん。
     ぶつかって行っても、私の声は 届きませんでした。
     いくら叫んでも、私の声は 生徒たちの心に響かないほど 年をとったんでしょう。
     ―――――― 力 尽きました。」

#21 揺れる金八 大揺れの3B

    「坂本先生、あなたの声は ちゃんと子供たちの心に響いてたじゃないですか。
     これできまりでしょ。
     辞表は撤回ですよね?」(乾先生)
    「いや・・・・ 私の気持ちは変わりません。」(金八)
    「今、辞表って言ったよね?」(女生徒)
    「うん」(女生徒)

#22 25年目の贈る言葉

    「オー、オイ、担任。
     オレらと勝負しねぇか?
     オレら、あいつを必ず卒業式に出す。
     ―――そしたら、オレらの勝ちな。
     で、オレらが勝ったら、あんた 辞表 破ってくれ。
     いいだろ?
     さぁ、勝負だ!

     あっちゃ〜っ。
     やよがここまで言ってくれたのに無理かぁ? なぁ。
     ま、無理もねぇか。
     しゅうのことから逃げようと思って、先生 辞めようと思ってんだもんな。
     そんな人に 勝負なんかできませんよね。
     無理無理、ね。  
     あんたみたいな弱虫には、無理無理。

     ・・・・なぁ、なんで 何もいわねぇんだよ。
     ねぇ、アンタ 誰?
     オレの目の前に立ってるアンタ 誰かって聞いてんだよぉっ!
     アンタ、金八先生じゃねぇのかよっ!
     ここで初めてドラッグの授業やった時、全然聞かねえオレらに出てけっって怒鳴った先生じゃねぇのかよっ!
     文化祭の時、ソーラン節やってみろって、勝負してきた先生じゃねぇのかよっ!
     しゅうの時、泣きながら 何度も ドラッグを憎めって、ドラッグを憎めって言ってた先生じゃねぇのかよっ!!
     何で 何も言わねぇんだよ。
     勝負すんのかよっ!
     勝負する 度胸 ねぇのかっ!!!」(伸太郎)


    <卒業生 答辞>

    「ホントは、ここで喋んのオレじゃねぇと思う。
     ホントに ここに立って喋るべきなのは、しゅうだと思う。
     あいつは みんなに すげぇ迷惑かけたから、
     まず ここに来て みんなに謝って、で、感謝の気持ちを言うべきだと思う。
     ・・・けど。 けど、あのバカ まだ来てねぇからサ、しょうがないから オレが話すわ。
     オレは、あの・・・、学校で マジで 2回泣いたことがあって、
     あの・・・ 1回目は文化祭の時 ソーラン節 踊った時で、
     もう、それまでバラバラで、もう テメーのことしか考えてねぇようなクラスだったんだけど、
     それで初めてまとまって。
     で、みんなが、その、1番前のド真ん中、1番重要な所を オレに踊れって言ってくれて。
     踊りきった時は、なんつーか、涙が止まんなかった。
     ヘンな話、あん時 初めて みんなが仲間だって思えた。
     で、2回目は、しゅうが 覚せい剤やって おかしくなった時。
     しゅう おかしくなってさ・・・ 床 ペロペロなめてんだよ。
     それ見てたら、怒りつーか、もう 悔しさっつーか、悲しさっつーか・・・・
     もう もう、とにかく あいつの目 覚ましてやりたくてさ。
     あいつに つかみかかったんだよ。
     オレは・・・ あん時の気持ちは、しゅうに対してじゃなくて、オレ自身に、自分自身に すげームカついてたから あーゆーふうに思ったのかと。
     だって、なんで もっと早く気付いてやれなかったのか、
     毎日、顔見てたのに、何でもっと早く気付いてやれなかったのかと思うと、なんか、情けなくてさ・・・。
     けど、それは、他の3B全員そう思ったと思う。
     だから、何つーか オレ、今、すげーオレの気持ち分かって貰いたいんだけど、伝えてーんだけど、
     言葉 見つかんねぇーや。
     もっと上手く自分の気持ちを言葉にできたら・・・
     大事な仲間を傷つけたり、失ったりしないで済んだと思う。 
     もっと 自分の気持ちを上手く伝えられたら・・・・
     しゅうは あんなことになってなかった―――。
     先生。言葉って大事だな。
     オレ・・・ 今、少しだけ、分った気がする。
     口のきき方知らないオレに、何度も何度も注意してくれて、ありがとうございました。
     ・・・・また、泣いちった。
     先生、うちのバカな両親が給食費滞納して、本当にご迷惑をおかけしました。
     でも、あん時 先生が来て 両親に説教してくれた時、うれしかったです。
     ありがとうございました。
     3Bのみんな、うちの会社に立てこもった時、みんな来てくれて ありがとな。
     本当にありがとうございました。
     在校生のみんな、オレらは決して胸を張って卒業できるような卒業生じゃねぇから あんまエラそうなことは言えねぇけど、一つだけ、一つだけお願いがある。
     どうか、命だけは大事にしてくれ。
     自分の命、友だちの命、家族の命、それに周りにある命。
     こん中で失ってもかまわない命なんか 一つもねぇからな!
     でも、もし、もしな、もし 死にてぇとか思ったら、職員室に行け。
     そこにはな、お前らのこと、命賭けて守ってくれる先生たちがいるからさ。
     卒業生 起立!
     先生たちに、ありがとうございました!
     デイ・ケア・センターのみなさん、お父さん、お母さんたち、ありがとうございました!
     卒業生代表 3B 狩野伸太郎。」


    「私はねぇ、この史上最悪のクラスを受け持って、悲愴な覚悟で授業を始めました。
     このクラスの先頭に立って、なんとかこのクラスを立て直そうとしました。
     私は必死に君達に教え、必死に君達を引っぱって来た。
     だが今日、伸太郎の答辞を聞き、そして しゅうを待って席を動こうとしない君達の姿を見て、とても大事なことに気づきました。
     私は どうも クラスの先頭に立ってない。 
     どうも、クラスのビリッ子にいるようです。
     そして、何と、君達に教えられ、引っぱられて、なんとかここまで来た様です。
     史上最悪の3Bに教えられるようでは、今まで卒業していった3Bの先輩方に真に申し訳ない。
     よし、こうなったら ひとつ、仕切り直しだ。なぁ。
     さ、あそこ、あそこ、あそこから もう一度 やりなおしましょう。
     ハイ、伸太郎。 先生に訊いて下さい。
     アンタ、誰? 訊いて下さい。」
    「・・・・アンタ、誰?」
    「私は、3年B組の担任 坂本金八です。
     皆さん方の優しさに支えられて、私は、私に戻ることができました。
     私は棄権しません。
     ここはゴールではありません。
     私が負けたのです。
     辞表は破きます。
     『未完、既に完成。求道、即ち道である。』
     これはねぇ、先生の大好きな宮沢賢治の言葉です。
     そう、私はまだまだできあがっていない。
     私はまだまだ建築中。
     私はこれからも、私を作るために一生懸命頑張りますからね。
     私が 私であるために、どうぞ あなたは あなたでいて下さいね。
     ここは、ゴールではありません。
     ここは、スタートラインです。
     ここから旅立つ君達に、漢字一文字の手紙を書きました。
     どうか 受け取ってください。
     3年B組に贈る言葉―――。」

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