「地域のよさ・日本のよさを伝える」
佐藤 正寿
日本の子供に、地域のこと・日本のことを、日本の教師が教えている。
しかし、現実に次のようなことはないだろうか。
・自分の住んでいる地域の先達や、地域のよさを知らない
・日本人や日本の悪い点は言えるが、そのすばらしい点は言えない
子供たちが、地域のこと・日本のことを知らないという事実。これは、や
はりおかしい。
学校で地域のこと・日本のことを知る意義は何か。今までの歴史を正し
くとらえ、よりよい地域・よりよい国を作っていくためのものである。そのた
めには、子供たちに地域や日本のいろいろな事実をきちんと教える必要
がある。それも、前向きな視点からである。
私は小学校の教師をしている。教師としてのテーマは、「地域のよさ・
日本のよさを伝える授業の創造」である。
子供たちが将来巣立つ。大都会へ行く者もいるであろう。海外へ行く者
もいるであろう。その時に、自分の育った地域のよさや自国のよさについ
て堂々と語ることができる・・・そんな子供を育てたいと思っている。
そのような地域のよさ・日本のよさは、誰が教えるのか。当然、われわ
れ大人に他ならない。教えれば教えた分、子供たちは吸収する。
総合的学習で、子供たちと一緒にチリ地震津波(昭和35年)の体験者
に聞き取りをしたことがあった。その悲惨さもさることながら、その当時地
域の人々が力を合わせて助け合ったという事実に、子供たちは感銘を受
けた。「自分もそういう人になりたい」という感想を子供たちは持った。
社会科で、不況化の宮古の漁業を調べた。その中でイワガキ養殖とい
うプロジェクトを行っている人を知った。実際に、教室に来ていただいて、
お話をしていただいた。熱く語るその様子に、子供たちは圧倒された。
「宮古にもこんなふうに漁業に取り組んでいる人がいて、嬉しくなった」と
感想を述べていた。
多くの先達の努力があってこそ、今の日本、今の地域がある。
どの地域にも、今の子供たちに伝えたい先人がいる。
また現在も、よりよい日本・よりよい地域を創るために努力している人々
がいる。
数多くの人々のその気概とその心。
それを私達が伝えなくて、誰が伝えるのだろうか。
グローバル化の世界だからこそ、私達の先達の気概やよさを学び、日
本人として自信や誇りを子供たちが持ってくれればと願う。
瀧川紀幸氏をはじめとする「地域の教科書づくりの会」が、地域の先人、
地域のよさを伝える教科書づくりに取り組むという。
嬉しいことである。この活動がやがて大きなうねりとなって、各地域に波
及していくことを願う。
それは、子供を変え、地域を変え、やがて日本を変えていくものになる
であろう.。
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