★ ポートランドマラソン
生まれて初めてマラソン大会に参加した。おそらく、自分の人生の
中でもこの一回限りであろう。
といっても、42.195kmを走ったわけではない。5マイル(約8km)
のレースである。
9月26日。ポートランドについてから5日目がそのマラソンの日である。
前年度もオレゴン団は、このマラソン大会に参加していたので、今年
も全員で参加することになった。
全体の中での順位ははるかに遅い方である。とてもここには紹介でき
ない。それなりにトレーニングしている方々が参加しているのだから、当
然である。
さて、このマラソン大会が市民のものであるということを感じさせるシー
ンがいくつかあった。
まず、家族総ぐるみでのマラソン参加が多いということである。たとえば、
お父さん・お母さん・赤ちゃんといった組み合わせて走る家族もいる。
お父さん、お母さんはいいとして、どのようにしてベイビーが走るのか。
何と、マラソン専用のベビーカーがあるのだ。
乗るところは、普通のベビーカーと同じだが、車輪が違う。回転しやすい
ようになっているし、タイヤも少し大きくなっている。これを押して、他のラン
ナーと同じスピードで走るわけである。
その様子に、「この赤ちゃんもランナーか?」と聞くと、「そうだよ。未来の
ね!」とユーモアたっぷりの答えが返ってきた。
ここにアメリカ人の考え方の一つを知ったような気がした。
まず赤ちゃんがいても、「家族みんなでマラソンを楽しむ方法はないか」と
考える。しかし、赤ちゃんは走れない。だったら、赤ちゃんも走れる方法を考
えればよいという発想になる。
私だったら、赤ちゃんをどこかに預けるという考えになってしまう。
この「マラソン用ベビーカー」は珍しいわけではなく、少なくとも10台以上は
見かけた。のぼり坂ではハーハー言っている私を、ベビーカーを追い越してい
くお父さんがいた。ん〜、アメリカのお父さんは強い!
それから市民が声援を送る点も印象的だった。といっても、旗をパタパタさせ
て「ファイト!」などと言うのではない。
橋の上でバンド演奏をしたり、大きなスピーカーを道路に出して、サイモンと
ガーファンクルの歌をかけて踊ったりとさまざまである。
その様子を見ているだけで、走っている疲れも吹き飛ぶようだった。
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