★ エイリアンなのに


 アメリカは他民族国家である。街をあるいているといろいろな人種に
出会う。学校でも同じである。私の行った小学校は白人が多かったも
のの、黒人もアジア系の子も必ずクラスにいた。いろいろな人種が交じ
り合っているのが、ここアメリカでは普通なのである。
 だから我々が団体で行動しても珍しがられることはなかった。
 これが日本だったら、やはり違うであろう。数人の白人がお店に入っ
てきたら、やはり珍しがって、そちらの方に目がいってしまうに違いない。
 さて、アメリカ人は我々をエイリアン(外国人)とは見ない。そこで、い
ろいろなことを聞かれた。

 その1 「今、何時か?」
 電車を待っているときのこと。数メートル離れたところで、黒人が「ファ
ット・・・・!」と言っている。そのまま聞き流していると、また同じことを言
っているみたいである。
 そしたら、今度は「ウォッチ!」と言う。時計がどうしたのかと思って、そ
の黒人を見たらこちらを見ていた。つまり、私に時間を聞いていたのであ
る。

 その2 「ここはどこ?」
 学校から徒歩で帰る道。一台の車が私のところで急停車する。50代
ぐらいの女性が話しかけてくる。でも、早すぎて何を言っているのか聞き
取れない。
「あー、この人は小学校関係の人で、きっと好意で車に乗せてあげよう
としているのだ。」と思った。そこで、「ノーサンキュー。歩いていくから。」
と言うと、「ノー、ノ―。道の迷ったのよ。」と言う。
 何のことはない。道に迷ったから歩行者の私に聞いただけである。私
もわからないから、「アイ・ドント・ノウ」と答えた。

 岩手にいて、外国人に時間や道を尋ねる人はまずいないであろう。
 ここに単一民族国家と多民族国家の違いを感じた。


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