亮太君は山に登ってみようと思いました。あのきこり達に会えるのではと思ったのです。
里山町は山と海に挟まれた街なので山はすぐそこです。亮太君は小学校の遠足で朝日山に登ったことがあります。この山の中腹には浄水場があり、遠足はこの朝日山浄水場内の芝生でおにぎりを食べたのでした。
また朝日山の奥にはさらに高い山々が連なっていて町全体の8割までが山なのだそうです。
亮太君は手軽に登れる山はないかと社長に聞きました。
「朝日山に登るんだな」と言われたのです。
中腹の浄水場までは舗装されていて歩きやすかったのですが、そこからは本来の登山道で一人が通れりほどの細い道でした。
朝日山は標高500mほどですが亮太君は慣れない山道で息を切らしました。
やっと頂上に着くと社長が話していた奥へ続く細い道がまっすぐに伸びています。
そして山々は見渡すかぎりに広がり、木々がひしめき数え切れないほどの葉っぱが重なり合っています。それらは光を求めて枝を四方八方へ伸ばしていました。生存への静かな戦いが繰り広げられているのです。
亮太君には助けを求めて腕を伸ばしているように見えたのでした。
これらは明治の初期に植林されたものだそうですが、今は輸入木材に押され手入れをされることなく森は荒れ放題になっているのです。
山の維持管理が難しくなっていると聞いています。
亮太君は奥へ進んでみようと思いました。