■漢字の計算問題を楽しもう
★ ゲームのやり方
(1) 漢字を分解して計算問題を作ること、そしてそれを解くことを説明する。
(2) 漢字を分解した計算問題(例・「糸+吉=結」)を、ノ―トに書く。決められた時
間に数多く書くことを競う。
(3) 考えた問題を板書する。
(4) 問題を解くことを楽しむ。 (授業は5年生で実施)
★ 授業の流れ
最初に、『これから漢字の計算問題をします』と言う。
「えっ?」「どういうこと?」と子供たちは反応する。
「漢字の計算」のところが引っかかるのである。
続いて、ゲームの説明をする。
『たとえば、「糸へんに吉」と書けば、何という漢字になりますか。そうですね。「結」
という漢字になります。これを計算の式に表すと、糸+吉=結(縦書きで板書)となる
わけです』
「あっ、そうか」「簡単、簡単」という声が出てくる。
『ただし、注意があります。
(1) 三つ以上の計算でもかまいません。
(2) 計算に出てくるものは漢字で読むことができるものにします。
たとえば、「さんず
い」などは入りません』
ここで、子供から「たし算だけではなく、かけ算でもいいのです
か」という質問が出て
くる。それでも構わないことを伝える。同様
に、引き算でも割り算でもいいのですかとい
う質問にも構わないと答える。
さらに、「教科書を見てもいいですか」という質問も出てくる。
後ろに漢字一覧がつい
ているからである。これもいいこととした。
『では、3分間で作ってみましょう。多く作るほどいいです。用意、はじめ』
子供たちはさっそく取り組む。
「木+目=相」「田+心=思」と いうように、二つの漢字のたし算が圧倒的に多い。
それでも中には、「人+立+口=倍」という三つの漢字の組み合
わせの子もいる。
『おっ、〇〇君は3つの漢字の計算を書いている!』と言うと、
「ぼくもです!」という反
応が返ってくる。
『もう、計算問題を4つも書いたの?』と言えば、「わたしは5
つです」という声。
このように、実況中継を入れながら子供たちの様子を見る。
『はい、3分です。いくつ書くことができたか聞いてみましょ
う。一つの人? 二つの
人? ・・・』
このように、テンポよく聞いていく。一番少ない子で6個の問題
作成である。6割の
子が10個以上作ることができた。一番多い子
は16個。 数多くできた子に大きな拍
手を送る。
問題作成が終わり、今度はその問題を解いて楽しむ番である。
『では、作った問題を発表して、みんなに解いてもらいましょう。
ただ、みんなが書い
ている問題だと、筆順通りに近いものが多いの
で簡単に解かれてしまいます。たとえ
ば「田+力=男」(板書)と いうようにです。それを「力+田」というように並びかえるとい
い です』
「なるほど」という声が自然に出てくる。
『10人が黒板に書きます。一人一問を書きます。解く場合には
答えだけ書きなさい』
と言い、10人をランダムに指名する。教師
はあらかじめ黒板に(1)から(10)の記号を書い
ておき、子どもたち がすぐに書くことができるようにしておく。
板書を見ながら一気に問題を解く子どもたち。問題を書く子たち
も自分の選りすぐりの
一問を書いたら、すぐに問題を解きはじめ る。
さて、子どもたちが板書した問題で、おもしろかったものは次の
ようなものである。
・日+日+口 (答え・唱、意外と正答率が高くない)
・口+日+刀 (答え・昭、これも正答率が高くない)
・木×3 (答え・森、問題は簡単だがかけ算を使っている)
・口+十 (答え・田と叶、二つの答えになる)
子どもたちの板書した問題は2口、あるいは3口のたし算の問題
が多く、割と解きやす
かったようである。
全問正解は4割ほど。その子たちと、先のような工夫した問題を
作った子たちに拍手を
送る。
問題を板書していない子の中には、自分の作った問題をぜひ発表
したいという子もいる。
そこで、次のように言う。
『では、最後に難問コーナーです。発表していない人で「これは難
問だ」という問題を作った
人は、板書しなさい』
出てきた問題は次のようなものである。
・心+目+木 (答え・想)
・力×3+十 (答え・協)
・日+一+十 (答え・車)
さすがにある程度自信のある子たちの問題だけに、正答率は高く
なかった。だから、解
くことができた子たちからは、「イエー イ!」という声が自然と出てきた。
解くことができた子、そして、その問題を作った子たちに拍手を
送りゲームを終える。
★ 伝言板
この学習ゲームのあとに、『家庭学習でこのような問題を作って
も構いません』と言った。
すると、翌日6人の子どもたちが取り組 んできた。
子どもたちの作った計算問題が「漢字の成り立ち」を説明してい
るものになっている場合
には、その説明を付け加えると漢字への興 味は高まるであろう。
また、教師自身も「難問」を作成して最後に出すと、子どもたち
の意欲は高まると思われ
る。 なお、このゲームは「『漢字算数』解けるかな」(上條晴夫『漢字あそびベスト50』民衆
社 18〜19ページ)を参考にした。
トップに戻る