森のいのち(1)

Copyright(c)2001-2007 by MAR-YAN. Allrights reserved.

 山並みが幾重にも見え隠れし、振り返れば銀色の大海原、澄み渡った大空をかすかに冷たい風が吹きはじめました。

 リョウタ君とユウちゃんはお気に入りの場所でキャンプの初体験です。
 ここは小川の源流に近く、不思議な沼にも5分くらい、周りには木々がまばらにあって、その陰が適度に強い光をさえぎります。

 リョウタ君はここで昼寝をするのが好きなんです。
小枝の囁き、小鳥のさえずりをBGMに、エゾリスやキタキツネが姿をあらわします。木々の葉や草の緑が光合成で香り輝くこの場所で、だれにも邪魔されない時間を独り占めするのです。

 リョウタ君は土日の連休ですがユウちゃんは休むのが大変です。
このために1週間の残業をし先輩のご機嫌をとったのでした。

 重い荷物はリョウタ君が、衣服などはユウちゃんが担ぎました。浄水場まで乗ってきた車は隣の空き地に止めたので後は楽な道のりとなりました。

 到着するとリョウタ君がテントの設営をし、ユウちゃんは荷物の片付けと夕食の段取りなどを済ませました。
まだ夕食には早いのでリョウタ君は散歩に出かけ、ユウちゃんはテントの中で小休止です。
ユウちゃんは連日の残業の疲れが出たのか、そのままぐっすりと眠ってしまいました。

 つづく

Top>Novel .5