いざ行かん!
それは、私たちが名古屋でよくお世話になっている中国料理店のオーナーシェフ氏の失敗談から始まった。
シェフ氏「銅鑼灣の時代廣場の前にある池記をご存知ですよね?」
Kei「はいはい、東京にも支店があるという有名な店ですね」
シェフ氏「香港に行った時、そのワンタン麺を食べようと思って行ったんですよ」
Ham「どうでした?」
シェフ氏「おいしかったんですよ。それで『さすがに池記のワンタン麺はおいしいですね』と店の人に言ったら、『おととい来やがれ』って言われちゃいました」
Ham&Kei「え?どうして!?」
シェフ氏「店を出てから気付いたんですが、池記に入ったつもりが隣の珍味に入っていたんですね。ハハハッ」
Ham&Kei「…」
池記は日本に進出しているほどの有名店だが、珍味もガイドブックに登場するくらいだから、まんざら無名ではない。
私たちは、ただでさえ競争の激しいこの香港において、隣り合わせた店での想像を絶するような確執を予感し、この目で、この舌で、優劣を判定しようと試みることにした。
珍味粥麵
まずは、オーナーシェフ氏の行った珍味だ。
オーソドックスに鮮蝦雲呑麵(エビワンタン麺)と、少し変化をつけて(変化をつけたつもりで)鮮蝦雲呑撈麵(エビワンタンあえそば)を注文した。

左の鮮蝦雲呑麵は、まさにオーソドックスな味だ。
大き目のエビが丸ごと入っていて、プリプリした食感がよい。
なるほど、これはオーナーシェフ氏がおいしいと言ったのも道理だ。
右の鮮蝦雲呑撈麵は、エビワンタンスープ&オイスターソースのかかった麺の組み合わせ。
写真ではわからないが、麺の下には菜心(サイシン)が隠れている。
ワンタンスープとオイスターソースのあえそばという、1品で2度おいしいすぐれものだ。
麺をスープに入れればワンタン麺としても楽しめるし、もちろんそのままでも楽しめる。
普通のワンタン麺より割高だが、楽しさの方はこちらの方が上手だ。
ちなみに、この店は10%のサービス料が加算される。
池記雲呑麵家
店の雰囲気はこちらの方がオシャレな感じだ。
客の入りも悪くないし、これなら、期待が持てるかもしれない。
単純比較できるように、全く同じ名前のものを注文した。

左の鮮蝦雲呑麵(エビワンタン麺)のスープは少し薄めだが、コクがある…まさか化学調味料の味ではないだろう?
全体の味が薄めなので、化学調味料の味が前面に出てきたような感じだ。
ワンタンはゆで過ぎで皮がブヨブヨ、これはいただけない。
エビは小振りで、食べると胡麻油の強い香りがするのだが、少しいやな匂いが残る。
エビの鮮度がよくないのだろう。
ワンタンこそ小さいが、麺の差はあまりない。
右の雲呑撈麵(エビワンタンあえそば)は見た目が全く異なる。
ワンタンが麺の上にあり、ワンタンあえそばにスープ添えというもの。
しかも野菜がない!
オイスターソースはタップリかかっていて、麺をスープに入れるのは難しい。
判定
この勝負、改めて言うまでもなく、珍味粥麵の勝ち。
これだけ明確な差が出るとは予想外のことだった。
ただ、客の入りは池記の方でもかなりよく、オシャレというキーワードが影響しているのだろうかと思った。
【2003年2月】
◆珍味粥麵 香港銅鑼灣羅素街54號(2003年閉店)
◆池記雲呑麵家 香港銅鑼灣羅素街52號
参考:香港の番地表示は通りの片側が偶数、反対側が奇数となっており、52號と54號はまさに隣同士。
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