あの頃を懐かしむ部屋    

アメリカの音楽誌『ビルボード(THE Billboard)』に掲載された20年前のNo.1シングルを紹介しています


1988年6月18日付 (2008年6月18日掲載)

【掲載終了】

順位 曲名 アーティスト名
1位

Together Forever … 1週No.1
トゥゲザー・フォーエヴァー
リック・アストリー公式サイト(英語)
♪You Tube


マイク・ストックとマット・エイトケンが初めて会ったのは1978年のことである。当時、ストックはミラージというバンドをもっていた。「僕は飲んだくれのギタリストを辞めさせた。そしてマットのことを知って、連絡を取り合った。ある夜、彼はライブに加わるために現れたんだ」。ストックの家には広い地下室があり、スタジオが作ってあった。2人は一緒に曲を書き始め、プロデュースのやり方を研究した。彼らは売るためのレコードは作らなかったが、BBCラジオのために生演奏をしたりした。

「マットと一緒にやっていくうちに、お互いの考え方が近づいていった。理想のポップミュージック観が同じになっていったんだ」とストックは言う。彼らの最初のヒット曲はヘイゼル・ディーンの「ホワットエヴァー・アイ・ドゥ」で、全英チャート4位となった。「デッド・オア・アライヴ」というバンドがそのレコードを気に入って、僕たちにプロデュースを頼んできた」とストックは語った。これがストックとエイトケンにとって最初の全英No.1ソング「ユー・スピン・ミー・ラウンド」につながった。

1984年、ストックとエイトケンのコンビにピート・ウォーターマンが加わった。ウォーターマンはそれまでピーター・コリンズ(ミュージカル・ユース、ニック・カーショウを手掛けた)と一緒にプロデュースしていた。ストック、エイトケン、ウォーターマンはすぐにヒットメーカーとなった。彼らが手掛けたアーティストにはメル&キム(「ショウイング・アウト」)、サマンサ・フォックス(「タッチ・ミー」)、バナナラマ(「ヴィーナス」)、怪優ディヴァイン(「ユア・ア・マン」)などがいる。

ウォーターマンがリック・アストリーを初めて見たのは、労働者階級が集まるクラブだった。その後、ストックとエイトケンもその若い歌手に偶然出会った。「スタジオに下りてきた時、リックとわかった。僕は彼がテープオペレーターとしてここで働いていることを思い出した。彼が歌っていることは知っていたけど、ここでお茶を入れるヤツとしか思っていなかったんだ。彼は内気だったから、自分だけの世界から飛び出す必要があった。最後には、僕たちが手掛ける他のポップスターにもお茶を入れるようになったよ。少しは自分の殻を破ることができたのかもね」。

「初めて彼の声を聞いた時は、たいていの人と同じように、僕もマットもビックリした。でも、正直言って彼の声が僕の好きな声なのかどうかさえ、わからなかったよ。リックのデモテープは録音がひどかったんだ。でも、彼が天性の独特の声をもっているのは聞き取れた」。

スタジオ経験のないシンガーとの録音は難しかった、とエイトケンは回想する。「リックはスタジオの経験があまりなかった。ライブは十分に経験していたけどね。バンドとやるのとスタジオでレコーディングするのとは全然別なんだ。リックは自分のすべてを出そうとした。僕たちはこれまでの経験から、歌が良くなるようにと彼の歌い方を直した。彼は初めはそれに慣れるのが大変だったようだ」。

「トゥゲザー・フォーエヴァー」は、明らかに「ギヴ・ユー・アップ」のあとを受ける曲として作られた(イギリスでは、2曲の間に「ホエネヴァー・ユー・ニード・サムバディ」「恋に落ちた時」が出された)。「他の曲を全部仕上げ、聴き返してみて考えた。みんなはもう『ギヴ・ユー・アップ』を買っている、今度のアルバムの中に、あれに匹敵するような曲はあるだろうか?とね。だから、リックの実力をみんなにわかってもらえる曲、『トゥゲザー・フォーエヴァー』が必要だと思ったんだ」。


↑私にとっては、洋楽を聴いていた時期の晩期を象徴する曲。このあたりから段々と洋楽から遠ざかっていきました。それにしても、リック・アストリー、前作に続いてなかなかキャッチーな曲ですね。日本でも話題になっていましたが、当時、彼が出演していた三ツ矢サイダーのCMが懐かしいです。

で、その後のリック・アストリー。1990年代は低迷していたようですが、2005年にリリースした『Portrait』がイギリス国内でヒット。今も自国を中心に活動しているようです。


※長い間、お読みいただき、ありがとうございました。

Rick Astley
リック・アストリー

2位 One More Try
One More Try
George Michael
ジョージ・マイケル
3位 Foolish Beat
フーリッシュ・ビート
Debbie Gibson
デビー・ギブソン
4位 Dirty Diana
ダーティー・ダイアナ
Michael Jackson
マイケル・ジャクソン
5位 Make It Real
メイク・イット・リアル
Jets
ジェッツ

※文章は『ビルボード・ナンバー1・ヒットIII 1985〜1988』(音楽之友社)を参考にまとめています


おまけ(2000年7月23日掲載)……ANB系「ベストヒットUSA」より1987年のTOP 87(アメリカ音楽誌『R&R』)