マラソンの歌8/9号ー2
  





五年目の寒の満月巡り来ぬ吾が歌心を誘ひし月

歌心を誘ひし月冴え渡る節くれて立つ裸木透かし

一年のめぐりの早し今年また同じき人の伴走に出づ

新玉の光りあまねく暖かし辛かりしかな去年の大会

多摩川の中洲にかもめが群をなす海鳥なると思ひをりしに

転ばせし轍踏むまじと慎重に折り返し点の狭きを導く

警戒を過ぎて厚着が災ひし吾が導く人の足の重たし

これしきと思ふ窪みにけつまづく疲労困憊足の上がらず

引くを避け引かれむとすを拒みつつ吾の役目を案内に徹す

温き陽に救はれてゴールイン今年もしんがり吾ら担ひて

帰るさをラーメン「つかさ」に立ち寄れば大サービスの歓待を受く

いつの日も半袖姿の主なりウルトラランナーにても名高く(間仁田 宰氏)

感動し「車椅子のうた」くりて読む伴走仲間の友貸しくれて(渡辺 蔚氏)

身障の君が車を吾押さむ「マラソンの歌」たどり下され

開催日 平成3年1月13日
主催地 神奈川県川崎市
参加種目 30km
記録 4時間05分?
解説 昨年同様伴走者として出場、視覚障害者も同じく勝又誠子さん。
「つかさ」=店名
「車椅子のうた」著者鈴木邦治・光子夫妻「続・車椅子のうた」著者鈴木邦治氏、同氏は車椅子の生活四十余年、当年九十才にて山形市在住、点訳奉仕活動により生存者叙勲(勲四等瑞宝章)を受賞する。
「山の辺」4月号  NHK学園「短歌友の会」5月号


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