★ 教会とオぺラ
このアメリカ研修で、マラソンの他に初めて経験したことがいくつかある。
日曜日の教会通いとオペラ鑑賞である。
アンにホームステイの初日に、「こちらの人と一緒の生活を送りたい」と言
っていた。そこで、クリスチャンであるアンと一緒に教会に通うことになったわ
けである。
といっても全てのクリスチャンが教会に通うというわけではなく、一部だそう
である。町のほとんどの店は日曜日の午前中は閉店である。これは、教会へ
行きやすくするための配慮もあると思う。
その教会。祭壇で話している司祭の言っていることは英語だから、ほとんど
わからない。ただ、みんなで集会活動の呼びかけみたいに話したり、美しい賛
美歌を歌っているうちに、「1週間に一度、1時間でもこのような心が洗われる
時間を持つことは貴重だな」と感じてきた。
私の日常生活を振り返ってみて、そのような時間はないに等しい。だから、こ
の経験をしてからは、「自分なりに己の人生を考える時間を30分でも確保する
ようにしよう」と考えるようになった。
オペラ鑑賞は、ホームステイに入る前、英会話の研修をしている時に、キャロラ
イン先生が、「夜、何で楽しみましょうか」と言った時に出てきたものである。日本
でもなかなか見ることができないと思い、行くことにした。
「カルメン」である。チケットは53ドル。高い席は87ドル、安い席は27ドルから
あるという。
この値段が高いのか安いのかはわからない。ただ、森下さんの話しだと、「日
本で見たら、1〜2万円はするだろうな」ということなので、きっと安いのであろう。
さて、いざオペラ。フランス語なので、全然言葉の意味がわからない。でも大丈
夫。ステージの上の部分に英語のスーパーが出てくる。まわりの観客もそれを見
ながら鑑賞している。
印象に残っているのは、ストーリーよりも、主演男優、主演女優の迫力のある歌
声である。あの広いホールに響きわたるのであるから、すばらしいものである。
そして、それを支える観客たち。立って「ブラボー!」と拍手するあの雰囲気の中
で、自分も貴族に近づいた気持ちになった。
ただ、恥ずかしかったことが一つ。
キャロライン先生が、「カジュアルな服装でいい」というので、みんなでラフな格好
で出かけた。
ところが、シアターに来てみると、ほとんどがフォーマルな服装をしているではない
か。中には黒のタキシードと白のドレスのカップルもいる。
わが身はトレーナーにチノパン。
早くライトが消えてほしいと思ったものである。
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