目指せ世界一の工場

■どの地域にもある優れた工場
 日本の産業を支えている技術者たちの気概は、我々が誇るべきものである。
 本来であれば、「世界一あるいは日本一」と言えるような技術を持つ工場を実
際に見学をすることができればいいのであるが、近くにない場合には、時間的・
物理的な制約上難しい。
 しかし、それは逆に言えば、自分たちの地域にある優れた工場を教材化できる
チャンスと言ってもよい。
 どの地域でも、技術で業績を伸ばしている工場があるはずである。
 そして、その事実は「自分たちのまちにもこんなすごい工場があるのだ」という
共感につながるはずである。
 宮古にもそういう工場があった。「東北ヒロセ電機」(本社・東京)というゲーム
機・携帯電話のコネクタを中心に生産する工場である。不況の中で厳しい経営が
続く宮古の工場の中で、確実に業績を確実に伸ばしている。その秘密は、製品の
高度な生産技術と品質管理体制にあり、海外にも数多く輸出されている。
 ところが地元に住む同僚の先生方にもこの事実はあまり知られていないし、ま
してや子供たちも知る由もない。

■実際の授業(単元名・「宮古の部品工場」)
 事前に工場に取材をしてから、次のような形で授業を行った。

★1時間目(見学の事前学習)
発問1・「今は不況」ということが新聞などで言われています。「不況」とはどういう意
    味ですか。
発問2・「東北ヒロセ電機」は宮古の赤前にある工場です。次のような新聞記事があ
    ります(業績好調で大型連休も休みなしという記事)。思ったこと、気付いたこ
    とを書きなさい。→発表
発問3・東北ヒロセ電機にはスローガンがあります。「目指せ、□一の工場」です。何
    一だと思いますか。(「世界一」)説明1・何を作っているのか、これから説明を
    します。(工場から借りたコネクタの実物を見せて説明をする。)
発問4・このような小さなものを作る時に難しいことは何ですか。
発問5・これらのコネクタ部品はどこに送られていると思いますか。(海外)
発問6・この不況でも、宮古でこのように元気な工場があります。次の時間に見学をし
    ます。聞きたいことを書きなさい。

★2〜4時間目(見学と事後学習)
見学・工場内を見学し、その技術を目の当たりにする。子供たちは、様々な大型機械の
  種類の多さ、手作業での緻密な不良品検査、不良品の割合の低さ(1 以下)に驚
  いていた。また、行く部署ごとに元気よくあいさつをされ、その活気にも圧倒されてい
  た。質問タイムでは、前時での疑問に数多く答えてもらった。

発問1・工場見学で、君たちが見つけた東北ヒロセ電機が元気な秘密を発表しなさい。
発問2・わざわざ宮古に工場を作った理由は何だと思いますか。(道路網の整備、労働力
    の確保→競合する工場は地元にない)
発問3・このような工場が宮古にあることをどう思いますか。

 最後の発問で子供たちは、「この近くにも優しゅうな工場があると思わなかった。すご
い。」「まだ、県内一ではないけど、やがて県内一になって、スローガン通り世界一になっ

てほしい」といった感想を持った。(これら「宮古の部品工場」の発問の一部は、吉田高志
先生のホームページ「すぐに役立つ社会科授業全発問・全指示」を参考にした。)
 このように地域に誇りを持たせるような授業をこれからも数多く行うことが、これからの自
分の使命だと考えている。

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