★初めての教育実習

 今まで教育実習生を3回受け持っている。その時に学級通信に自分の教育
実習の思い出を書いてきた。これは、最初の教育実習の思い出である。

 以前、水沢の本屋さんの教育書コーナーに行って驚いたことがありました。私
の教育実習(秋田の小学校です)の時の担当教官の著書があったからです。
『国語ワークシートの開発』という題名のその本をさっそくぱらぱらと見ました。
そしたら、「さとうよしかず(仮名)」という名前が書いてある実例プリントがとびこ
んできました。
 私の記憶は一気に大学時代に戻されました。

 大学3年生の教育実習で、私は2年生の配属になりました。学年3クラスで、
実習生は6人ぐらいずつ配属されます。担当の教官はK先生。40代半ばで、言
葉づかいがとても丁寧な国語が専門の先生でした。
 K先生は、初日に私たち実習生に国語の授業を見せてくれました。その時に、
大きな目を輝かして生き生きと発表する子がいました。その子が「さとうよしかず」
くんなのです。今はもう、27歳の立派な青年になっているはずですが、私の記憶
の中では、いつまでも小学校2年生です。
 その時の実習の思い出はいろいろあります。

・授業で、「みんな想像してください」といったものの、2年生だから「『そうぞう』って
 どういういみ?」言い返され、うまく説明できず冷や汗をかいたこと。
・3週間の実習の最後3日間、K先生が出張で不在だったので、6人の実習生で授
 業をどうにかやりくりしたこと。
・実習日最後の日、打ち上げのお酒のうまかったこと・・・・等

 実習生は毎日、「実習日誌」を書きます。K先生の授業を見て、生意気にも私は、
やや批判めいたことを書きました。

 子供たちの発表で、聞いている子供たちが発表の途中でもよく拍手をしていた。
(このクラスでは、友だちの発表で共感する部分があったら、拍手をするようになって
いた。) しかし、2年生の子供は、本当にいいと思って拍手をしているのだろうか。
ただ形式的にしているのだったら、させる必要はないのではないか。

 さっそく、次のような意味の返事をいただきました。

 大事なのは、「2年生だからできる、あるいはできない」というのではなく、「友だち
の発表に共感できる子を育てる」ということです。

 
 この時、初めて私は「教育」の「育」の部分を具体的に認識しました。そして、このこと
は無意識でありながら、いまだに私の頭の隅に常に意識されていたことだと思います。
たとえば、子供をしかったあとに、「叱って子供の何を育てたか」と自問自答します。そし
て、「意味のない叱り方をしたのではないか」と反省することもあります。

 いずれK先生が本を出されたことにより、改めて「育てる」ことの大切をかみしめていま
す。教育実習生のT先生も何かしら学んでくれれば・・・と思っています。

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