T 新家庭科教育で目指す指導軸

1 子供たちにとって魅力的な教科、家庭科

 今年度、5年生22名の担任になった。
 出会い2日目のスピーチ。「家庭科の授業が楽しみ」と言った子が5人もいた。今ま
で文化祭での家庭科作品や家庭科室での調理実習の様子を見て、子供たちなりに
感じていたのであろう。また、始業式の日に配布された教科書からも、家庭科という
教科の楽しさが伺える。それらの要素があいまって、家庭科に期待するスピーチが出
てきたのであろう。
 「子供たちのこの期待に沿う授業をしなければ」と子供たちのスピーチから心し
たものである。

2 担任が家庭科の授業をするよさを生かす

 岩手県では小規模校が多いため、家庭科の授業は担任がそのまますることが多い。
大規模校は専科もいるが、それも学校ごとの裁量である。
 私自身は4度目の家庭科授業である。
 「専科の先生が家庭科授業を受け持つよさ」、「担任が家庭科授業を受け持つよさ」、
それぞれあるだろう。たとえば、専科の先生が受け持つ場合、「より専門性が発揮でき
る」「教材研究がより深まる」ということが言える。また、担任が受け持つ場合には、「他
教科との関連が持ちやすい」「一人一人のよさを深く見ることができる」といった点がメリ
ットである。
 ここで大切なのは、「それぞれのよさを生かす家庭科授業を展開すること」だと思
う。私自身、「家庭のよさを生かした授業」「懇談会、学級通信を通して家庭科授業の様
子を積極的に伝える」といった点で、担任としてのよさを多いに生かしたつもりである。(
これについては後ほど述べる。)

3 「よりよい生活人」を目指して

 現在は新学習指導要領の移行期間である。「時数減に対応した指導方法の改善」「総
合的な学習との関連の明確化」といった課題解決も急務である。そのような今、必要なの
は、一人一人の教師が持つ「指導軸」ではないだろうか。新学習指導要領のねらいに沿
った自分なりの主張および実践である。
 小学校学習指導要領における家庭科の目標は、「衣食住などに関する実践的・体験的
な活動を通して、家庭生活への関心を高めるとともに日常生活に必要な基礎的な知識と
技能を身につけ、家族の一員としての生活を工夫しようとする実践的な態度を育てる」と
いうことである。
 究極のねらいは、最後の文言の「生活を工夫しようとする実践的な態度」を養うことにあ
ると考える。
 このねらいに即して、私は「よりよい生活人」という指導軸を設定している。「主体
的な学習を通して、子供たちが質的に高まった生活を送るようにすること」
が「より
よい生活人」の目指す点である。
 その過程で、家庭生活を高めようという意欲、生活に必要な基礎的技能、家族の一員と
しての自覚を高めることができる。そして、その実践的な活動が、子供たちの生きる力に
直結するのである。

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