いくらインターネットが発達したとは言え、新聞折り込み広告は、広告メディアとして
まだまだ重要なポジションにあると思う。近所のスーパーマーケットの特売情報など、
折り込み広告を活用している人は多いはずだ。
新聞折り込み広告の代表格と言えば分譲マンションだろう。
週末になると、新聞そのものよりぶ厚い広告が入ることもある。
(マンションの広告は上質紙を使っているから、特に厚いですね)
マンション(不動産)販売については、たくさんの問題が指摘されている。
駅歩の嘘、手抜き工事、見せ掛けの修繕積立金、注意点を数え上げたらキリがない。
それでも、マンション選びに関しては、様々な情報が提供されている。
本屋に行けば、「決定版マンション選びの鉄則」「こんなマンションに騙されるな」といった
タイトルの本が何種類も並んでいるし、テレビ等マスメディアで取り上げられることも多い。
確かに、一生で一番高い買い物が不動産であり、人々の関心を得るテーマだと思う。
僕も2年ほど前にマンションを買ったので、その手の調査検討はかなり真剣に取り組んだ。
重要な点のひとつに「新聞折り込み広告の読み方」が挙げられる。
典型的なマンション広告は、きれいな室内写真や完成イメージ図、あるいは街並みなどが
表面の一番目立つ部分を飾り、個別のセールポイントが大々的に取り上げられている。
バリアフリーだとか、フルオープンキッチンだとか、駐車場100%だとか、トランクルーム
完備だとか、留守でも受け取れる宅配ロッカーだとか。
持ち家に憧れる奥様たちは、こういった表面的な情報を見て、「こういうキッチンって素敵」
「これなら荷物の整理もできるわね」などと、夢を膨らませているのだろう。
しかし、マンション広告で注目しなければならない情報は、一番目立たない部分にある。
裏面の下の方に囲まれている、小さな文字がチマチマ並んでいる部分だ。
マンション情報の重要項目は、すべてここに凝縮されていると言っても過言ではない。
最近気付いたのだが、マンション購入とミシン購入にはかなり類似点が多いと思う。
マンションとの比較を考慮しながら、ミシン広告について考えてみたい。
今日、久しぶりにミシンの折り込み広告が入ってきた。
このコンテンツ「ミシンの迷信」を始めてから初めて入ってきた広告だ。
「相変わらずやってるなあ」と思いながら、僕はその折り込み広告を眺めてみた。
あるいは以前は見逃していた情報があるかもしれない。
表面には、例によってアイキャッチ効果の高い格安ミシンが2機種。
どちらも1万円そこそこのミシンである。もちろん写真付きだ。見た目は決して悪くない。
ミシン糸だのマグカップだの、ご成約プレゼントまで付いている。
裏面に掲載されているミシンは10機種。写真はその分小さくなっている。
(ちなみに悪名高い9800円の3本糸ロックミシンも載っている)
そして、お決まりの格安修理も大きく取り上げられている。
ミシンの調整いたします
3日間限り500円・出張費無料・直らなかったら無料
僕はこれを見て「おや?」と思った。
てっきりイカサマ修理だと思い込んでいたのだが、正確にはそうではないのだ。
ミシンの「調整」いたします
そう。これは「修理」ではなく「調整」なのだ。
500円で修理してくれるわけではない。調整してくれるだけなのである。
この修理サービス(いや、調整サービスだ)を頼んでも、サービスマンは来ないらしい。
営業員が来て、機械をちょろっと見て、「この状態だと修理代に3万円以上は
かかりますね。それでしたら新しいミシンを購入された方がいいですよ」
などと言うそうだ。
最初にこの話を聞いたとき、僕は詐欺ではないかと思ったのだが、別に詐欺でも
何でもないのだ。500円で修理するなんて誰も言っていない。調整するだけだ。
調整だけだったら、サービスマン(技術者)が来なくたって何も不思議ではない。
僕はこの事実に気付いて、このミシン販売会社のしたたかさを思い知った。
いわゆる「おとり販売」と揶揄されているミシン広告だが、法的には正当なのだ。
もっと詳細に読み込めば、おそらく色々な真実が見えてくるに違いない。
僕は改めて新聞折り込み広告を隅々まで舐めまわすように読んでみた。
その結果、僕はいくつかの重要な事実に気付くことになる。
|