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新聞折り込み広告の読み方(2)-重要なニュースは小さな声で語られる


500円(あるいは1000円)修理だと信じ込んでいたサービスが、修理ではなく調整で
あることに気付いて、僕にはピンと来るものがあった。

おそらく修理には高額の別料金を取るのだ。
広告の常識から考えて、おそらく修理費は別途かかる旨の記載があるはずだ。

公共広告機構のTVCFを見るまでもなく、広告は虚偽の内容であってはならない。
さらには、誤解を招くような表現もいけないし、説明不足であってもいけない。
従って、タダ同然の調整では済まず、有料修理の可能性があるのなら、その旨を
説明しておく必要があるはずだ。

ただしこれは、記載さえすればいいのであって、どんなに読み難くてもOKである。
虫眼鏡でも使わないと読めないほど小さな文字であってもいいのだ。

クレジットカードの申込書や保険証券の約款などで、誰でも経験があると思うが、
「こんなもん誰が読むんじゃ!」と怒りたくなるようなチマチマした文字が並んでいる
ことは珍しくない。あんなものを真面目に読む人は、まずいないだろう。

しかし、この誰も読まない部分に一番重要なことが記載されているのだ。
新聞折り込みのミシン広告を読み解く鍵は、小さな文字を見つけて精読することだ。
重要な情報は、小さな文字がチマチマ並んでいる部分に存在するのである。

ものの数秒で僕はその鍵を発見した。

「部品交換を要する場合は実費申し受ける場合があります」

ほら見ろ!
調整は500円だが、修理は実費なのだ。
「これだと3万円はかかりますね」というセールスの発言は、詐欺ではないのである。

そして僕は、その小さな文字が並んでいる部分に、ミシン訪問販売の真髄とも言える
文章を発見することになる。

「ご注文頂いた商品以外にもご説明させて頂く場合もあります」

決定的な文章だ。
ミシン訪問販売の実態を知っていれば、この文章はこう読み取れる。

「安いミシンの注文なんて聞かへん。高いミシン売り込みまっせ!」
(関西弁に特別な意味はないので深読みしないように)

マンション広告でも、この手の小さな文字列はひっそりと記載されている。
その重要性を知らなければ、間違いなく読み飛ばす部分だ。

しかし、マンション広告の場合、この読み飛ばす部分の重要性を力説する存在がある。
「週刊住宅情報」もあるし、住宅評論家などという人もいる。それらの存在のおかげで、
マンション購入を検討したほとんどの人は、小さな文字の重要性を知っているだろう。

ミシン業界には、小さな文字の重要性を訴える人がいるだろうか?

家庭用ミシン販売の問題点は、色々なところで色々な人が指摘している。
指摘される問題点は、3種類に大別できるように思う。

⇒大量ラインアップでユーザと販売店を混乱させるメーカが悪い。
⇒ユーザの無知に突け込む販売店が悪い。
⇒商品知識のないユーザが悪い。

僕にはどれもあまり建設的な意見とは思えない。
「あいつが悪い」「いや、こいつが悪い」と、自分以外の誰かを罵っているように見える。
そんな状態が続いている限り、誰もどこにも行けないことは明らかだ。

当面は、ユーザが自己防衛のために利口になるしかないのかもしれない。
しかし、ユーザを重視しない業界は、必ず衰退することは歴史が証明している。
誰かがどこかで風穴を開けなければ、ミシン業界に未来はない。


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