★ ホームパーティー
ホームステイ―中に、アンの息子のスティーブンのバースディーパーティーが
あった。
スティーブンは誕生日を迎えると23才。オレゴン大学で英文学の勉強をして
いる。背がとても高く(190cm)、いつもニコニコしている好青年である。
オレゴン大学は、アンの住んでいるポートランド市から160km離れたユージ
ーン市にあり、姉のベッツィと一緒に住んで、大学に通っている。
さて、バーティーの日。この日は、すでに結婚してサンフランシスコに住んでい
る長女のジェニファーもかけつけてきた。聞くと、全部で12人集まるという。
ほとんどが初対面の人で、しかも英語、英語の嵐なので少し気が重かったが、
アメリカ人の若者たちのパーティーを見るのも悪くないだろうと気を取り直して参
加した。
パーティーの開始時刻は7時。その10分前からポツポツと人が集まり始めてい
る。でも、アンは全然料理を作り始めない。テーブルの上には、グラスと皿をきれ
いに並べたのにである。
集まった人は、皆リビングに行って話をしている。
各自ビールやら、ジンやら、ワインなどをそれぞれ飲んでいる。食べるものはクラ
ッカーだけ。私のほかにも、初対面の人どうしがいるみたいで、ホッとする。日本の
ことについて、いろいろと聞かれるので、答えているうちに1時間半がすぎてしまっ
た。
みんなが席についたのは8時半。それから料理とワインが出てくる。といっても、
豪華な料理というわけではない。2種類のパスタとサラダだけである。なるほど、
これならば7時になっても準備する必要はないわけである。
すぐにみんな食べ終わるのかと思ったら、なかなか食べ終わらない。量が多いか
らではない。みな、会話を楽しんでいるのだ。本当によくしゃべる。
だいたい食べ終わったところで、ケーキに23本のローソクが立てられる。そして、
型通りの「ハッピーバースディー」の歌と共にスティーブンがローソクを吹き消す。
あとは、そのケーキを食べるのだが、これまたなかなか食べ終わらない。なぜか。
そう、例によって会話を楽しんでいるからである。
気がつくと、みなカードをスティーブンに渡している。私は、ミニだるまをプレゼントし
た。「あなたが幸せになった時に、片方の目を入れてください」というメッセージを添え
て。
結局、パーティーが終わったのは11時半。4時間半もあの料理とケーキだけで楽し
んだわけである。
つまり、こちらのパーティーは、料理よりも会話や雰囲気を楽しむのが第一なのだ。
我々がバースディーパーティーを聞いて連想するのは、豪華な食事とプレゼントであろ
う。ところが、彼らにはそのどちらもない。
実に質素であり、そして気軽である。
いつだったかアンにスクールカウンセラーのホームパーティーがあるから、そこで夕
食をとろうと言われて、行ったことがあった。
集まった人は約20人。各自が一品ずつ料理を持ってくる。ある人はピザを用意し、
ある人はサラダ。また、別の人はコーヒーやケーキを用意するといった具合。あとは、
各自が好みに合わせて選び、会話を楽しむわけである。
なるほど、これなら手軽である。
会合というと、すぐにどこかのお店の予約を連想するけど、時にはこのような会を開く
のもいいものだ。もっとも、そのためには、かなり広いリビングが必要だけど・・・。
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