子どもたちのトラブルも、「子どもたちのよさ」の発見につながる場合がありま
す。だから「トラブル」があった時は、場合によって「チャンス」でもあります。

学級通信 ホップ  第27号  5月17日

    水槽がこわれた!

■「先生、4年教室の水槽がこわれて、水が教室に流れています!」
 昨日のそうじの時間、1年生の教室掃除の手伝いをしていた私にSさんとMさん
が教えにきてくれました。
 1年生にはまだ掃除が大変ということで、4年生が掃除をするシステムになってい
ます。4年生の教室から1年生の教室までは結構距離があります。だから、二人と
も少し息がはずんでいます。私がすぐに教室に向かおうとすると、今度はD君が「大
変!大変!」ととんできました。

■「教えてくれてありがとう」
とまず言いました。
 そもそも、水槽が割れるという経験は初めてです。廊下を歩きながら、いくつかの
心配をしました。
・教室が水浸しで、学習用具等にも被害がいったのでは?(水槽はカラーボックスや
 ロッカーの近くにありました。)
・ガラスが割れたのだから、ケガをした子がいる可能性もある。
・何よりも、子どもたちがパニックになっているのでは?

■不安げに行ってみると、子どもたちはぞうきんで水を絞り、バケツにどんどん水を入
れていました。その行動も落ち着いたものです。まずは、一安心。
 そんな中でH君が「魚は大丈夫かな?」とつぶやきました。私は、ハッとしました。
割れた時に、魚のことは思いつかなかったからです。子どもの生き物に対するやさし
さです。
「そういえば、魚は?」
 あわてて聞くと、ちゃんともう一つのバケツに入れていました。

■「さすが4年生、こんな時にもきちんと対処できるんだなあ」と感心して、割れた水槽
を教室から持ち出しました。
 戻る途中、廊下でY君とNさんと会いました。プラスチックの水槽を持って、「先生、これ
をさがしてきました。使っていいですか?」と聞きます。
 学校でいくつか買っておいたものの一つです。二人の頭の中には、「魚がバケツの中だ
ったらかわいそう」という考えがあったのでしょう。そして、水槽探しの行動にうつったので
しょう。そのやさしさと自主性。

■次から次へと子どもたちのやさしさが出てきて、私はうれしくなってしまいました。5時間
目のはじめに子どもたちに、そのうれしさを話しました。

  みんなも知っているように、学級の水槽がこわれてしまいました。
  水槽はなくなってしまいましたね。でも、それよりももっともっと大きなものを得たような
 気がします。
  それはみんなの「やさしさ」です。教えにきてくれた人、一生懸命に水をとってくれた人、
 魚のことを心配してくれた人、別の水槽をもってきてくれた人・・・みんなやさしいです。
  そのやさしさに拍手を送りたいと思います。


■ところで、なぜ水槽が割れたのかと思った方もいると思います。自在ぼうきの棒の部分が
間違ってあたってしまったのだそうです。もちろん、責められることではありません。
 でも、帰りの会、その子から「ぼくが、間違って水槽をわった時に、みんなが手伝ってくれて
ありがとうございました。」と感謝の言葉を述べてくれました。それが自然に出てきたことにも
拍手です。

■ハプニングがあっても、それが時には道徳教育のいいチャンスとも言えます。そんなことを
感じました。

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