連載 私の教材開発物語 第26回

               「教材開発を楽しむ」

                  佐藤 正寿(岩手県・水沢市立水沢小学校)

  
 最近、自分の教材開発(主として社会や総合)の方法について簡単にまとめ
る機会があった。特別な方法があるわけではない。ただ私自身が楽しんでい
るのは事実である。その方法の一端を紹介する。

■ 教材開発の方法あれこれ

 教材開発を進んで行うようになって十数年。「本で調べる」「可能であれば現
地取材、できない時には電話で」が教材開発の基本である。これは今も変わら
ない。これに最近はいろいろな方法や道具が加わってきた。

1 きっかけとしてのインターネット
 一次情報を知るという点ではインターネットは本当に便利である。キーワード
を打ち込むだけで関連情報、図書、キーマン等が見つかる。以前、農業関係
で国際貢献をした日本人を扱った授業を社会で行いたいと考えた。キーワード
で検索をする。該当する人物にたどり着いた。インターネット出現前ならできな
かったことである。今は地域情報のホームページも多いので、地域関係の教
材開発の時にも必ずチェックしている。

2 いつでもどこでもデジカメ
 デジカメの便利さは言うまでもない。保存、削除が簡単にできるのはもちろん、
テレビにつなげての写真提示も容易である。外出した時に「これはおもしろい。
授業の教材となる。」と思うことが時々ある。その時の記録用に持ち歩き、気軽
に写真を撮るようにしている。

3 地域巡りは自転車で
 学区のことや市のこと、そしてそのよさを子どもたちに知ってほしいと思ってい
る。そのためには教師自身が知ることがまず一番である。時間があれば可能
な限り地域を巡っている。それも自転車で。「小回りがきく」「あちこちを見なが
ら移動できる」「駐車に困らない」ということを考えたら、自転車がいい。 場合に
よっては対象の関係者に気軽に声をかけるもできる。もちろん、この時にもデ
ジカメ持参である。

4 旅行は新たな教材開発のチャンス
 その土地の産業や〇〇記念館などは、授業にそのまま使える資料が入手で
きることが多い。もちろんインターネットでも調べることができるが、現地を見て
閃くこと、取材から学ぶことはその何倍も教材開発がしやすい。もっとも家族旅
行の場合にはほどほどにしないと家族にあきれられるが・・・。

5 あちこちの情報から発想を得る
 新聞やテレビはもちろん、ミニコミ誌も貴重な情報源だ。市広報に「新八景募
集」の記事があった。それからヒントを得て「高浜八景を作ろう」という単元を構
成したことがあった。また、テレビで「100年前の未来予測」という特集ニュース
が入っていた。これをヒントに「100年後の未来予測・22世紀の世界は?」を
子どもたちに授業をした。ちょうどこれが20世紀最後の授業となった。
(HP http://homepage2.nifty.com/masa555satou/100nenmirai.htm 参照)
 どのように教材化するかという発想のヒントはあちこちに転がっているものだ
と感じる。

■ いつくものネタを「温めておく」

 現在5年生の担任である。次に学習する単元について、何かしら工夫した教
材開発を心がけるのは当然である。
 同時に思いつくまま、気の向いたままランダムにいろいろなことを調べている
のも確かである。「気になるもの」「ヒントになるもの」があったら、その記事・資
料・写真等を即保存する。もちろん5年生以外のものも積極的に収集する。私
の場合には事務用袋に入れて学年ごとにまとめておいている。
 保存する時には、その時の閃きをメモ書きして一緒に入れておく。後で見た
時にこのメモが役立つ。
 いくつものネタを温めておくことにより、そのネタの視点が自分の中に意識化
される。そうすると不思議なもので、関連情報が集まってくる。他学年の情報を
集めるのは、その学年を受け持った時の自分のためばかりではない。他の先
生方にも提供できるネタを・・・と考えている。

■ ゲストティーチャーから自分も学ぶ

 教材開発の目的はもちろん「よりよい授業のため」である。同時に、自分の
一番の楽しみとして「いろいろなことを学ぶことができる」ということがある。特
にゲストティーチャーを招く時の打ち合わせは、「プロから独占的に学ぶことが
できる贅沢な時間」である。
 水産研究所に行き、太平洋側では珍しいイワガキ養殖の様子を見せていた
だく。地域の伝統的な祭り「日高火防祭」の昔のお話を聞いたり、倉庫にある
道具を見せていただいたりする。茶の湯体験を子どもたちにさせようとお願い
に行き、まず自分だけがじっくりと体験をさせてもらう。地元のコネクタ工場で
生産力アップの秘密を知り、学校現場での仕事でも応用できるヒントを得る。
・・・このような経験を年に10回以上はしている。ふだん異業種の方々との接
触がなかなかできない私にとっては、実に貴重なそして贅沢な学びの場であ
る。これも教材開発の大きな魅力である。

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