「葦牙ジャーナル」81号 編集後記
▼この冬も日本列島は暖冬だった。木蓮・こぶしに続いて桜も開花した。 この分では四月を待たずに東京の桜は盛りを過ぎるだろう。 北米では異常寒波が相次いだ。いずれも温暖化による気候変動の現れといっていい。 その対策となると日本はお寒い限りである。米国でさえ新政権はグリーン・ニューディールを 打ち出し、低炭素社会へ向けて歩みだしている。京都議定書の目標達成もおぼつかない日本は、 このままでは世界のお荷物になりかねない ▼年末年始は「年越し派遣村」が大きな話題となり、マスコミでも連日取り上げられた。 入村者やボランティアの数、カンパの金額や寄せられた食品の量もさることながら、 特筆すべきは政治と行政を動かしたそのインパクトである。たとえ初めは小さくとも、 道理と道義を担った運動であれば、必ず大きな力となることを改めて示した意義は大きい ▼年度末を迎えて、派遣切りや雇い止めは再び深刻な問題となっている。 にもかかわらずマスコミはあまり騒がず、さらに悪いことに、大手労働組合がそっぽを向いている。 非正規労働者の犠牲の上で自らの雇用を守ろうとする連合は、格差社会の共犯者といわれても仕方がない だろう ▼オバマが米大統領になって二ヶ月が過ぎた。 予想どおり経済の再建では苦戦を強いられているようだが、外交面では変化の兆しがある。 ガンタナモ収容所の閉鎖、キューバ渡航の規制緩和、イランとの接触の解禁、 エルサルバドル左派新政権への祝福、などがそれである。 さらに、パレスチナ和平への積極的関与、アフガンの非軍事的解決への模索、 イランやキューバとの直接対話への布石などが続く。しばらくは目が離せない ▼日本では民主党小沢代表の公設秘書「政治資金規正法」違反問題で揺れている。 この問題には、検察による先走り的独善的な政治干渉と、企業献金に依存する政治の根深い 腐敗体質との二面がある。そのどちらか一つだけを非難するだけで、 二つを併せ睨む視点がなければ、保守の深刻なる危機と、新しい政治的展望をどうするか、 が見えてこないだろう▼今号にも春らしく多彩な原稿が寄せられ、載せきらぬものもあった。 編集者としては、感謝と陳謝。 「イタリア・レジスタンスの旅」を執筆連載中の岡田全弘氏が病に倒れ、 現在は自宅療養中という。当分の間休載となるが、一刻も早い回復を期待したい。(M・K)
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編集 「葦牙」の会 牧 梶郎
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