★ お酒


 ホームスティー前日に、研修のガイド役のミセス・ホンマが印象的な
話をしてくれた。
 我々の中にビール好きの人がいて、「ホームスティー先の人がお酒
を飲まない人だったらどうしよう」と話したのがきっかけである。

 ミセス・ホンマは次のように言った。
「そもそもアメリカでは、お酒を飲む飲まないを話題にすることはない。
日本では、よく『昨日は飲みすぎて・・・』と言ったりするが、ここではナ
ンセンスなこと。」
 その時には、その意味がよくわからなかった。
 「アメリカ人は、あまりお酒を飲まないのか?」と思った。
 しかし、店では数多くのワイン、ビール、ウィスキーが売られている。
しかも安い値段で。ビールなど、日本よりもかなり安い。
 そもそもポートランドのダウンタウンを夜歩くと、多くの人が楽しそうに
ビールを飲んでいるではないか。

 その疑問はすぐに解けた。
 実際にホームスティーをして、お酒がどんな意味を持つのかがわかっ
たのである。
 彼らにとっては、それは実に気軽な飲み物なのである。たとえば、家
庭でおいしい料理を作る。それに合うお酒をたしなむ。ただし、量は多く
ない。つまり、お酒も料理の一つとして味わうわけである。
 だから、酔うという感じはないし、まして酔ってベロベロになる人などほ
とんどいないのである。
 これは店で飲む時も同じである。飲んだ後、平気で車の運転をするこ
ともあるらしい。

 我々日本人にとって店で酒を飲むことはやはり特別の意識が強い。(
むろん、日常という人もいるだろうが)
 一つの店に入って、普通2〜3時間は費やす。二次会、三次会となる
ともうかなり酔ってしまう。
 もちろん、車の運転などできない。費用もかかる。毎日の生活の中で
はちょっとした行事である。
 時には大事な会合だってある。酒が入ると、初対面の人でも緊張が
とれて仲良くなれるという理由から、お酒が利用されることもある。

 彼らアメリカ人にとってお酒は、我々にとってのコーヒーと同じようなも
のである。

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