まえがき
1993年9月22日。
アメリカ合衆国のオレゴン州ポートランドに向けて飛行機は成田を
飛び立った。
いよいよ2ヶ月にわたる文部省若手教員海外派遣研修が始まった
のである。
この研修の連絡を受けたのは、その年の6月だった。家庭訪問期
間中なのに、教育委員会に来るように言われた。
行ってみると、教育長に「おめでとう。海外研修に選ばれました。
アメリカ合衆国、オレゴン州です。」と話してくださった。
それから研修まで、あっという間に月日が過ぎて行った。筑波で
の4日間のオレゴン団の研修、2ヶ月間の滞在のためのこまごまと
した物の準備、学校の仕事の引継ぎ等々。
英会話の勉強をしておこうと思ったものの、結局は満足にはでき
ずじまいだった。
そんな中で突入した海外研修。不安な気持ちはすぐに吹っ飛んだ。
同じオレゴン団の仲間がいたからである。
さて、研修は大きく3つに分かれていた。
■最初の10日間・・・・今回の研修のためのオリエンテーション(ポー
トランド)
■次の30日間・・・・・・ホームステイ―をしながら、小学校に実際に
通う。(ポートランド)
■最後の20日間・・・・各地の教育施設での研修。(ポートランド、ワ
シントンDC、ボストン)
地方の一教師にとっては、2ヶ月の研修は毎日が新鮮であり、カル
チャーの連続であった。
このエッセーはその時に感じたことを記したものである。
今や海外にどんどん旅行に出かける時代である。
アメリカ合衆国の見聞録といっても珍しくない。
しかし、私は旅行者としてではなく、短期間ではあるが実際に住ん
だ人の眼でアメリカ文化に接することができた。また、小学校研修に
しても単なる参観者ではなく、授業者という立場になることができた。
そのような視点からの研修記ということを意識して書いたつもりで
ある。
ここに書かれていることが、海外の様子、あるいは海外の教育を
知る上で、少しでも参考になれば幸いである。
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