「葦牙ジャーナル」77号(2008年8月) 巻頭言

葦牙ジャーナル 77号権力を取らずに世界を変える!

 ジョン・ホロウェイ(ohn olloa)の「権力を取らずに世界を変える(hange he World Wiho Taking Poer)」翻訳本を出しませんか? 
 友人の大窪一志君とJR総連の四茂野修さんから話を持ちかけられたとき、ぼくはイチもニもなく「そのハナシ乗った」と答えた。二人で共訳してくれるという。

 ホロウェイはイギリス人のマルクス主義哲学者で現在はメキシコに住む。先住民族を中心に組織されたサパティスタ解放軍の理論的指導者であり、本書はすでに11ヶ国語に翻訳されているが、日本語訳はまだ出ていない。

 六月末、ちょうど洞爺湖サミット反対シンポのため、『帝国』の著者マイケル・ハートらと来日中のホロウェイとも三人で会うことができ、たちまち日本語版発行の話はまとまった。

 国家を通じて世界を変えろ! これはぼくにとって馴染みのパラダイムだった。
「我々が国家を勝ち取ることができさえすれば(選挙であれ暴力であれ)、我々は社会を変えることができるだろう」。

 10年ほど前からこれが揺らぎ始め、とりあえず革命はカッコで括り、抵抗と叛逆のセンでぎりぎりまで頑張る、そんなふうに考えてきた。革命を至上価値とする発想にはあまりにも無理がある、との苦い経験からくる転換だった。

 そんなとき、ホロウェイの次のような言葉は刺激的に聞こえるのだ。
「21世紀の初頭に、もはや革命が不可能であることがはっきりしたのは、実際には、ある特定の型の革命概念が歴史的に敗北したことの反映にほかならないのです。その特定の型とは、革命を国家の支配と同一視する革命概念なのです」。
(川上徹)

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