★津波のことを伝えよう
1 災害の中での人間の尊さ
昭和35年のチリ地震津波。この歴史は本地域にとって忘れられない。
一瞬のうちに財産はもとより、時には生命さえも奪う津波。
そのチリ地震津波によって本地域も壊滅的な被害を受けた。小学校校舎も
ブランコやすべり台校庭の遊具は流され、丸太が教室の壁を突き破り、机や
椅子も荒れ放題という有様であった。
この津波の歴史は、人々の努力によって語り継がれてきた。その恐ろしさ、
悲惨さについてである。
今回4年生の総合的な学習の一つとして津波を扱った。単に津波の恐ろし
さだけではなく、津波が起こるメカニズム、自分たちにできる津波対策、チリ
地震津波の時に助け合ったという人間の尊さ等に範囲を広げて学習をした。
最後には「津波のことを伝えていく」活動を通して、まとめた。
この中で私が一番重視したのが、津波被害の中での助け合いである。
現代と違い、情報量もなくボランティアもシステム化していなった時代に助
けあった人々。そうした人々の励ましによって、高浜は津波からの復興に立
ちあがる。これはまさに「人間の誇り」「地域の誇り」である。
2 岩田アイさんへの聞き取り
チリ地震津波の被害にあった岩田アイさん(学区在住)に、学習の一環とし
て聞き取りを行った。
事前に子供たちには、次のように言った。
チリ地震津波の被害の様子はいろいろな記録に残っています。でも助け
合った様子はあまり記録に残っていません。岩田さんにその点をたくさん
質問してください。
さっそく岩田さんに助け合いの様子を聞く。
Q「中学生や高校生は、どんなふうに助けてくれたのですか」
A「5〜6人で一軒の家をそうじしてくれました。かべをふいたり、衣類を洗っ
たりしてくれました。」
Q「どんな気持ちでしたか。」
A「子供たちががんばるのを見て、私たちもがんばらなければと思いました。」
Q「神父さんにも助けてもらったと作文に書いていましたが、どんな感じだった
のですか。」
A「神父さんはスイスから来た方で、スイスから多くの衣類を送ってくれました。
その時代に岩手の片田舎に外国の物が届いたことに驚きました。」
直接人から学ぶことはインパクトが強い。子供たちも次のような感想を持った。
・大ぜいの人々を助けてくれたしんぷさんや中学生の人の話にかんげきした。
私も心のやさしい人になりたいです。
・いろいろな人に助けられて、その助けた人に会ってみたいと思いました。
3 見える日本人のよさ
岩田さんの話には私も感動した。人間はここまで助け合えるんだということが深
く感銘を受けた。
この話を聞いた直後、偶然にテレビで関東大震災の時の様子を写したテレビ番
組を見た。そこに映ったのは、大震災の直後にもかかわらず、パニックにならずに
整然と並んで援助物資を受け取る大正時代の人々だった。その姿に、フィルムを
回していた外国人も驚いたという。
私たち日本人には、本質的のそのようなよさが伝わっているのかもしれない。
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