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           ■□「子供たちに伝えたい・日本大好き5分間話」□■  

  第8号 H13・5・18     発行:佐藤正寿<fwnf1104@mb.infoweb.ne.jp>
           http://homepage2.nifty.com/masa555satou/index.htm

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       ★☆★ 「伝統文化・雅楽を支える人々」 ★☆★

  1200年以上の歴史を持つ雅楽。その雅楽を支える人々がいる。和楽器
作り職人、中学生・高校生に教えようとする人々。皆、雅楽に対する深い愛
情がにじみ出ている。 

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1 伝統のある音楽・雅楽

 日本に昔からある音楽は、大きくは二つに分けられます。
 一つは、一般の人々に親しまれていた民謡や歌舞伎音楽。そして、もう一
つが、身分の高い人々によって親しまれてきた雅楽です。今日はこの雅楽
にまつわることの紹介です。
 雅楽は1200年以上の歴史を持っています。日本の古典音楽として、外国で
も有名です。日本古来の儀式音楽や舞踊などと、中国大陸や朝鮮半島から
伝えられた音楽や舞が組み合わさり、日本独自の音楽となりました。
 昔から、雅楽は宮廷、寺院や神社において盛んに演奏されました。
 これは現在も変わらず、今でも天皇の住む宮中や、奈良・京都の格式の高
い神社で、行事や儀式の時に演奏されます。

 といっても、「雅楽とは関係ない」と思っている方もいることでしょう。
 でも、わりと身近なところで雅楽と関わりを持っているはずです。
 たとえば、琴による「春の海」の安らかなる響きは、誰しも耳にしたことがあ
るでしょう。
 また、「千秋楽」「ニの舞」「ろれつが回らない」「やたら」「やぼ」といった日

使われている言葉の中にも、雅楽と関係のあるものがあります。
 この中でお酒でかなり酔っ払ったことがある時に使う「ろれつが回らない」は、
雅楽の音階と関係があります。音階には「呂(りょ)」と「律(りつ)」の二つがあ
り、あわせて「呂律」(りょりつ)と言っていました。この呂律がうまくいかないこ
とから、「ろれつが回らない」と言われるようになったとようです。
 崇高なイメージもある雅楽と、実に庶民的な言葉「ろれつが回らない」。それ
らが実は関係があったとは、おもしろいものです。

2 琴のまち福山市

 雅楽ではいろいろな雅楽器が使われます。
 代表的なものは、「笙(しょう)」「ひちりき」「琴」「三弦」「楽太鼓」などで
す。そ
れらの中で、誰でも知っているのは琴でしょう。
 その琴を盛んに生産しているまちがあります。広島県福山市。広島県東部
にある瀬戸内海に面した都市です。ここで、日本の70パーセント以上の琴が
生産されているというから驚きです。

 もともと琴は7世紀ごろに中国から伝わり、奈良時代には雅楽の演奏に使
われていました。江戸時代には、すでにほぼ現在の形が出来上がっていま
した。
 福山で琴作りが始まったのはその江戸時代です。この土地をおさめていた
大名が雅楽を福山に伝えたいと力を入れていました。さらに、琴の主な材料
である桐が福山周辺でよく採れたこともあって、盛んになりました。
 特に江戸時代の終わりから明治の初めにかけて、菅波甚七、岩本定吉と
いった琴作りの名人が現れ、その技法が弟子に受け継がれ、現代に至って
います。
 そして、昭和60年には、国の伝統工芸品として「福山琴」が指定されるよう
になったのです。楽器としては初めての指定でした。

3 手作り職人の思い

 全国のかなりの量の琴を生産するわけですから、現在では機械化が進ん
でいます。
 でも、手作りでなければいけない部分があります。そして、その手作り職人
さんたちの技はやはりお見事なものです。
 たとえば、ひびきのよい美しい音色を出すために、「甲(胴体部分)」の裏に
細かな彫刻をする作業。これは、昔ながらの手作業です。音色は、甲の内部
の空気の振動によって変わるので、この彫りの作業はとても重要なのです。
 さらに、「焼き」という作業もあります。焼きゴテという道具を使い、かまに千
度ぐらいになるまで熱します。それを甲の表面にあて、焼き加減を調節しな
がら焼いていくのです。
 むろん、ムラなく焼いていくには、長年の経験とカンが必要です。
 そして、甲は磨かれ、様々な装飾を手作業で施されて琴になっていきます。

 ある琴職人さんは、こう思うそうです。
「いい琴ができると、手元に置いておきたいと思う。でも、やっぱり人にも見て
 もらいたいとも思う。ただ、琴の場合、演奏は評価されるが、琴自体の手作
 りの作品が評価される機会も少ない。それが残念だ。」
 それでも、その職人さんは、仕事がおもしろいそうです。そして、演奏会で、
自分で作った琴は一目でわかるそうです。
 琴に対する熱い思い。そんな職人さんの技で、琴は一つ一つ作られている
のです。
 いろいろな演奏会で聞かれる美しい琴の音色には、このような職人さんた
ちの思いも込められている・・・そんな気がします。

4 雅楽を子供たちに伝える

 この雅楽。今の子供たちには、なかなか受け入れられないかもしれません。
 しかし、福山邦楽器製造業協同組合では、20年以上前から全国の小・中
学校に、琴の無料貸し出しを行っています。それによって、琴のよさを知る子
どもたちも増えています。
 また、来年度からは、新しい学習指導要領で中学校で和楽器を用いた学習
をすることになっています。
 そのために、小中学生でも扱いやすい「新福山箏(しんふくやまごと)」がで
きました。従来の福山琴より、やや小型のものです。これによって、さらに福
山の琴で学ぶ子供たちは増えることでしょう。

 また、雅楽天神会では、「音楽教育に雅楽体験教室を!」をモットーに、各
学校での「体験教室」を積極的に実施しています。笙のパートレッスンをした
り、楽太鼓の体験をしたりしました。
 子供たちは雅楽のよさを味わったことでしょう。

 雅楽を作る職人。そして、次世代に伝えようとする人々。
 このような人々の努力によって、1000年以上続いている伝統文化・雅楽
は、さらに今後続いていくことでしょう。

★参考にしたホームページ

 ■日本雅樂會 http://www.nihongagakukai.gr.jp/mokuji.html
 ■雅楽天神会  http://www3.ocn.ne.jp/~tenjin/
 ■日本の伝統工芸 MIA Vol.29 匠
 http://www.marubun.co.jp/plaza/bnfiles/takumi_html/takumi_29.html
 ■木の贈りもの#3 福山琴 広島県 福山市
 http://www.kiinghome.co.jp/club/kiingclub_vol10_01.htm
 ■FUKUYAMAアラカルト
 http://www.hiroshima-cdas.or.jp/fukuyama/koho/2001-4/arakaruto.htm

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